2017年03月19日

新米姉妹のふたりごはん(2)

新米姉妹のふたりごはん2<新米姉妹のふたりごはん> (電撃コミックスNEXT) -
新米姉妹のふたりごはん2<新米姉妹のふたりごはん> (電撃コミックスNEXT) -

今回もあやりさんがとてもかわいい。それまで当たり前にしてきた料理だから、家族になったばかりの大事な姉さんにもしっかり作ってあげるのが当たり前で、当然のようにそう考えるあまりに自分からは何も姉さんのためになることができてないとしおれてしまう姿がとてもとてもかわいい。サチのように全身でうれしさを表したりはしない人ではあっても、ふだんは家でひとりで過ごしていたという背景もあって、なにかと頼ってくれたりすごいと褒めてくれたりする姉さんからはこれでもかというほどにうれしい気持ちをもらってるのが伝わってきてましたからね。そのお返しをする機会を見つけたなら、全力でそれを活かそうとするでしょうとも。そしてそれにもかかわらず不手際があれば、やっぱり自分はどうしようもない妹なんだとへこんでしまったりもしようというもの。この辺の、無自覚のうちに自分を卑下して、姉さんを前にすると肩に力が入った感じを思わせるのがかわいくあり。サチの方は天然でそれに気づいてない感じではあるんですが、そうでありながらもナチュラルに自分のために何かをしてくれるあやりに感謝の気持ちを伝えてなぐさめ励ますことのできる筋金入りのポジティブさが、話を暗くさせてくれなくていいんですよね。あやりさんが下手するとどんどん自己嫌悪のサイクルにはまってっちゃいそうなくらい深刻に考えすぎるところのある性格だけに、いい姉妹になってると思います。サチもサチで、ちょっとおバカなところもあるけれど、あやりといると、すごいすごいと彼女のことを褒めて、(主に料理面で)いろんなスキルを引き出してくれてるところがあるといいますか。それもあってか、LINE的なメッセージアプリでのあやりさんのサチ姉さんへの返信速度が速すぎてちょっと不安になったりするところもありますが、姉さんのことが好きなのがわかってとてもいいものです。ラストの、まっすぐに向けられるきらきらとした感謝や妹思いの気持ちによって感情がオーバーヒートしそうになってるあやりさんとか、本当にかわいかったですし。姉さんの前ではきりっとしてみせようとする姿とのギャップがたまりませんでした。

それと、サチに妹ができたことで微妙に話し相手を取られた形になってる絵梨の方も最後のところでなにやら面白そうな描写の挿話があり。この辺、どうなっていくのかも楽しみなところで。3巻も楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月12日

魔法密売人 極道、異世界を破滅へと導く

魔法密売人 極道、異世界を破滅へと導く (電撃文庫) -
魔法密売人 極道、異世界を破滅へと導く (電撃文庫) -

なんともビターな読後感。いいですね。

自分がこれまで読んできたファンタジー作品としては結構異色な作品だったように思います。なんせ主人公が極道ですし。開始早々にえぐい暴力が吹き荒れてて、しょっぱなからとっつきにくさがあるんですが、そんな、感慨すら感じさせず人を殺せる男が異世界に呼び出される。王族の意思一つで人の命が簡単に奪われうる世界に、現代日本においては明らかにカタギの一線を越えた男が足を踏み入れる。ワクワクしてきませんか? 自分はとても興味をひかれました。

しかも、主人公・チシオを呼び出したクデン族(いわゆるエルフ)の少女・ルルルの、チシオを呼び出すに至った経緯がまた極まってる。陰謀か欲望か、なんらかの思惑からクデン族が王国の悪意にさらされて、滅亡の危機にさらされているという。もともと隠れ住むことを余儀なくされてたクデン族に王国に対抗できるだけの力はなく、そんな窮状を打開するための救世主として見出されたのがチシオなのだという。正直なところ、状況はチシオが呼び出された時点で極まりすぎててもうどうしようもない。でも、じゃあルルルを見捨てるのかというと、それをしないのが主人公であり、しかしそんな彼女をいいように利用する算段もつけるのがチシオでありという、悪事なれした冷血さを見せてくれるのがなかなかに外道な面白さ。

ぶっちゃけてしまうとこの話、明るい希望なんてほとんど描いてはくれないんですよね。どいつもこいつも悪人と、だまされるバカと、泣かされる被害者ばかり。主人公はルルルを利用するだけしようとしてなんら悪びれない悪人だし、ルルルは一族が見舞われた悲劇ですこしばかり情緒不安定ぎみだしで、そんな二人の視点を通して進んでいく話は、読んでて疲れるっちゃあ疲れる。けど、それでも先を期待しながら読み進めてしまったのは、わりと平気で人を半殺しにすることもできるチシオと、復讐心に駆られたルルルという火薬と火のような組み合わせが、いかにこの世界で炸裂してくれるのかと、そんな楽しみを抱かせてくれたからなんですよね。

極道の男が異世界に呼び出されて、魔法の存在する世界を暴力で蹂躙する。ワクワクするじゃないですか。この異世界の住人もバカばかりではないにしても、悪事なれしたチシオの前にはあと一歩のところで及ばなさそうで。吹き荒れる暴力の嵐の後にチシオが高笑いする展開になるのかと、思わせてからの、実はそうはならない展開。そこがでいちばん面白かったんですよね。途中途中で苦労しながらハードルをクリアしていって、たいしたことなかったなと、詰めの作業に入ろうとしたあたりでそれがひっくり返される衝撃。そこから回復しきる前に一気に窮地に追いやられる苦しい展開。その末の末の、結末までの流れが、怒涛のようでいてなんともいえない苦い後味を残してくれることといったら。最終的にこの主人公は、欲していたものをなに一つ手に入れられずに終わってしまったんですよね。手に入れたかったものはすべてこぼれ落ちていってしまって、それなのにしがらみと因縁ばかりが絡みついて尾を引いていく。すべてが裏目に出てしまったかのようなあの結末。いやー、この読後感。たまりませんね。しかも、最後の最後、次につづく的な最後のところでほのめかされていることは、つまり……。ぜひ、ぜひ2巻も出してください! よろしくお願いします!
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 05:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月09日

あの娘にキスと白百合を(2)

あの娘にキスと白百合を 2 (MFコミックス アライブシリーズ) -
あの娘にキスと白百合を 2 (MFコミックス アライブシリーズ) -

今回は受験と卒業あたりがテーマ。受験生の先輩と、そんな先輩と仲のいい1年生ふたりと、そこに途中からさらに後輩の女の子ひとりが加わる別れの季節の話。今回もよかったですね。恋愛感情がどこまで絡んでるのかは、はっきり描いてもらえないとわからない程度の読解力ゆえに微妙なところにも思えるのですが、できればずっといっしょにいたいと思う女の子同士の関係はやっぱりいいものだと思うのですよ。進学で離ればなれになってしまうことや報われない気持ちを抱くことに悩んだりしながら未来への道を進んでいく女の子たちを見ていると、素直に応援したいと思わされるのです。

今回いちばん印象的だったキャラはやっぱり伊澄ですね。夢を追う先輩を応援したいんだけど離ればなれにはなりたくないというジレンマを抱えて膠着しかけた関係を、自分の気持ちにストレートな行動で打ち破ってくれたパワフルな女の子で。ちょっとばかり考えるよりも先に体が動いちゃうところはありますが、こういうまっすぐなキャラは爽快感があって好きです。チャームポイントの八重歯もかわいい。彼女の行動はこの巻でちゃんと報われてますが、もっともっとと応援したくもなってきますね。

それと、前半で何度か見せた困り顔が印象に残っているのが先輩の真夜。進学先で悩んだり、応えられない気持ちに悩んだりと、仲のいい後輩たちとの関係で思い悩んで申し訳なさそうな顔をしてる姿ばかりが前半では印象に残る人で。だからこそ最終的に笑顔での送り出しを形作った伊澄の行動が光るところ。

幕間の小劇場でも変わりたい人、変わりたくない人、いろんな人がいたりと、様々な卒業の姿が描かれてたのが印象的な巻でした。

いつのまにやらもうキャラの学年がひとつ上がりそうな感じですが、次の巻はどうなっているのでしょうか。あとがきによると「白黒らへん」とのことですが、さて。その二人については、今回も黒沢さんが白峰さんのこと大好きで、白峰さんがペース崩されてるのが見れてよかったですということで。ともあれ次も楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年2月の読書まとめ

2月は25冊。2月こそはしっかり目標達成と言いたかったんですが、1月同様に予定になかったエロが6冊も含まれてるので、厳密には目標未達ということで。なんでこんなにエロばっかり読んでるのかと自分でもつっこみたくなるんですが、これには理由があったりなかったり。

半年くらい前からPCの調子が悪くなってたんですけど、その後さらに少しずつ悪化してきてて。web上でリンクの先に飛ぼうとしたらそのページがちゃんと表示されるのにちょっと時間がかかってたびたびストレス感じるようになってたんですよ。待ち時間としては、たいていは5秒とか10秒とか、何かしようにも短すぎてどうしようもなかったり、YouTubeみたいなデータ量の多いページになると1〜2分にもなったりして、いくらなんでも無駄が多いと思えてきて。新刊チェックや読書のペースにも目に見えて影響が出てきたこともあって、その時間に何か読んでみるのはどうだろうかと考えてみた次第。ただ、とぎれとぎれになるのは否めないので、ふだんの読書とは違うものを……と考えた末にエロで埋められることに相成りましたと。ハイ。とはいえひと月で6冊も読めているというのは、いくらなんでもロスタイム多すぎじゃないですかねとつっこみを入れざるをえないところ。さすがに耐えられなくなったので、月末にえいやっとPCを新調しました。なので、3月はこの部分がぐっと減ることになるかと。

そんな感じで、さっきも書きましたが、新刊チェックや読書ペースが遅れてきたのが2月の特筆事項ではあります。1月のまとめにて読書ペースアップを図りたいと書いて、実際そうするために読書よりも優先させてた新刊チェックの優先度をやや下げてはみたんですが、中旬ごろからPCの不調がさらに悪化してきたこともあって新刊チェックがまるで進まないこと進まないこと。おかげで、それまでは週末のうちに翌週の新刊チェックを済ますことができていたのが、いまやこの記事を書いている時点でまだ2/20からの週のチェックが終わらないと言っているありさま。くわえて、なぜか平日の忙しさが増している感じがあって、平日はほとんどブログの更新とその準備だけで終わってしまう日が多く、気づけば読書の方も2〜3日に1冊くらいのペースになってしまっている始末。目をつけていた新刊が初動の売上が悪くて打ち切りの公算大という話を目にしたりして、やっぱり新刊はもっとすぐ読んですぐ感想あげないとなーと改めて思わされたりもしたんですけど……。ただ、そうはいっても2月後半の感覚的な忙しさは本当に原因不明なんですよ。やらなきゃいけないことが増えたわけでもなし、それなのにそれをこなすだけで前よりも5割増しくらいで時間がたつようになったりしてて。なんだか自分ひとり時間の流れがおかしくなってるんじゃないかと思ってしまうくらいで。ホントなんなんでしょうね……。まあなにはともあれ、粛々と新刊チェックして、読んで、面白いものは応援していけたらと思います。

ついでに、1月同様にここではカウントしてないマンガ等も合わせた水増しした読了数としては34冊でしたということで。結構マンガも読んでた気はしてたんですが、そうでもなかったようで。とはいえ買うだけは買ってるんで、いずれその辺がガツンと読了に回ってくるのかなと。というか、マンガ方面にもまた手を出しはじめたらさっそくそちらでも未読本が積み上がりはじめててこわいんですけど……。

ふりかえりは以上にして、2月読了分からのお気に入り作品を。先月分からは以下の通り。

[☆☆☆☆]お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係  感想
お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 (一迅社文庫アイリス) -
ライトノベルより。身分違いの両片想い主従のそれぞれの思いの丈が素晴らしい。ありがとうございます。ありがとうございます……!

[☆☆☆☆]パレス・メイヂ(1)  感想
パレス・メイヂ 1 (花とゆめコミックス) -
マンガより。主君に惹かれて忠実に仕える少年侍従と、そんな彼を好もしく思い優遇する女帝の話。最高か。

[☆☆☆☆]本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(2)神殿の巫女見習い(3)  感想
本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第二部「神殿の巫女見習いIII」 -
ライトノベルより。見える世界が広がって異質な文化圏が見えてくる。そうすることで受けいれがたいような差異がうかがえてきたり、ひるがえって主人公周りにも融和しがたい価値観が認められたりもする。異文化交流ですね。

[☆☆☆☆]本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(2)神殿の巫女見習い(2)  感想
本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第二部「神殿の巫女見習いII」 -
ライトノベルより。初めて直面した身分社会の風当たり。厳然たる身分の違いとその強烈な意識に打ちのめされる。

[☆☆☆☆]女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします  感想
女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします<女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします> -
ライトノベルより。困ったわんこたちの飼い主になった女の子がドン引きしながらも奮闘する、笑って笑って笑える話。

[☆☆☆☆]あなたに捧げる赤い薔薇  感想
あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO) -
ライトノベルより。めんどくさいんだけど、自分よりも愛する人の幸せを願う気持ちの尊さですね。

次点として、『おめでとう、俺は美少女に進化した。』(感想)も。だんだんあざとかわいさが見えてくる女装男子がかわいい話でありました。

そんな感じで。わりと後半はペースのにぶりと相関するのか読書の満足度が落ちてきてたような記憶もありましたが、こうしてみるとそんなでもなかったような? とはいえ、感覚的にはまだ調子が下降気流の中にいるような気がしてもいるところ。3月もまた一冊一冊読了を積み上げていけたらと思います。

以下、読書メーター貼り付け。

2月の読書メーター読んだ本の数:25読んだページ数:7156ナイス数:0

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いII」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いII」読了日:02月01日 著者:香月美夜
催眠クラス‾女子全員、知らないうちに妊娠してました‾(ぷちぱら文庫161)催眠クラス‾女子全員、知らないうちに妊娠してました‾(ぷちぱら文庫161)感想催眠術を知ったばかりのころの、いいなりになった相手の体におっかなびっくり触れていき、そのまま湧きあがる性的欲求を満たすためだけに女の子のやわらかな体で楽しんでいくシチュエーションの興奮度。そして危険日が今日だと聞いてよろこび勇んで行為に及ぶ主人公のガチ感。よかったですね。もっと積極的に狙っていってもよかったのでは。読了日:02月03日 著者:田中 珠
やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 (ガガガ文庫)感想王女のファニア殿下いいなあ。戦の趨勢のここぞというところで、先頭に立って命を懸けれる度胸がある。身分よりも実力で部下を評価するタイプだし、これは下々に慕われるタイプの王族。情に流されそうになるところもあるけど、最後の一線的には王族としての責務を守らねばならないことも理解している。行く末見届けたい気持ちにさせられる王女様ですね。読了日:02月03日 著者:犬村 小六
お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 (一迅社文庫アイリス)お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 (一迅社文庫アイリス)読了日:02月06日 著者:梨沙
石と星の夜 (サラファーンの星2) (創元推理文庫)石と星の夜 (サラファーンの星2) (創元推理文庫)読了日:02月09日 著者:遠藤 文子
艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 7 (ファミ通文庫)艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 7 (ファミ通文庫)読了日:02月10日 著者:築地 俊彦
転生の神王妃 ~夜に抱かれる少年~ (ビーボーイノベルズ)転生の神王妃 ~夜に抱かれる少年~ (ビーボーイノベルズ)読了日:02月10日 著者:夢乃 咲実
俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~ (ダッシュエックス文庫)俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~ (ダッシュエックス文庫)読了日:02月10日 著者:あまうい 白一
愛があれば恋人に催眠術をかけても問題ないよね?(ぷちぱら文庫238) (ぷちぱら文庫 238)愛があれば恋人に催眠術をかけても問題ないよね?(ぷちぱら文庫238) (ぷちぱら文庫 238)感想お堅い彼女とエッチがしたくて催眠で調教してたら成長しすぎてMっ気のある変態性癖を開眼させてしまったので軽く引きながらもとにかく気持ちのいいセックスをしまくる感じの話だった、かな。前半の、誘ってもOKしてくれない彼女を相手に、催眠術で聞きづらい本音を聞きだしたり、それをもとにちょっとずつエッチな習慣をしこんだり、そのついでにがまんしきれなくなった性欲をそのまま発散させたりする流れとか、なかなかよかったです。読了日:02月11日 著者:JUN
逆転召喚 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)逆転召喚 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)読了日:02月12日 著者:三河 ごーすと
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空 (3) (角川スニーカー文庫)艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空 (3) (角川スニーカー文庫)読了日:02月13日 著者:むらさき ゆきや
猫と竜と冒険王子とぐうたら少女猫と竜と冒険王子とぐうたら少女読了日:02月13日 著者:アマラ
ヒロインな妹、悪役令嬢な私 3 (PASH!ブックス)ヒロインな妹、悪役令嬢な私 3 (PASH!ブックス)読了日:02月14日 著者:佐藤 真登
催眠遊戯 (ぷちぱら文庫 94)催眠遊戯 (ぷちぱら文庫 94)読了日:02月15日 著者:おくとぱす
精霊幻想記 3.決別の鎮魂歌 (HJ文庫 き)精霊幻想記 3.決別の鎮魂歌 (HJ文庫 き)読了日:02月16日 著者:北山結莉
女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします読了日:02月17日 著者:帰初心
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いIII」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いIII」読了日:02月20日 著者:香月美夜
催眠クラス〜女子全員、知らないうちに妊娠してました〜 委員長の特別授業編 (ぷちぱら文庫186)催眠クラス〜女子全員、知らないうちに妊娠してました〜 委員長の特別授業編 (ぷちぱら文庫186)感想委員長がメインかと思いきや、並んで先生とのシーンにいいものが多かったような。催眠エッチはやはり普通のことをしてると思わせて卑猥なことをさせるシチュエーションがいちばん興奮します。保健の授業にてクラスの皆が見ている前で教材として淡々と扱われる流れとかよかったですね。大人の経験値をうかがわせて。かと思えばその後、主人公と実演してみせたときの止める気配もなくのぼりつめてく姿のいやらしさ。委員長との初エッチでの、主人公があまりの気持ちよさに夢中になってしまう様子の没入感もとてもよくて。前回よりも満足度の高い一冊。読了日:02月20日 著者:田中珠
龍と狐のジャイアント・キリング1.鋼鉄機兵のシンプルな倒し方 (HJ文庫)龍と狐のジャイアント・キリング1.鋼鉄機兵のシンプルな倒し方 (HJ文庫)感想サブタイトル通り本当にシンプルに倒しおった。ある意味すごい。けど、スケールが大きいとそれだけで爽快ではある。イラストでの登場がいちばん多かったヒロインの狐貂、外見的にはもうちょっと主人公と年の近い少女のように思えていたけど、案外と精神年齢的には幼そうな。とはいえまっすぐな性格とそこからくる主人公へのストレートな好意はかわいいものです。読了日:02月21日 著者:神秋昌史
あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO)あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO)読了日:02月22日 著者:jupiter
職業、商人(1)<職業、商人> (オシリス文庫)職業、商人(1)<職業、商人> (オシリス文庫)感想Web版既読。ただしどこまで読んだかは不明。そうそう、この神官さんがいい性格をしているのだった。そういうことには興味ありませんみたいな顔をしていながらエロい方面にぐいぐい話を進めていって、なんていやらしいやつだとかなんとか商人をののしりながらも指の隙間からとかでなくエロい事態を食い入るようにガン見してらっしゃる神官さん。お堅い教会で信望を集めていながらも、アレでナニな薄い本の作家としてそれなりに繁盛していらっしゃる神官さん……。わりとツッコミどころ満載な人である。読了日:02月23日 著者:黒おーじ
愛していると言ってくれ!  ~孤独な王と意地っ張り王妃の攻防戦~ 1 (ディアノベルス)愛していると言ってくれ! ~孤独な王と意地っ張り王妃の攻防戦~ 1 (ディアノベルス)読了日:02月26日 著者:藍井恵
魔界女王に睨まれながら孕まセックスしてみます!  (ぷちぱら文庫Creative 155)魔界女王に睨まれながら孕まセックスしてみます! (ぷちぱら文庫Creative 155)読了日:02月27日 著者:栗栖
おめでとう、俺は美少女に進化した。 (カドカワBOOKS)おめでとう、俺は美少女に進化した。 (カドカワBOOKS)読了日:02月28日 著者:和久井 透夏
艦隊これくしょん ‐艦これ‐  鶴翼の絆 (6) (ファンタジア文庫)艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 鶴翼の絆 (6) (ファンタジア文庫)読了日:02月28日 著者:内田 弘樹
読書メーター
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月08日

ソードアート・オンライン(9)アリシゼーション・ビギニング

ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫) -
ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫) -

ようやく読みはじめますアリシゼーション編。今度は、気づいたらファンタジーゲームの世界に入りこんでいたという出だし。ゲーム世界を描いた話としては今でこそわりとよく見る話ですけど、そういえばこのシリーズではこれが初ですね。アインクラッド編は閉じこめられた話ですし、アルヴヘイム・オンラインやガンゲイル・オンラインはそのままゲームとしてプレイしている話でしたし。そういう意味では、ついに来ましたというこの設定。ただ、このシリーズがそういう設定の中でも異質なのは、主人公のゲームに対するアプローチ。これがいかにもSFなんですよね。もともとキリトさんはSAO事件を経験したことで、VR関係の技術や業界に将来的に関わっていきたいという志望をはっきりさせてますし、そっち方面の知識はかなりあって。だからこそ、いかにも精巧なファンタジー世界のようなゲーム内に知らぬ間に放りこまれたにもかかわらず、(本当に異世界に来てしまった可能性も捨てないまでも)どういう仕組みのVR空間なのか、それを可能にするVR技術とはどういうものか、VRゲームの内部だとすればどのように行動するべきか等々、技術的な推測にメタ的なゲームデザインの知識を絡めて自身の現状や入りこんだファンタジーゲームの世界の考察を進めたりしてるんですよね。SFの枠組みでファンタジーをやってるという感想をどこかで見かけていますが、まさにそんな感じ。面白いアプローチです。

それと、たびたび思わされてる気がするんですけど、この作者さんは郷愁を感じさせる描写の仕方がうまいですよね。今回でいうと、珍しいことに途中で挟まった見開きカラーイラストの場面。プロローグでの前振りがあるから活きる、このなんともいえない寂寥感。よかったですね。

あと、アインクラッド編の終了時から作中ですでに年単位での時間が経っていることもあって、現実世界のキリトとアスナの安定感のあるカップル感がやばいですね。もう少し前からこんなだったような気もしますが、久しぶりにこのシリーズを読むと改めて感じさせられるものがありますね。シノンに対してキリトのことをあきれたように「この人」とかいうアスナの破壊力たるや。あれ、まだ夫婦じゃないの、このふたり……?
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

おめでとう、俺は美少女に進化した。

おめでとう、俺は美少女に進化した。 (カドカワBOOKS) -
おめでとう、俺は美少女に進化した。 (カドカワBOOKS) -

女装男子はいいものです。

趣味が高じて女装デビューしたら、男女問わずフラグが立ったりいろんなイベントに巻き込まれたりすることになって、頭抱えながらもどんどん後戻りできなくなっていく感じの話。楽しい。

もともと面白がって始めたはずの女装なんだけど、ビフォーアフターのイラストからもわかるように気合いが入りまくってて、アフターの姿はもはや完全に別人の、ただのかわいい女の子なんですよね。ただ、その女装をするにあたって「朝倉すばる(HN:+プレアデス+)」という架空の人物を作り出したことで、別人であることのつじつま合わせが加速度的にややこしくなってくるのが面白いこと。ネット上で始めた女装なのに、義理の弟妹とか中学以来の男友達とか、結局接点が多いのは身近な人たちばかりなのは、世間は狭いというか。まあ弟妹に関しては義理の兄心的なものがうかがえるから、家族思いともいえるのだけど。とはいえ、これだけノリノリで女装しているということは、身近な人であるからこそ言いだしづらい趣味であって。別人とは知らずに女装時・非女装時の主人公をそれぞれ同じ集まりに呼ぼうなんて話が出るのをなんとかして回避しなきゃと頭を悩ませてたのとか、それは非常に困るという心境が伝わってきて笑うしかなかったですね。

でも、主人公自身、自分の思う可愛い女の子の理想を詰め込んでみたと言うほどのことはあって、「朝倉すばる」という女装時のキャラは、まあかわいいんですよね。おかげでいろいろフラグが立ってますけど、ろくな相手が一人もいないという状況なのがまた面白くて。筆頭が義理の弟妹という時点でもう全力で回避するしかないというところなんだけど、当人たちは+プレアデス+がまさか義理の兄だとは思ってもいないから、女装時のキャラとしてはむげにも扱えないジレンマに陥ってしまうという。しかも、いろんなところからその本気度がうかがえてくるからもう頭抱えるしかない感じなのがおかしくて。

それと、もう一人のちゃらい感じの男と接してるときの様子を見てて思うんですけど、もともと男であることもあって、すばるってやっぱり男相手だとややガードが下がるところがあるんですよね。なまじ女性が癖の強いキャラが多いというのもあるんですけど、男相手のほうが距離感が近いし気安い態度もすっとでてきてて、それが相手の誤解を生んでるように見えるところがちらほらと。義理の弟相手だと優しくて頼れるお姉さんみたいだし、稲葉相手だと気安い友人みたいだし(事実そうなんだけど)、一真さん相手だとまるで素の姿を見せれる相手みたいになってるんですよね。そして、接しているとどこかに隙があるというか、自覚もあるように強く押されると意外に流されやすいところも見えてくる。これ、すばるとしては意識してないんでしょうけど、男目線でかなりあざとい子になってませんかね。おまけのSSを読んでて特にそんなことを感じたり。やっぱりあれですかね、女装男子の魅力は同じ男と向き合ってこそ発揮されるということですかね。これは期待が高まりますね……!

という感じで、話としても、女装時と非女装時のつじつま合わせでさらに頭抱えることになりそうな展開で次に続く的な終わり方。この先がとても気になるラストだったんですよね。少なくともWeb上ではこの先にも続きがあるようで。ぜひ、そちらも書籍化を……と願いたいところ。ただ、売り上げ的に続刊は難しいかもしれないとの話も目にしていて、わりと切実に売れてほしいところ。

だんだんあざとかわいさが見えてくるようになる女装男子の話をぜひ!
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月02日

あなたに捧げる赤い薔薇

あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO) -
あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO) -

なにこの人たちめんどくさい。

わがままで、ぜいたく好きで、公然と浮気もしていて悪妻の評判隠れない伯爵夫人であるオフィーリア。けれども実際はすべて皆にそう思わせるための演技で、愛する夫のために、彼が本当に愛する女性と結婚することができるように自ら離婚の口実を作り上げていくけなげなヒロインで。

一方の夫であるオルフェウス。盲目の従妹との仲良さげな姿がたびたび見かけられ、オフィーリアの件については屋敷の使用人たちからも同情を寄せられるかわいそうな伯爵。けれどもいやなら離婚すればとも迫るオフィーリアに対して、彼が首を縦にふることは決してない。それはなぜなら――。

という感じで、出だし的に切ない系の話を期待してたところもあるんだけど、むしろそれ以上にすれ違いがこじれて収拾つかなくなりかけてく二人がじれったくてしかたなかったんですけど! 本当はお互いに好きあってるはずなのに、相手のことを愛しているからこそ、自分なんかよりも本当に愛する人といっしょにいる方が幸せになれるんだと身を引いてしまう。しかもそれが心のうちの悩みならまだしも、特にオフィーリアの場合は気合いが入ってて、本当に使用人には当たり散らすし、浪費だってしてみせるし、愛人という名目の友人だって作って堂々とデートだってするしで、それだけ行動力があるならどうしてもう一歩でもオルフェウスに踏み込んでみようとしなかったのかとも思ってしまうくらい。けどこの辺は、オルフェウス本人もそうだけど、お互い自分にはもったいないほどの人だと思ってるから、自分以外の異性と仲睦まじげにしている姿を見るとやっぱり……と思ってしまう。自分への自信の持てなさの表れのようでもあったんですよね。だからこそ、二人の気持ちがすれ違ったまま、どうして周りはこんなになるまで放っておいたんだと思ってしまうほどに、こじれるこじれる。

特にいちばん頭抱えたくなったのが、互いの本当の気持ちがわかって、という出だしからは物語の山場になりそうに思えた場面が半分くらいのところでやってきちゃったとき。え、これあと半分なにするのと驚いてたら、なんと、それで解決するどころかさらにドツボにはまってくんですよ、この二人は! というか、このヒロインは! 気持ちが通じあって、過去のすれ違いも誤解だとわかって、そしたらもう二人は幸せになりましたで終わると思うじゃないですか。なんでそこからさらにこじれるのさ! いや、まあ、わかるけど。すれ違い時代の振る舞いは、誤解だとわかればすぐに水に流してしまっていい程度のものではなかったけど! この辺、オフィーリアってすごくまじめなんですよね。そこが、新婚当初、オルフェウスが好感を抱いたところでもあったんですけど。でも、あらためてふりかえってみても、二人の問題としては、やっぱりそれで解決なんですよ。二人の親しい関係者以外は登場しないし、その外側の世界のことなんて、作中でも言われていたように、気にしないことにすればどうとでもなってしまう。それでも、そのままにしておいてはいけない。自分のためではなく、オルフェウスのためにも、なんとかする方法を考えなければ、そうでなければ顔向けができないと妙なところで意固地になるオフィーリアがもうめんどくさいこと! なにこのかわい……めんどくさいキャラ! 本編後の、番外編的なその後の話での、もう新婚といえるほどでもないのに初々しい様子もよかったですし、もう本当に、なにこのかわいいキャラ!

けれど、そうして話がもう少し広がったことで、オフィーリアとオルフェウスの二人だけでなく、その周囲の何人かも含めてしっかりと幸せなエンディングにたどり着くことができた展開がいいものだったんですよね。二人だけの話ではなくて、二人を中心にした、その周囲の人たちも含めた物語だったんだなあと。それを一冊に収めて読むことができた満足感でしょうか。それと、読後にタイトルを見返したときに感じる心地のよさまで。とてもいいお話でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月26日

本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(2)神殿の巫女見習い(3)

本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第二部「神殿の巫女見習いIII」 -
本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第二部「神殿の巫女見習いIII」 -

やばい。すごく面白くなってきてる。神殿で巫女見習いとして働きはじめたことで、いち兵士の娘であったころよりも着実に見える世界が広がって、確実に面白さが増してきてる。いいなあ、このシリーズ。

階級・職業の違う人たちの世界をのぞけばそこには確かな違いのある別個の世界が広がっている。細かいところでそんな情景を感じさせてくれる描写がたまらないんですよ。今回でいうなれば、前回からひきつづいての貴族社会と、改めて見直した平民階級について。

まずいきなりテンションを上げてくれたのが、前の巻でのマインと貴族の子弟との間で起きた揉め事の解決法。あれから少し時間が経って、改めてこんな感じで処分が下ることになったと伝えられるかと思えばもうすでに執行済みの事後報告がされるだけという。しかもその内容が主犯の処刑という想像以上に重いものだったから、ぞっとさせられること。マイン視点で物語を読んでいると、てっきりマインに不快な思いをさせた償いとして処分を下すのかと思っていたんですけど、これもう完全に貴族の面汚しに対するみせしめの意味のこもった刑罰になってるじゃないですか! 人ひとりの命がこうもあっさり飛ぶのかと。しかも、一方の当事者であるマインには処分の妥当性の確認なんてなにもなく、後になってただ処刑されたとだけ知らされる。貴族こええ……。どのレベルの人々によって処分が検討されたかはわかりませんけど、奪うは一瞬とばかりの権力のすさまじさを感じさせてくれることで。

それと、貴族の中でも相当な魔力保有量であると知れたマインの身を狙ってうろつきだしたあやしい影についても。神官長やひきつづきベンノさんたちが慎重すぎるくらいに周囲に気をつけていることもあって、今のところ大きな危険には遭遇していないのだけど、その一方で失敗した下手人や神官長たちにマークされた人物が次々と不審死を遂げていくこの不気味さ。どう考えても口封じされてるんですけど、その死に方もどうも拷問や尋問をきらっての自死というより上層部や依頼元から見切りをつけられての処分なのではないかと思えるむごたらしいものが散見されて。ここでも人の命があっさりと……。なんでしょうね、この世界の貴族階級の人たちは、人間なんてそこら辺から生えてくるとでも思ってるんでしょうかね。替えなんていくらでも利くとでも。なんというか、本当に命が軽い気がしますね。いち兵士の娘時代は想像もつかなかった世界ですけど、ファンタジーな世界としては個人的にとてもいい感じだなあとも思ったり。

そんな感じで、マインの接する相手が貴族階級や裕福な商人たちとの関係が中心になってきたことで、改めてマインの実家の周りの裕福ではない平民階級の人たちの暮らしぶりを見つめ直して気づくこととしては、ああ、やっぱり現代人からすれば極端に不衛生な環境なのねといういまさらのような気づき。思い返せばマインになってすぐ、体が弱いにもかかわらず家の掃除をしまくったり、料理をするときはしっかり手を洗うことを徹底したりしてましたっけ。でも、転生ものではわりと定番的な部分でもありますし、そうはいっても無視できるレベルだと思ってたんですけどね。でもそれもマインのお母さんの出産場面でここまでしっかり描写されてしまうと、脳内で描く情景としてもごまかせなくなってきますわ。第二部になって急に現れてきたように感じていた理想化されてないファンタジー世界としての景色って、貴族階級がかかわってくる部分だけでなく、平民階級まで含めて実はそうだったんですね。前の巻で感じていた断層は、これで徐々に埋められていくことになるかと。ただそうすると、今度は難点として浮かび上がってくるのが、これまでの誤解の一因にもなってきたと思うところなんですけど、イラストの絵って、それにしてはきれいすぎるんじゃないでしょうかというところ。イラストはイラストで華やかでいいんですけど。どちらに合わせるのがいいのかという点は悩ましいですね。

あと、それに関してわりと真顔になってしまうのが、不衛生な環境を当然のものとして暮らすご近所さんを、マインがどうも嫌悪あるいは忌避しているらしいということ。出産の場面とか読んでても、現代人からすれば卒倒しかねない衛生観念の欠如ぶりではありましたけど、父母や姉は当然のようにこなしている近所づきあいを、マインはほとんどする気が見られない。これは、もともと病弱であることからくる自衛の一面もあるのかなと思いますが、それ以上に、やっぱり現代知識のあるマインとそうでない人たちでは考えに違いがありすぎて正面から接したらあらゆることで衝突が起きてしまうという一面もあるのではないかと思ったり。気ごころ許したルッツ相手にならどんな話もできるけど、その家族相手にでさえ、あんまり理解されてないままそういう性格だからで押し通してた節がありますから。常識的な知識の差はなかなか埋めづらいからしかたない部分もありますよねというところ。ただ、現代人の目から見て科学的に正しいのはマインの方になるんですけど、周囲の風習に対する嫌悪感や、むりやりにでも追い出されなければ自分の知識・やり方こそが正しいとひき下がらななかっただろう態度を見るにつれ、それらの風習を劣ったり誤ったりするとんでもないものと思ってるのがうかがえてしまうんですよね。事実としてそういうところもあるんですが、そんな意識を抱きながらの関係って、それはそれで健全・良好とはいいがたいというか。もう何歩か進むと差別感情と呼べるものになるのではないかなーとも思えたり。この辺は、貴族と平民と階級差によるものではなく、知識・教養の差からくる感情とでもいえましょうか。そういえば、マインが神官になりたいと言ったとき、マインの父親が急に怒りだしたことがありましたっけ。あれも、孤児は憐れみの視線を向けられる存在という感覚がうかがえたようにも思えたり。貴族は平民をさげすんで、平民は貴族をお貴族様と揶揄してみせて。けれど同じ平民同士の中にも職業や経済状況などで見下すような目線が存在しているということなのだろうかという。なんというか、どこの層も愉快じゃない部分があるんですねというか。でも、その世界に人々が息づいているというのは、案外こういうことなのではと思うところもあって。読んでいてとても素晴らしいファンタジー世界だと感じますね。

まあ、そうはいってもマインのまわりでは彼女の性格もあいまって結構コミカルにやわらいだ雰囲気になってる印象があるんですが。そして物語がマイン視点で進む以上、ある程度からは想像で好き勝手補ってるところでもあるんですが。

それでも、個人的な心地のよさやテンションの高揚を感じさせてくれる数々の場面を有した、理想化されていないこの異世界。そんな雰囲気を十分に感じさせてくれるこの第二部。世界が広がるにつれてこれまで見えてなかった部分も見えるようになってきて、ますます楽しみが広がってきている感覚があります。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月25日

女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします

女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします -
女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします -

これは面白かった。犬人たちの国の王族の生き残りとして見出された少女リーゼロッテが彼らの女王になる話なんだけど、犬人たちのノンストップな残念ぶりに最初から最後まで笑わせまくってくれるとても楽しいコメディ。

犬人というのは、犬と人の姿を自由に変異可能な種族であるそうで。人としての外見はどこに出しても恥ずかしくない美形ばかりで、主人公はそんなキャラクターたちに囲まれる少女となれば、読む前は恋の予感がしたりもしてたんですが、開始数ページでみごとにそんな期待を打ち砕いてくれるからやってくれるというか。なにせこの犬人たちときたら、人の姿をとれるといっても性格や習性は明らかに犬寄りなんですよね。ご主人様のことが大好きで、ご主人様に服従することが何にもまさる喜びで。いつでもご主人様のそばにいたくて、どんな扱いでもいいからご主人様に構ってほしくて、周りに客人がいようが部外者の目があろうがおかまいなし。犬の姿であるならまだ可愛げがあろうというそんな態度も、人の姿でされるとなまじ美形で有能ぞろいだけに残念度が際立つという。

どいつもこいつもそんなのばかりだから、彼らの女王になることになったリーゼロッテのはずなのに、ドン引きしたり羞恥に身もだえたりしまくりで。それはそれでかわいらしくはあったんですが、最後の王族だからといわれて責任感のようなものを抱きはじめたにもかかわらず、その向かう先が国民のためにも立派な女王様になるんだという決意よりも、ご主人様に気に入ってもらいたくて気合いの入りすぎた問題児たちをどうしつけていけばいいのかという実際的な苦悩になってしまうからおかしいこと。勝手に戦争はじめて国ひとつ滅ぼしたり、誰が一番ご主人様にかわいがられるべきかで大乱闘がはじまったり、放っておくとなにをしでかすかわかったものではない困った犬人たち。そんな彼らにご主人様として見出されたリーゼロッテは、作中でも言われていたように、女王様というよりも彼らの飼い主なんですよね。いやまあ彼女も、彼らに見出されるまではわりとつらい半生を過ごしてきたはずなんですけどね。サラッと流されてはいましたが。そんな境遇から実は王族の生き残りだったのですといわれて、そうして迎え入れられた国で待っていたのが、ご主人様大好きすぎて限度を知らない困った犬人たちの飼い主としての仕事であったという。ナンデヤネン。

そんなわんこたちの中で、個人的にいちばんのお気に入りはダシバですね。犬人がたくさん登場する作中においては唯一の純然たる犬で、活躍という活躍もまったくしないみごとなダメな子ぶりを見せてくれたわんこではあるんですが、ダメな子もここまでくるとある意味すごいというか。犬人たちに見出される前からのリーゼロッテの飼い犬にもかかわらず、番犬の役にはまるで立たなければ忠犬の評価にもほど遠い。そのくせ食うだけはしっかり食ってまるまるとした体をしているという。いかにも「ダメシバ!」な駄犬の中の駄犬ではありますが、そのダメシバぶりがかわいいといいますか。どこまでも活躍しない姿が、ノンストップで暴走ぎみな犬人たちの中にあってはむしろ癒しになってくれてたんですよね。後半の、まさかのキーキャラクター的な立ち位置には笑いましたけど。

そして地味にリーゼロッテも、基本的にツッコミどころ満載な犬人たちの暴走に振り回されて大変な役どころではあったんですけど、この子もこの子で結構な一面があったというか。マスティフさん家の狂犬を従えてみせた貫禄は、まさに「女王様」という感じではなかったでしょうか。いやまあ、本人にはそんなつもりまったくなかったんですけど。完全に勘違いモノの産物なんですけど、この子そっちの要素持ちであったかーなどと謎の感心をしてみたり。

そんなこんなで、笑えて笑えてたいへん楽しい話でしたので、つづきもあるならぜひ期待したいところです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

催眠遊戯

えろ有り感想です。それしかないともいう。

催眠遊戯 (ぷちぱら文庫) -
催眠遊戯 (ぷちぱら文庫) -

催眠で徐々に徐々に認識をゆがめて、もともと特別仲がよかったわけでもないヒロインと、そうとは意識させずにエッチなことをする関係に持ち込む話。催眠だからなんでもありな感じではなく、催眠だからこその周到な変化をもたらしていく過程が面白かったですね。その結果として起きた変化は、常識改変の類のようでありながらどこまでも相手の認識の隙をついたものであって。あくまでも協力してもらうという建前のもと、これくらいのことはつきあってもいい、ここまでならされてもOKという心理的なガードを巧妙にすりぬけて、べつにおかしいことはされていない、協力して得られる体験はとても快いという認識をすりこんで、そうとは意識させないまま二人きりのときにだけいやらしい表情を自分から見せるようになっていくという、なんとも興奮するシチュエーションで。

ただこれ、正直こわいというか。エッチなことをしてるにもかかわらずヒロインにはどこまでもそんな認識はなくて、当人としては表面上知らないうちに、主人公好みの高嶺の花だけど自分にだけはいやらしいところを見せてくれる最高の彼女ができあがるというわけで。微妙に人格改変的なところまで踏み込んでる気がするんですよね。そこまでやっていいのかというか。なんせヒロインの側から望んだものではとうていありませんし、最終的にも主人公はうれしそうだけどヒロイン側の気持ちが置き去りにされてる感がありましたし。なんとも、このジャンルの業を思わせる話ではありました。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする