2017年08月21日

たとえとどかぬ糸だとしても(1)

たとえとどかぬ糸だとしても1 (百合姫コミックス) -
たとえとどかぬ糸だとしても1 (百合姫コミックス) -
試し読み(BOOK☆WALKER)

とても……百合です。片想いの切なさがこれでもかと詰まっててとてもいい。つらい、楽しい、百合!

というわけで百合マンガです。お兄さんのお嫁さんを好きになってしまった女の子の話です。もうこの時点で報われる未来が見えませんね。素晴らしい。けれど、だからといってそれなら仕方がないとあきらめがつくかというと、そんな簡単に折り合いがつけられるものではないからぐるぐると不毛な悩みに追いやられてしまうわけで。しかも、お相手の薫瑠さんはというと、ウタががんばってその気持ちを表に出さないようにしていることもあるのだけど、ウタの気持ちに気づいていないどころか、保護者モードで距離を詰めてくるから片想いの身にはたまらないという悪循環。好きになった相手に好きだという気持ちを表すことすら許されない関係。それなのに、気軽に接してくる薫瑠を相手に期待してしまう気持ちは止められない。そして、そんな自分に気づいて自己嫌悪に沈む感情。すごくいいですよ、これ。

特に、そんな想いが高じて脳裏で描いてしまった第5話のウタの夢。お姉さんのように気づかってくれる薫瑠に対して、自分がどれだけあさましい気持ちを抱いているのかと思い知らされるような夢想を不意打ちでつきつけられて、どれほどうしろ向きな思考への追いつめられぶりを痛感させられることか。大切に思う人に対して、自分がどれほど汚らわしい欲望を抱いているのかと思い知らされることか。けれどなにより嫌悪感を募らせずにいられないのは、そんな都合のいい夢を即座に否定することもできない自分自身なのであって。このどうしようもないほどに行き詰ってしまった感情がとても切なくて、とてもいいと思うのですよ。

いやもう本当にどうしようもない。最初から報われる道が見えない恋心。1巻と銘打たれているということはまだまだつづきがあるということなんですけど、どういうところに話を落とし込んでいくことになるのか。あんまり心の底からハッピーになれる結末というのは思いつかないところではありますが、このどうしようもない感じは好きなので、つづきもぜひ楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:37| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

キングキラー・クロニクル(1)風の名前(4)

風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT) -
風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT) -

ああ、クォートとデナってわりと似たタイプなんだなあ。後ろ盾のないところから、自身の才覚と魅力を頼りにはい上がる糸口をつかんでいこうとしているところ。気を緩めれば路頭に迷い二度と浮かび上がれない暗闇に落ちていってしまいそうなぎりぎりのところになんとかぶら下がっているところ。いまのところクォートのほうが差し迫っている感はあるものの、お互いにあまり失敗していられる猶予はなく、かといって千歳一隅の機会をじっくり待つだけの余裕があるでもなく、少しでも成功に近づくチャンスがあると見るや飛びつかないではいられない。そんな必死な境遇にある者同士、うっすらとシンパシーを感じさせる描写がいいものでして。前回の感想でわりと実話系の話っぽい雰囲気を感じると書いたとおり、デナに惹かれながらも嫌われてしまうのがこわくて、慎重に慎重を期したアプローチによって友人にからかわれるほどの奥手ぶりを発揮しているクォートだけど、それが逆にデナにとってもいやな感じを抱かせない印象になっているのが、このふたりの関係の楽しみなところでもあり。

ともあれ、そんな切羽詰まった必死さとかなりの奥手さを別方面で同時に見せるクォートの、特にその前者において、一番に思うことはローレン師の言葉の的確さですね。クォートって、これまで若さと才能に任せて、とても勝ち気に様々なことに挑戦して、その才覚によってみごと実力を認められてきたんだけど、それだけじゃどうにもならないことってあるわけで。かの師の言葉を受け入れる余裕があればなあと思ってしまう部分があるんですよ。あくまでそんな余裕があれば、ではあるんですけど。ただその意味で、デナとの恋路は図らずもその辺のことに気づくきっかけにもなってくれそうなところであって。次の第一部完結巻でなんらかの転機が訪れるのか、行方が気になりますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:16| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜

エロ作品感想です。お気をつけください。

お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251) -
お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251) -
試し読み(BOOK☆WALKER)(R18注意)

記憶をたどれば原作ゲームの体験版はプレイしたことがあるような……。

ともあれ、タイトルからわかるとおりにおねショタ。弟であるショータくんのことが好きでべったりしてたんだけど、エッチなことができる体になっていたことを知って距離感にとまどうお姉ちゃんと、そんな彼女の背中を押すべくお姉ちゃんにバレるの前提でショータくんに迫る肉食系の女の子たちの話。エッチなことはいけないと思ってはいても、経験豊富なおねえさんたちのやわらかい体を駆使した誘惑に流されてエッチな経験をいっぱいつまされる流れはとてもいい。彼女たちの思惑通りについにふっきれるお姉ちゃんも。きたえられた弟おちんちんに夢中になって、当初のふたりにあきれられるほどに快感を求めることに夢中になっていくお姉ちゃんはとてもエロかったです。

いっぱいいっぱいエッチなことしてたけど、性的な知識のまったくないところに避妊のことまったく伝えず気持ちのいいことばかり教えてこんでたわけで。これ一人もしくは複数人に一大事が起きてたら、ショータくんとんだトラウマを抱えることになったのでは……とか考えるととても興奮しますね?
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:27| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月17日

竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中

竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス) -
竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス) -
試し読み(BOOK☆WALKER)

タイトル通りのお気に入りとして、そうとは気づかれないながらも大切にされているというのはしっかりと伝わってくるヒロインの立場の感覚。このふわっとしてくすぐったいような感覚がとてもよかったですね。特に、白の女王をはじめとした竜たちと接するときにそれはよく伝わってきて。基本的に竜が気を許すのは契約を結んだ騎士だけ。そのはずなのに、メリッサならどんな竜を相手にしても騎士の代わりにえさやりなどの世話をすることができる。それもただけがをすることなくという程度ではなく、いっそ歓迎されているかのように。それだけでまるで竜に愛された存在であるかのような印象を抱かされる。それどころか、竜のなかでも特別に高貴な「白の女王」までもが初対面のときから彼女を気に入って特別扱いしてくれているという。それはとりもなおさず、白の女王の騎士であり、この作品のもう一人の主役でもあるヒューバートとの関係によるものだったのですけど、この「女王」の庇護下に置かれているという特別感がよかったんですね。白の女王が守っていた卵が孵化してからの展開なんかもその延長線上で雰囲気を損なうことなく進んでいってくれましたし。楽しい話でした。2巻も発売になったということで、そこではどんな話になっているのかというのも楽しみですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:44| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

2017年上半期のベスト

好きラノの投票記事でやりたいと書いてたものです。もともとは夏休みの読書の参考になればと考えてたものなんですけど、すでに学生の人たちは夏休みに入ってて、へたするともう半分過ぎてたりもするんでしょうか。うーん、もっと早く読んでいきたい。ともあれ、そんな事情もあって、まだあれこれ読めたら読みたいものはあるんですが、これ以上先延ばしにはできないかということで。

好きラノ時点では、期間内で読む予定の作品で手のつけれていなかったものがあったのに加えて、あちらはライトノベルという枠組みのなかでの選択になるので自分が読む範囲を一部カバーしきれないところがあって、同じくライトノベル読者に向けて紹介したいのに……という作品がもれていってしまうのが惜しまれるところではありまして。年明けにやる一年間で読んだ中でのベストを上げる記事もあるにはありますが、あちらは読んだもの全部のなかから選びたいということで、半期で発売されたもののみに絞る企画はここでやってみてはどうかと思ったしだい。まあそうはいっても、ほとんど好きラノと同じラインナップなんですけど。

内訳としては、少女向けライトノベルが6作と少年向けライトノベルが2作、国内ファンタジーが1作、Web小説が1作となってます。好きラノ記事とかぶるものがほとんどなのと、そちらの紹介はそのまま流用になってる手抜きな紹介ではありますが、よければ見てやってください。

紹介する順番は上からお気に入り順です。(あまりピンとくるものがなくても上のほうのタイトルは目に入れてもらいたいという趣旨)

お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 / 梨沙  感想
お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 (一迅社文庫アイリス) -
少女向けライトノベルより。個人的な上半期のイチオシ。両片想いな主従の関係がめちゃくちゃいい。おまけに主人の王女さまは男装の騎士で、従者のほうは女装してもなんとなく似合ってしまうという属性の盛りぶり。そして、従者であるアンバーから主人であるミシェルへと寄せる、口に出しては告げられない想いの丈がひしひしと伝わってくる彼の視点の描写がとてもよくって。一方のミシェルのほうからも、彼の気持ちには気づかずとも秘めた想いが伝わる心のうちがあったりして。ラストまで含めてとても素晴らしい雰囲気。話として一冊できれいにまとまってると思うので、ぜひ。

瀬野家の人々 / ◆fYihcWFZ.c
http://novel18.syosetu.com/n3752dr/(R18注意)
Web小説(ノクターンノベルズ)より。上半期の自分の好みに多大な影響を与えてくれた作品。主人公と、その彼女である義姉と、彼女によく似た容姿の義弟の3人を中心にして、女装・男装ありありで、まぜこぜでエッチなこともしちゃう話。彼女の趣味ではじめさせられた女装のはずが、素質がありすぎてどんどんかわいい女の子になっていくアキちゃん(主人公)が最高にかわいい。異性装作品へのマイブームに火をつけてくれた素晴らしい作品。

いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約 / 九江桜  感想
いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約(角川ビーンズ文庫) -
少女向けライトノベルより。上半期でいちばんかわいいと思う女の子が登場した作品はこれ。この巻で登場するティアナローゼ姫。性格の悪い子かと思えば強がりの裏返しだったり、嫌われているかと思えば懐くと甘えかかるような態度を見せてくれたりと、ギャップがとてもかわいいんですよ。そんな表情を引き出してくれる世話焼きタイプの主人公・イザベラに対してしだいに気を許していきながら、それでも恋においては譲れないからとあらゆる手段を駆使して先んじてみようとしたりもしてみせる、そんな姿がもうかわいくてかわいくて。2巻完結なのが惜しまれる、とてもいいキャラクターのお話でした。

魔導の福音 / 佐藤さくら  感想
魔導の福音 (創元推理文庫) -
国内ファンタジーより。上半期でファンタジー的な面白さをいちばん感じた作品はこれ。社会に根づいた差別を描き、その解消を志向していく物語、とでもいえるでしょうか。前作同様の魔導に対する差別意識を描きつつも、今作の舞台となった社会ではより根本的な無知からの、その状態ではベターな選択としての差別構造を用意し、それによって消されてしまったり、「異常さ」をなかったことにされた人々が立たされる境遇や苦悩について、そんな人たちと浅からぬ縁を持つことになる若き主人公カエンスの視点を通して描きだす。だからこそ、それらがつながって至る結末に希望を抱かされる。シリーズ化ということで、次回の話も楽しみな一作。

左遷も悪くない(4) / 霧島まるは  感想
左遷も悪くない〈4〉 (アルファライト文庫) -
少女向けライトノベル(レーベル的には違うような気もするけど内容的に)より。家庭によってさまざまな環境が生まれる家族の姿。それ自体がひとつの文化圏とも思えるような、それぞれの来歴を持つ別々の家族の一員であった男女が結婚し、新たな家庭を築く。そこで生じる互いの家族らしさの混交模様が素晴らしい本シリーズ。この巻では、互いの家族との交流を通して、厳格な祖父に育てられて特別な思い出の乏しいウリセスの幼少時が鮮やかに色づけられていく。それぞれの来歴を持つ夫婦やその家族の交流があってこその流れが素晴らしい。つくづくファンタジーとしての面白さの可能性を感じさせてくれるシリーズです。

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル / 宮澤伊織  感想
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA) -
少年向けライトノベルより。百合ですね。相手にふりまわされてばかりでうんざりする気持ちはあっても、自分以外の人のために目の前から消えられてしまうと、悲しくて怒れてどうしようもなくなってしまう。そんなだだっ子のような気持ちを発露する、元ぼっちな空魚ちゃんのかわいさですよ。)

霊感少女は箱の中 / 甲田学人  感想
霊感少女は箱の中 (電撃文庫) -
少年向けライトノベルより。怪談系としてのこわさもさすがの領域でありながら、それ以上に真相の救いのなさにふるえる一冊。なまじあちこちに消えない傷痕を残しているだけに、それと引き換えに重みを増す十字架がずしっとくる。それがいい。

女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします / 帰初心  感想
女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします -
少女向けライトノベルより。ご主人様にかまってほしくてついやりすぎちゃう残念美形どもな犬人たちの女王さま(飼い主)になった少女リーゼロッテによるツッコミがとまらないお話にとにかく笑う。たまにかっこよくなるからくやしい犬人たちのなかで、安定の駄犬なダシバは癒し。2巻も今月発売予定とのこと。

あなたに捧げる赤い薔薇 / jupiter  感想
あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO) -
少女向けライトノベルより。夫婦でありながら、相手のことを大切に思うからこそ、自分なんかよりふさわしい相手がいるんじゃないかと身を引こうとしてしまう。そんな両片想いじみた夫婦がもどかしくもいとおしい。読後にタイトルを見返して抱ける感慨もひとしおな一冊。これ一冊で話はまとまってると思っていたので、2巻の発売予定情報を見かけて驚いてもいたり。

狂王の情愛 / 富樫聖夜  感想
狂王の情愛 (ソーニャ文庫) -
少女向けライトノベルより。ティーンズラブ作品なのでいちおう注意。幼いころに不遇な生活を強いられたことから、箱庭のような環境での生活になんの疑問も抱くことなく幸せを感じてしまうヒロインはいいですよね。そしてそんなヒロインの心のうちで確かに芽生えていた暗い感情がもれ出てくる場面も。なにに対しても多くを望まないティアリスの、だからこそ王を狂気に駆り立てる、そんな心情の対比がいいものでした。


以上そんなところで。トピックごとにまとめると、

・ファンタジーとして気に入っている作品は『魔導の福音』と『左遷も悪くない』(『女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします』も要素としてはあったでしょうか)。
・鬱ラノベ的に気に入ってる作品として、『霊感少女は箱の中』。
・異性装作品として気に入ってるのが『お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係』『瀬野家の人々』 (『魔導の福音』もジェンダー問題的な側面を描いてくれた作品としてここに含めるのもありでしょうか)。
・恋物語としてのお気に入りは『お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係』と『あなたに捧げる赤い薔薇』(『いじわる令嬢のゆゆしき事情』はラブコメとしても、『狂王の情愛』はややいびつな愛のかたちとして、それぞれ恋愛系のお気に入りではあります)。

気になるものがあれば、ぜひ読んでみてください。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:51| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月11日

The Twistrose Key

The Twistrose Key (English Edition) -
The Twistrose Key (English Edition) -

語彙的には小学校高学年レベルくらいの児童書作品。ジャンルとしてはファンタジー。

死別したペットとの一日限りの冒険の話、だったでしょうか。主人公は親の仕事の都合で知り合いもいない町に引っ越してきたばかりの女の子Lindelin Rosenquist、通称Lin(リン)。遊び友達とも離れてしまった土地で大事なペット、ネズミのRufocanus、通称Rufus(ルーファス?)とも死別してしまい、ふさぎ込みがちになっていたところに異世界にわたるカギが贈られてきて、その先で彼女はRufusと再会する。リンが訪れた世界、そこは飼い主に愛されて死を迎えたペットたちが獣人の姿となって暮らす国。彼女はRufusとの再会を喜ぶのだが、その国にもとの飼い主だった人間が現れるのは100年弱に一度、その世界を危機が襲うときであった……という感じのお話。

野山を駆け回ってトロール・ハントという名の冒険ごっこをすることをなにより楽しんでいたリンが、再開したRufusと一緒に異世界を冒険する。世界の存亡そのものがかかっているだけあって嬉々として進んでいくものではないけれど、人を探したりその情報を集めたり、ときに悪役と対峙して危険を冒しながらも、それらをコンビで乗り越えていく関係がいいものでした。とっさに昔使っていた符丁で合図を交わしたりする様子とか、生前の絆が感じられて。冒頭に出てきた父親譲りなのかもしれませんが、見落としていた発見を告げられたりするたびに"One point, Lindelin Rosenquist."なんて声を掛け合いながらの探検の旅はとても楽しげでしたね。

それだけに、危機をうまく乗り越えることができたなら、それはふたたびの別れのときということになってしまうのではありましたが、もう二度と生きては会えないと思っていたルーフーズとまた冒険をすることができた。その思い出を大切に胸に刻みながら、最後には新しい土地での生活に向き合っていこうとするリンの姿を見ていると、今回の冒険はいうなれば気持ちに区切りをつけるための別れの儀式のようなものだったのかもなあなんて思ったり。

悪役の倒し方がそれただの先延ばしじゃないか的な感じで、それでいいんだろうかと思うところもありましたが、一日だけの夢のような冒険としてはいい話でありましたということで。同じ世界観での別の話もあるようですが、そっちはどうしようかなというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:10| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月09日

王太子妃になんてなりたくない!!

王太子妃になんてなりたくない!! (メリッサ文庫) -
王太子妃になんてなりたくない!! (メリッサ文庫) -
試し読み(BOOK☆WALKER)(値段的に単行本時のものっぽいけど、文庫化にあたって電子版も新しく出したりとかはしてないっぽい?)


一夫多妻制な王族との婚姻が嫌で全力で回避しようとしたはずなのに、婚約者となった王太子との相性がよすぎて体に触れられると見る間に快感に流されていってしまうリディアナの明日はどっちだ、的な。いやもう王太子妃になるしかないでしょうという流れなんですけど。だって、王太子妃になりたくない理由の最大の部分が一夫多妻が可能な制度なんですから、王太子のほうがリディアナに夢中になってしまえば、そんな問題はあってないようなもの。現代日本での記憶があることが逆に王太子に気に入られてしまうお国柄もあり、ここまでは似合いのふたりに見えてはいるんですよね。まあそうはいっても、いまのところは夜の相性がほとんどではあるので、すでに体も重ねてしまったとはいえ、まだまだお互いのことをそれほどよく知りあっているわけでもない状況、現代日本で生きた記憶のあるリディアナとしては積極的に結婚に同意しがたいのも無理はないところではありますか。半分くらいが視点を変えて同じ場面を描く内容だったこともあって、話の進み具合としてはまだそれほどでもなく、ここからどうなっていくのかというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:13| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メイド花嫁を召し上がれ

調子が出ないせいかどこに改行入れていいかわからない文章になったので改行なしで投下してみんとす。

メイド花嫁を召し上がれ (CROSS NOVELS) -
メイド花嫁を召し上がれ (CROSS NOVELS) -
試し読み(レーベル公式サイト)

わぁい、女装男子受け。男なのにと思っていながら情熱的なアプローチにどきどきさせられてしまう主人公はいいものでした。いやまあ、直接的な受けの場面は女装ほとんど関係なくなってたんですけど。それでも、ふたりの出会いから結末にいたるまでの流れはいい感じなものではありまして。女装の似合う主人公・真陽に、とある企業の御曹司である遙尚を誘惑して惚れさせてほしいというあやしさ満点の依頼がくるところからはじまって、引き受けてしまったものの遙尚のほうがあまりに取りつく島もないものだからどうなるものかと思いきや、いっそ開き直って機嫌なんて取ってやるもんかとばかりのやりとりになるのが面白くて。名目としてはメイドとして遙尚のお屋敷に勤めだしたこともあって、彼の健康を気づかってという心情もあるけれど、それを素直に言っても聞いてくれる相手ではないからとあの手この手で自分の作った料理を進めてみたり、ダメだったときも次はどんな手でいこうかなんて考えてる真陽とのささやかな攻防はいいもので。だからこそ、しだいに互いのことを知るにつれてだんだんとお互い気を許していくことになる流れも、なんだか順調に関係が進展しているような達成感めいたものがあって。お互いのことを意識するようになりだすと、自分は男なのにと真陽が悩みだしたりもするんだけど、それまでの気やすい応酬や真陽のことを大切に扱う遙尚の様子を見ていれば、そこさえクリアできればその後の姿は自然と想像できるだけの下地がすでにあって。それほど不安になることもなく読み進めれましたね。まあそれでも、後日談での、男なのにという葛藤の抜けた真陽との甘々ぶりはやはり格別なものではありました。いい話でしたね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:34| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月07日

本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(3)領主の養女(4)

本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第三部「領主の養女IV」 -
本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第三部「領主の養女IV」 -
試し読み(BOOK☆WALKER)

うわーお。ダームエルやるなー。すごくドラマチックな展開じゃないですか。というか展開早いなあ。この巻での衣装姿を見て恋に落ちて、その巻のうちにもう告白までいってしまうとか、ダームエルもなかなか、地味な見かけによらず思い定めたら一直線なタイプのようで。まあ主人公であるローゼマインと比べたら年長組に分けられる人ではあるけれど、まだまだ若手の人ではありましたっけ。いやそれにしても、その劇的な一幕のあったブリギッテのお披露目の場、星結びの儀式の集まりの場面はとてもよかったですね。エルヴィーラお母様の口から聞くだにとても情熱的でひたむきで。ブリギッテの置かれた状況を思えばなにかせずにはいられない気持ちに駆られただろうとはいえ、家格の違いを理解しながらも正面から想いをぶつける行動からは、ダームエルの思いの丈が伝わってきますよね。たとえ失敗して傷つくとしても、それでも恋した相手の隣に立つためには挑戦の舞台に上がるほかない。一世一代の求愛、でしょうか。それだけに、うまくいってほしいと願わずにはいられないですよね。そしてその成否がダームエル自身の素質と努力にかかっているとなれば、応援せずにはいられません。いやあいいもの見せていただきました。

あと、もうひとつふれておきたいのがアンゲリカ。前回までで「成績上げ隊」なんてものが結成されてしまったりして、「この子アホなのかな」という印象が持ち上がってきてましたけど、それが今回ではっきり「この子アホだわ」に定まったというか。勉強嫌いによる成績の悪さはすでに厳然たる事実ではありましたけど、詰め込み式で知識を教えこんでも根っこのところは変わらないからもうどうしようもない。すっかりクエスチョンマーク浮かべたビジュアルイメージが染みついてしまったんですが。まあ色々抜けてるけど、それはそれで個性的だしまあいいか的な。ローゼマインのやらかしのおかげで補佐役もえられたことだし、いいコンビとしてしっかりやっていけるのではないだろうか。いややっぱり難しいかもしれない……。

というところで、次はいよいよ第三部の完結巻。今回初登場のゲオルギーネ関連でまだまだいろいろありそうだけど、一冊ですべてけりをつけれそうなものとも思えないので、素材収集のほうの話でしょうか。それともまたなにか別方面で急展開があったりするんでしょうか。ともあれ楽しみにしたいです。

(そういえば、第一部は3冊、第二部は4冊、第三部は5冊ときてるけど、この調子で第四部は6冊とかになったりするんだろうかとかふと思ったり)
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:58| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月29日

理想のヒモ生活(6)

理想のヒモ生活 6 (ヒーロー文庫) -
理想のヒモ生活 6 (ヒーロー文庫) -

いずれ来るかもとされていた善治郎の側室問題がついに。とはいえ、国内貴族の勢力争いとは離れた打算の働いたもので、いずれどうにかしなければならない問題なら、わりと悪くない条件とはいえなくもなさそうな。

今回意表をつくように立候補してきたフレア姫という人(前回の話をあまり覚えてないのでもしかしたらそんなに意外な展開ではないかもしれませんが)、女性が一線で活躍することをよしとしないという社会であえて遠洋航海の旅を行うバイタリティーのある人で。けれどそうはいっても王族の生まれである以上、国に利益をもたらす婚姻に対する期待から逃れることは難しい。であるならば、その王族としての義務と自分のしたい活動とのバランスを取れる良物件が見つかった場合、それを見逃す手はないということになるわけで。その点で、カープア王国にて女王アウラをたてて影に徹しつつそれでいて不満を覚えることなく女王と仲睦まじく過ごしている善治郎という男は、願ったりな人物だったのでしょうね。彼の為人を知るや、その機を逃さず話を持ち出す積極性、断らせはすまいとしたたかに交渉を進めるやり手ぶり。これはフレア姫、なかなかポイント高いですよ。

ただ、当事者である善治郎やアウラを含めた気持ちの問題はまた別にあるわけで。政略的な考えを優先しながらも、アウラひと筋な善治郎からの抗議の意思表示に対してあわてたように後宮の手綱くらいはとってみせるからとなだめすかす女王もそれはそれでかわいらしいものでしたが、次回に続くこの先の展開がどうなっているのか。気になるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする