2019年08月06日

虚構推理(2)

虚構推理(2) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(2) (月刊少年マガジンコミックス)

『虚構推理(2)』(片瀬 茶柴,城平 京)|講談社コミックプラス

現在の彼女を名乗りながら適度に距離を置かれてる琴子と、別れを選択をしたものの未練はある元彼女の紗季さん。ひとりの男をめぐって威嚇したり鋭いツッコミを入れ合ったりして火花を散らす、愉しい楽しい恋のさや当てが本格始動した!

やばい、これ、めっちゃおもしろい。琴子は元カノの紗季さんに対して、現在の彼女としての優位性を(ムダに)誇示しにかかるんだけど、九郎が琴子といる時間を素直には楽しんでないことがうかがえるエピソードばかりで、紗季さんならずともツッコミどころがありすぎて返り討ちにされっぱなしで。けれど、一方の紗季さんも、そうして九郎のタイプの女の子はむしろ自分のほうであることを指摘しながらも、自分自身は別れる以外の選択ができないことを痛感しているがゆえに痛み分け以上にはもっていけない掛け合いの流れ。

そうして、双方に(ムダに)心理的ダメージだけを蓄積させていくという、きわめて不毛なキャットファイトが展開されることになるのであったという。なんという愉快な光景であることか。邂逅後に互いにネットで特定のワードに釣られまくってるところまで含めて笑った。

しかも、その間、間にはさまれているはずの苦労の出番は一切なし。完全に女による女だけの戦いであった。本人のあずかり知らぬところでムダな戦いがヒートアップしているという事実にさらされる九郎の心中やいかに。やー、見てる分には最高に笑える見ものではあるんですけれども。「なにがメエだ」よ、本当にwww

というか、その渦中に現れた九郎的には、そこで琴子をかばう様子が微塵もないのがまた笑えるというか。九郎と琴子の関係って、ひいき目に見ても腐れ縁的な雰囲気にしか思えないところがあるんですよね。ひたすら琴子のほうからぐいぐい寄っていって、九郎のほうでは諦観まじりにそれを受けいれている感じというか。まあその分、遠慮の必要もない関係であることがうかがえて、その点に関しては意外にも悪くはない雰囲気とも思えるのであって。

桜川九郎というキャラも、相当に因果な業を背負わされてるようではあるんだけど、そんなある意味人間じゃない男に熱を上げられる女の子というのは、相当に貴重な存在ではありますよね。とはいえ、すんなり心を許すにはかわいらしさよりもうっとうしさが勝るのが琴子というキャラでもあるんだけど。

それにしても、ジャンルとしてはミステリなのかなと思って読みだしたシリーズですけど、ずいぶん妖怪要素の色濃いキャラの背景になってますね。輪郭の見えてきた「鋼人七瀬」の事件も、怪異譚といったほうがふさわしそうな感じで。色恋方面でも怪異方面でも、先が気になる展開になってきましたねというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:47| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キーミスティックアンダーカバー

キーミスティックアンダーカバー (バンブ-・コミックス Qpa collection)
キーミスティックアンダーカバー (バンブ-・コミックス Qpa collection)

表題作の、攻めの変態ぶりにツッコミ入れずにはいられない受けとのやりとりもそれはそれでおもしろかったけど、それ以上に、最後に載ってた短編「千夜めぐり」がよかったですね。

記憶を消されてしまう最後の夜、花向けとして想いを募らせていた相手に抱かれる一夜限りの記憶。そんなシチュエーションで、最後の夜だからと優しくいたわろうとする攻めの男に対して、最後だからこそめちゃくちゃになるまでかわいがってほしいとねだる受けの男娼ちゃんがすごくいじらしいかわいさにあふれてたんですよね。

いつも客の好きにされる男娼だからこそ、最後の夜はそうしていやな気分を味わうことなく、おだやかに過ごしてほしい。そうした気遣いはうれしいものではあるんだけど、なまじ好意を抱く相手だからこそ、そうした気遣いは逆に執着のうすさと映ってしまうわけで。男娼として最後の夜に差し出せる最高の餞別は己の体以外にはない。けれどそれすら欲してもらえないとなれば、それは己の価値はその程度のものでしかないと言われたかのようであって。

最後の夜だからこそ、そんな別れはあまりにも悲しくてやるせない。そう思うがゆえに、自らの手で自分の体を高ぶらせ、相手の男の目の前でいやらしい姿を見せつけることで欲望をふくれあがらせ、いてもたってもいられない気分に駆られるままもむさぼらせる。ペースも考えずにひどくがっつかれて、そうしてやっとうれしげにほほえむ姿は、たいへんにいじらしくてかわいかったです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:23| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月05日

極道さんはパパで愛妻家

極道さんはパパで愛妻家 (あすかコミックスCL-DX)
極道さんはパパで愛妻家 (あすかコミックスCL-DX)

極道さんはパパで愛妻家 桜城 やや:コミック | KADOKAWA

メインふたりのうち、賢吾のほうが絵的にいちいち色気あふれまくっててやばいですね。もう片方の佐知は、女みたいだとからかわれてきた過去があるというとおりに顔は女性っぽいところがあって。男らしいキャラと女性っぽさを感じさせるキャラの組み合わせで、BLマンガにそこまでなじみのない自分でも違和感なく楽しめる造形。

ストーリー的にはさらにそこに、ふたりが世話を焼くことになる小さな男の子も加わって、子育て同居ものな話になるわけで。なじみやすいキャラクター、なじみのあるストーリー。この組み合わせで楽しみを阻害する要因はほとんどないに等しかったですね。

それに、この男の子、史という名前なんだけど、この子がまたかわいい子でして。まあその生まれ育ちにはややこしい事情があったりするんだけども、それだけに気の利かせられるいい子ぶりが本当に天使のようで。佐知ならずともどんどん気に入っていっちゃいますよねというところ。

そんな史を育てるために、乗り気はしないながらも賢吾と同居生活を送るようになるうちに、賢吾のかっこよさ、頼りになるところ、男の魅力をいろいろと目にすることになって、葛藤しながらもだんだんと男同士の関係を受け入れていく流れもいいもので。史を間にはさんで接する時間が増えていくうちに絆が深まっていく展開がよかったです。

というか、賢吾って、昔から佐知ひと筋すぎたっぽくて、形の上での同居からはじめたら、周りからあっさり納得されたり、ついにと喜ばれたり、いろいろ心配されるほどだったっぽいのがうかがえるのがおもしろいところであり。

あと、冒頭でも書きましたけど、佐知に見せる賢吾の表情が、あっちでもこっちでも色気にあふれすぎててやばかったんですよ。眉間にしわを寄せてどこか憂いを含んだ表情というか、佐知と一緒の時間を過ごせる幸せをかみしめてる表情とか。服を脱いだその下の隆々とした体つきもとても男らしくて。男同士という関係も、ここまで魅力たっぷりな絵で表現されると眼福ものになるものですねと、そんな発見もできた一冊ではありました。

原作はルビー文庫のほうから出ている小説シリーズになるようで。そちらは未読だけど興味の湧くところであり。とはいえマンガでつづきがあるようならこの絵で楽しみたいという気持ちもあり。悩ましいところではあります。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:12| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

出張癒し専門店ターコイズ(3)姉襲来

出張癒し専門店ターコイズ3本目ー姉襲来ー
出張癒し専門店ターコイズ3本目ー姉襲来ー



2作目を聴いてとても気持ちのいい音を楽しませてもらった音声作品シリーズの3作目。今回は2作目までのヒロイン、ラーラとは違って、そのお姉さんのラーネさんが登場。いきなりの新キャラではありますが、ラーラ同様、スキュラのモンスター娘として、吸盤つきのおみ足でにゅるにゅるとした音声をばっちり楽しませてもらえること。

しかも今作では、ぬるぬるとしたタコ足が体の表面を這いまわるよりも、口の中や耳の中にその足がつっこまれたり、足で全身を包みこまれるようにされたり、体の内と外でうごめくようなにゅるにゅる音が印象に残るサービスコース。まるでこちらの意識を飛ばそうとするかのようなぐちゅぐちゅ音の数々がたまりませんでしたね。

ラーラのお姉さん、ラーネさん、初っ端から、店員じゃないというし、コースについてもあやふやだったりして不安にさせてくれるんだけど、でもぬるぬるとしたおみ足はラーラと共通なので、しっかり気持ちのいい時間を楽しませてくれるんですよね。

トラック2の歯みがきでの、ぬるぬるタコ足が口の中に入ってくるぐちゅぐちゅ感。体の内側から響いてくるぬるぬるとした音の感覚が不思議と心地よくって。そんなタコ足に口の中を蹂躙されるようにもごもごされているのを想像すると、意識が持っていかれてしまいそうなほどの気持ちよさを味わわせてもらえることで。

トラック4の足で全身包まれてのマッサージでは、耳もともすっぽり覆われてる感じのぬちゅぬちゅ音がして、それでいてラーネさんの声は頭の上あたりから聞こえてきて。女の子に包みこまれてる感、安心させられる感覚。すごくいい……。そのうえそんな状態で口のなかもまたモゴモゴ這いまわられて。内からも外からも、相手のなすがままに快感を与えられている感じがやばい。あやうく意識を飛ばされるところであった……。

耳もとをおおわれるぼーっとした音の感覚はやはりいいもの。ぼうっとした聴覚がすうっともとに戻る瞬間のふわっとした感覚がまた、いいんですよね。

トラック7のシャンプーで頭を細かくわしゃわしゃされる音も、じんわり癒されるような気持ちよさ。

今作も、実に素晴らしく癒される音声作品でした。前作同様に値段も手ごろだし全年齢作品でもあるので、音声作品に興味のある方、ぬるぬる系の音の好きな方にもオススメできる一作だと思います(3作目ですが、過去作を先に聴かなくても問題なく楽しめます)。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:59| Comment(0) | 音声作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月04日

可愛いだけじゃない式守さん(1)

可愛いだけじゃない式守さん(1) (KCデラックス)
可愛いだけじゃない式守さん(1) (KCデラックス)

『可愛いだけじゃない式守さん(1)』(真木 蛍五)|講談社コミックプラス

かっこいい女の子です。イケメンな彼女です。最高です。こういうのすっごい欲してました。 ありがとうございますありがとうございます。

かわいいとかっこいい。この作品のヒロインである式守さんはその二面性できあがっているわけだけど、見どころはほとんどかっこいいところなので、かっこいい印象しか残らない感じになるという。ギャップで魅せようとしてるのかもだけど、正直なところ、ギャップもなにもなくともただかっこいい場面がかっこよくて最高なんですが。しかも、そういうかっこよさを見せるのが、決まって主人公の近く、ときには至近距離だったりもするものだから、間近でそんなイケメンオーラを真っ向から受けた日には、主人公ならずとも「好き……」なんて言葉が無意識のうちに漏れてもこようというもの。

3話は彼氏をリードするイケ彼女オーラバリバリだし、映画館のお話なんて、ひれ伏したくなるような横顔で。5話もそうだけど、身長差的には式守さんのほうがすこし背は低いはずなのに、見上げる構図になった瞬間のかっこよさの爆発ぶりがやばいんですよね。7話はもうあんなのプロポーズ不可避だし、8話はすべてをあずけたくなる安心感に包まれるものがあるし、もう本当にイケメンすぎてやばい。こんな彼女いたら、和泉くんどんどんダメにされちゃうのでは? 13.5話のツーショット写真、最高に最高でした。ありがとうございます。

まあ和泉くんは和泉くんで常人離れした不幸体質の持ち主のようなので、護衛だってできちゃうレベルの式守さんがいてくれてやっと不幸なばかりでない学校生活が送れるくらいのバランスで。その意味で、和泉くん的には式守さんへの感謝の気持ちは忘れられるものではないのかもしれない。まあイケメンなところを見せつけられるたびに好きな気持ちを新たにさせられまくっているのではあるけれど。

でも、それもこれもすべて、式守さん的には特に意識してやってるわけではなさそうなんですよね。なにげないしぐさにオーラがにじみ出てるというか、無意識でイケメンなんですよね。だから余計に心臓をわしづかみにされるような破壊力があるわけだけど。はー好き。

次の巻でもカロリー激高な話を期待したいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:19| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月02日

愛玩調教 過保護すぎる飼い主の淫靡な企み

愛玩調教 過保護すぎる飼い主の淫靡な企み (ムーンドロップス文庫)
愛玩調教 過保護すぎる飼い主の淫靡な企み (ムーンドロップス文庫)

主従な関係のヒーローとヒロインの恋愛譚。まあ好きに決まってますよねという。

ヒロインはヒーローの一族子飼いの“番犬”のひとりであり、主人に絶対の忠誠を誓いながら主人の身を護ったり命じられるまま工作活動に携わる諜報員のような存在。ヒーローのほうは、そんな“番犬”を何人も抱えて規模を拡大させてきたマフィア的な企業の跡取りとして、各所に敵を抱えながらも着々と勢力を広げるやり手の御曹司。

このヒロイン・ローズからの主人・オースティンへの敬愛ぶりがすごくよかったんですよね。なによりも主人が第一な忠義ぶりと、直接本人へは伝えられないながらも描かれていく内心によってこれでもかとばかりに伝わってくるオースティンへの恋心。それらが合わさって、主たる一族への忠誠を骨の髄から叩きこまれる“番犬”たちのなかでも際立った主人への情愛の念を感じさせてくれるのがこのローズというキャラでありまして。

好みのファッション、好きな食べ物……。そういった、自分自身の記憶や感覚によって選り抜かれるはずのものでさえ、オースティン抜きにして思い浮かんでくるものはなく、徹底してオースティンありきでしか自分というものを考えることができないヒロイン。その首まわりにはオースティンの手ずからつけられたチョーカーが光り、専属として常にオースティンのそばに侍ることに意義を見出してもいる筋金入りの忠犬。オースティンから求められれば体を差し出すこともいとわないし、結ばれることの許されない主従の間柄を考えればそれはなによりのよろこびでもある。

そんな、秘めた恋心に身を焦がすヒロインが主人公の恋物語。あらためていいますけど、好きに決まってるじゃないですかというところで。

ヒロインは報われることのない恋心を胸に秘めた“番犬”で。けれどそれに対して主人が彼女のことをどう思っているかは、初めのうちはいまいちわからない。

任務で情人のフリをすることを命じられたかと思えば、恋人っぽく言い寄られたり、物陰で慰めを求められたりもして。ローズとしては恋心を抱くオースティンにそんなことをされればドキドキさせられっぱなしになってしまうところではあるけれど、一方のオースティンは演技でそんなことをしているのか、そのついでにちょっとした余興のつもりで楽しんでいるのか、その真意まではローズにはわからない。主人に与えられる快楽は至福の心地であるはずなのに、とまどいの気持ちが消しきれない。そんなうれしさと困惑が入り混じった頼りない心理状態がたいへんによかったのでありまして。

しかも、話が進むにつれて、ローズの側からはますますオースティンの考えがわからなくなっていく展開。オースティン抜きでは自分のことすらわからないのに、そんな自身の内面を掘り下げることを求められるような課題が次々に与えられ、オースティンのそばにいることが一番の存在価値なのに、オースティンから離れた世界で拠って立つ拠り所を身につけることを求められるような任務が課されるようにもなってくる。

もしかして自分はもう用済みになってしまったのだろうか、オースティンに捨てられてしまうことになるのだろうか。そんな不安から、せっかくできた友人とも悄然としてしか過ごせず、逆に主への募る恋心を意識せざるをえなくなっていく心情がすごくよかったですね。

ただ、オースティンの側から見れば、ローズを突き放したくなる気持ちもわかるというか。ローズをはじめとした“番犬”たちの主たる一族への忠誠心って、刷り込みレベルの教育による賜物以外の何物でもないんですよね。ローズがオースティンを慕う気持ちをとっても、彼がローズの専属の主だからという事実が根底の何割かにあるのは否定しがたい部分があって。

“番犬”としてのローズならば、オースティンが命じればどんなこともする。けれど、命じられるがままの人生にどれほどの幸福があるのか、ローズのことを大切に思えば思うほどにそこには疑問が湧き出てこずにはいられない。

そんな心理から生じたすれ違い。じれじれとした展開がとてもよかったです。

とはいえ、どれだけオースティンの側から突き放すようにしても、そうされるほどに彼への気持ちを募らせていくローズに対しては要らぬ心配だったところでもあり。どこまで突き放されようと、オースティンなしの人生なんて選べないローズの健気なほどの想いが発露する展開はたいへんいいものでした。

収まるべきところに収まった、とてもいい主従恋愛譚でした。どうぞお幸せに。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:26| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月31日

虚構推理(1)

虚構推理(1) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(1) (月刊少年マガジンコミックス)

『虚構推理(1)』(片瀬 茶柴,城平 京)|講談社コミックプラス

Twitterの広告で流れてきて気になった枠。

これ、めちゃくちゃおもしろい雰囲気してるじゃないですか。特に、主人公(でいいのかな?)の岩永琴子がそれはもういいキャラをしてまして。

一話での、一目惚れしたもう一人の主役・桜川九郎を射止めるべくあれこれ画策する様子とか、しかもそれを隠すことなくオープンにしてグイグイ押しまくっていくアタックぶりとか。そして、九郎の彼女(元カノ)に対抗心燃やして一方的なくらいに張り合っていこうとする態度とか。若干うっとうしくもあるんだけど、どこまでもストレートであるがゆえにどこか憎めないところがあるというか。

九郎としては、なんだかめんどくさげな女の子に気に入られてしまったとでもいうようなげんなり感をただよわせながらも、特に好みのタイプではない琴子をことさら拒絶する様子もないようで。琴子の口から「現在の彼女」を名乗られても、本当に?と疑いたくなってしまうところではあるものの、腐れ縁的に関係がつづいていくのはありそうなと思わされていくふたりのやりとりの雰囲気は悪くないのであって。

でもそれ以上によかったのは、やっぱりラストでの琴子とサキさんとの再会シーンであって。別れても九郎のことを忘れられないサキさんと、「現在の彼女」を名乗る琴子がばったり出くわして。サキさん相手に一方的にマウント取りにかかって女の戦いめいた恋のさや当てをはじめていく琴子はおもしろかったよねという。

それに、サキさんのほうも、どこか頼りないくらいの年下男子が好みということで、今でも別れた九郎のことが忘れられない様子をしっかり感じさせてくれてて、これはなんだかとても楽しみな雰囲気ですよというところ。

というか、こんな三角関係的なラブコメ展開が楽しみに思えるってどれくらいぶりだろうかと、読んでて覚えた自分の感情に驚きすら感じてもいるんですが、それはともかく、めちゃくちゃ楽しそうなシリーズですね。実は気になりすぎててすでに次の次の次の巻くらいまで読んじゃってるんですが。ともあれ、感想書けそうならそちらでもまた。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:58| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月30日

Unnamed Memory(1)青き月の魔女と呪われし王

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)
Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 | Unnamed Memory | 書籍情報 | 電撃文庫公式サイト

このヒロインの魔女はかわいい。とてもかわいい。齢100をとうに超すほどの時を生きているはずなのに、成長が止まった外見年齢そのままの少女のようで。たいへんにかわいらしい。実年齢的にはるかに年下なはずの王子にことあるごとに求婚されて、ペースを崩されたりしながらも、それでもときに力いっぱい、ときにおざなりに毎回きっちり却下を突き返す対応がお決まりのやりとりになっててかわいいことかわいいこと。ティナーシャのかわいさだけでページをめくる手が進む進む。Web版などで先の展開を知ってる方たちはファンタジー作品としてのおもしろさをポイントとしてあげてるような気もしますが、個人的にはこの時点でのいちばんの見どころはなんといってもこの、長い時を生きてきたはずなのに色恋方面には弱いティナーシャの少女っぽさにあると思うのですよ。

というかこの、ヒロインにご執心でしょっちゅうちょっかい出してくる王子とそんな王子に調子崩されたりやいのやいのしたりしつつもやりとりの雰囲気自体は悪くない感じ、とても女性向けな作品のノリだと思うんですよね。主人公も男キャラではなくヒロイン側のほうではあるし。電撃の新文芸って、レーベルの母体を考えると男性読者を想定しているのではと思えるのだけど、そこからこの作品が出るというのはある意味でミスマッチというか。でも、現在の文庫に比べれば女性読者にリーチしやすい立ち位置だとは思うし、それに個人的にも「ヒロインかわいいで楽しめる女性向けのノリの作品」という、今まさに自分の好みな作品が男性読者の手に届きやすい形で世に出ているかと思うと、これはとても貴重な機会なのではと思えてもいたり。

というわけで精一杯にオススメしたい。

本気出せば災厄級の魔獣も一瞬でとは言わないけど屠れちゃう最強クラスな魔女が、一途な王子オスカーに一方的に気に入られてやいのやいのせずにはいられなくなっちゃうラブコメな空気の楽しさを。

「そうは言っても、お前は将来の王妃だぞ」
「ならないよ! 勝手な未来を作るなよ!」(83ページ)


こんなやりとりを一冊の中で何度となくしてるふたりのおおしろいことといったら。

オスカーから当然のようにスキンシップをされまくった影響か、そのうちにティナーシャのほうでも、髪に触れられる程度の多少のスキンシップは無心で受け入れている感があって。そういう場面を見せられるたびに仲のよろしいことでとにやにやさせてもらえることで。

そのうえ、オスカーが別の魔女ルクレツィアに会った後に王子からただよう女物の香水のような香りの正体に気づいたときのリアクションはあれはもう完全に浮気をとがめる恋人の態度でしたよね。周囲のツッコミが的確すぎて笑った。

おまけの、オスカーによるティナーシャの着せ替え遊びは本当にありがとうございますというところで。いつも忙しい執務の合間に好きな女を自分好みに着せ替えてお楽しみのオスカーさんは実にいいご趣味ですねという。そしてそれに渋々つきあわされるティナーシャの様子にはたいへんにやにやさせてもらえる一コマでありました。

気づけばファンタジー部分には全然触れてないけど、まあいいか。2巻でもこの空気を楽しめたらなということで。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:52| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月28日

ふたりで恋をする理由(1)

ふたりで恋をする理由 1 (マーガレットコミックス)
ふたりで恋をする理由 1 (マーガレットコミックス)

ふたりで恋をする理由 1/ひろ ちひろ | 集英社コミック公式 S-MANGA

Twitterの広告で流れてきて気になった枠。

電車でトラブってたところを助けてもらった先輩のことを好きになったと思ったら、その先輩の幼なじみでヒロインの同級生の男子からたびたび邪魔されてしまって……という、三角関係っぽいんだけど実は先輩だけちょっと輪からはずれがちな感じにも見える少女マンガ。

ヒロインの安堂さんと同級生の美園くんの関係がとてもかわいらしくていい感じになってますよね。

安堂さん的には先輩へのアタックを邪魔されまくってて関わりだした当初から印象の悪い相手ではあるんだけど、たびたび先輩に誘われるまま三人で過ごす時間を持っているうちにだんだんと素直じゃない一面が見えてきて印象がよくなっていっている様子がうかがえて。

美園くん的には、先輩に寄ってくる数ある女子のうちのひとりとして、先輩と関わり合いになる前に排除しようとしていたら、だんだんとただ先輩のかっこよさにあこがれるだけじゃない、芯があっていい子な一面も見えてきて。むしろ美園くんから安堂さんへの好意の矢印めいた感情が伸びだしているような感があって、とても気になるところではあり。

その一方で先輩は安堂さんから寄せられる好意に気づいているのかいないのか、華麗に受け流して人づきあいの苦手な美園くんの友だちとして収めようとしてる感のあるところが、なかなか油断のできないイケメンぶりであるところであり。恋のお相手としてはなかなか手ごわい人ではあり、ちょっとなかなかハードルの高そうな人ではあるぞという印象。正面から相手してもらうにはまだいくらかステップが足りなさそうではあるというか。

いやでも個人的にはやっぱり、先輩と違って女の子慣れしてない美園くんが暴走しそうな気配があるのが、それに対する安堂さんのリアクションとも合わせて楽しみなところであり。

絵的にもヒロインの女の子がどのコマ見てもかわいくていい感じなので、つづきもぜひとも楽しみにしたいところです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:31| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

春とみどり(1)

春とみどり(1) (メテオCOMICS)
春とみどり(1) (メテオCOMICS)

春とみどり | COMICメテオ

好きだった親友の娘を引き取るところからはじまる年の差百合マンガ。

これすごくいいですね。特に主人公のみどりが、年の割には頼りない感じなところが。

中学時代から地味でどんくさくてたったひとりしか友だちがいなくて。その友だちの娘はもう中学生になるくらいに時間がたっているのに、そのころからあまり成長している感じがなくて。

たったひとりの友だちの訃報に驚いて、その面影をくっきりと宿す娘の春子が身寄りのない状態でもてあまされているのを見ていられず引き取ることにしたはいいものの、まるでどちらが保護者かわからないくらいにみどりからはあまりあれこれしてあげられなくて。むしろ春子のほうが料理や服の買い物など、みどりのことをあれこれ助けてあげられてしまうくらい。

中学の頃のみどりとつぐみの関係もそんな感じだったようで。明るく友だちもいっぱいいたつぐみが、それでもみどりのことをなにくれとなく気にかけてくれたことから、好意にも似た感情を抱いていたようで。春子のふとした言動から昔の記憶をよみがえらせて、もういなくなってしまったつぐみを思い出して泣きそうになってる様子がとてもいいもの。そして親を亡くしたばかりのはずの春子に逆になぐさめられるのまでがセットでたいへんいいものいいもの。

みどりと春子の関係って、本当に回想で挟まる中学のころのみどりとつぐみの関係そっくりなんですよね。それはあくまでみどりの側の認識ではあるし、春子のほうも関係の糸口がそこであるがゆえにあえて母親っぽくふるまってるんだろうかと思える部分もなくはないですが、それを差し引いても、みどりにとってはまるで中学卒業以降止まっていたかのような時間がふたたび動き出そうとしているかのような予感を抱かせるふたりの時間はたいへんいい雰囲気ではありまして。

みどりのつぐみへの気持ちは、あれは好意といいきっていいのかも迷うような稚い感情であったようにも思えるだけに、それが春子と接していくうちに、どう推移展開していくのか、そしてそれを春子はどう思うのかなど、いろんな意味でとても楽しみになってくるところで。

どちらが保護者かわからないようなこの年の差百合、とても楽しみなシリーズになりそうな気がしますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:51| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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