2020年02月18日

春と恋と君のこと(2)

春と恋と君のこと 2 (マーガレットコミックス) - 綾瀬 羽美
春と恋と君のこと 2 (マーガレットコミックス) - 綾瀬 羽美

恋する気持ちを初めて経験していく女の子のかわいらしさよ。

自分の気持ちの正体に気づくことにすらてまどって、ひとりぐるぐる悩みこんだり周りから指摘されて混乱してる様子がいとおしいほどにかわいらしいこと。なにかにつけて反応が幼いので、周りもあれこれ世話を焼きたがるのがよくわかるというか。でもお相手の男子も恋愛経験値はとぼしいので、ふたり並んで進んでいってる感じで雰囲気は悪くないんですよね。

気持ちは通じてたり通じてなかったりだけど、相手のことが大切で自分と過ごす時間をなにより好ましいものに思っていてほしい。だからこそ相手の様子がおかしければ放っておけないし、踏みこんでみたりもする。そうしたやりとりを通しての進展はいかにも手探りなもので、スマートさとは無縁のものではあるけれど、それゆえのいとけなさすら感じさせる恋模様がとてもかわいらしいと思うのです。

あと、残念イケメンな藍里にジト目を送る絋果という構図のやりとりもとてもコメディチックでおもしろくて。絋果さんじゃないですが、こちらとしても助かりますというところ(何が、とはいいませんが)。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 11:33| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月13日

エクレア orange あなたに響く百合アンソロジー

エクレア orange あなたに響く百合アンソロジー - 仲谷 鳰, あらた 伊里, 缶乃, 平尾アウリ, ほか
エクレア orange あなたに響く百合アンソロジー - 仲谷 鳰, あらた 伊里, 缶乃, 平尾アウリ, ほか

同名アンソロジーシリーズの5冊目。今回もいい百合短編がたくさんでたいへんいい一冊でした。

個人的にいちばん好きなのはカボちゃさんの「私たちの交点」。委員会とか部活とか、そうした学生ならではの環境のなかで、人間関係のことや将来のことで悩みがあったり。いつかの学生時代の空気感を思い出させてくれるあれこれを背景に、文学少女と部活少女のふたりの交流が描かれる。表面的には接点がなさそうで、序盤を読んでいてもあまり気が合いそうにないふたりではあったんだけど、何度か接していればなんとなく伝わってくるものはある。第一印象からすれば意外な一面だったり、なにか抱えこんでいる問題がありそうなことだったり。けれど相手の内心に踏みこんでみるほどには思いきれず、かといって放っておけるほどには冷淡にもなれず。適切な距離感を探るようにしてすこしずつ交流を深めていく様子が、とても繊細でいいものだと思ったのです。これぞ学生百合の一コマと感じさせる空気感でした。

同じく学生百合だと竹葉久美子さんの「陽炎のうた」もよかったですね。ちょっとホラーっぽい設定からのえっちな展開にドキドキさせられたりもするんだけど、設定が設定だけにふたりの関係性はとても感情に訴えかけてくるものがあって。ここから先に続いていかない、短編ならではの読後感を与えてくれる話ですね。

そこをいくと、同じ学生百合でも宮原都さんの「切れない距離」は、この先の展開が気になる話でしたね。設定的に三角関係ではあるようですし。なかなかにシリアスな展開になってくれそうというか。

あらた伊里さんの「ティアドロップス」は、学生百合になるんでしょうかね? 小学生って学生……? そんな疑問もわいてきますがそれはともかく。最近読んでる作者さんのほかの作品でも感じるキャラクターの勢いはこちらでもバンバン伝わってきて。この、女の子たちがにぎやかにわちゃわちゃしてる感じ、すごく好きなんですよね。ピアノの先生のツッコミとか、独特なノリがもう大好き。けれどなによりも、いちばん最初に出てきた年の差という伏線をきれいに回収してストレートに濃度の高い百合に落としこんでみせる展開がみごとすぎて。甘々疑似姉妹百合、とてもいい……。コメディとしても、百合としても、短編としても、とても好みな話ですね。

学生百合もいいですが、社会人百合もいいものではありまして。桐山はるかさんの「不器用たちに幸あれ」はそのなかでもいちばんの好み。すごい人だと思ってるんだけども叱られてばかりで苦手に感じていた主任が実は自分のことを評価して気にかけてくれていたということをプライベートな場で伝えてくれるのは、それだけでもうありがたい気持ちにさせてくれる展開ではありまして。ましてやそこで、自分にしか見せてないであろう親しみやすい一面を見せてくれるとなれば、これはもうギャップでドキドキが止まらなくなってしまおうというもの。こんなところを見せられたら、しばらく別の意味で同じ空間にいづらくなってしまいそうなんですが、神田さん、帰りの車で事故ってないといいですね……。主任の笑顔のかわいさにやられた。

川浪いずみさんの「帰ってきたクソ女」も好みな話で。この本のラインナップとしてはタイトルが強烈だけど、話はまっすぐな百合の話。警戒心を抱きながらも好きなものは好きだからどうしようもないという、そんな大人な関係がドキドキさせてくれることで。ふたりのやりとり、猫のくだりでは声に出して笑ってしまいました。そして、そんなこんなを含みながらも、短編の分量でこの話をきれいにまとめてくれるラストがとてもいい雰囲気なのでして。読後感もとてもいい。いい短編マンガだと思います。

その他、むっしゅさんの「ちゃんと見てって話」は高校生の女の子と大学生の女の子の年の差百合。年上のおねえさんを慕う高校生とそんな彼女につきあってあげるおねえさんという様子がどこか姉妹っぽさも感じさせていいものではありまして。くわえて、構ってほしいのにぞんざいにあしらわれたり、かと思えばちょっといじわるにからかってきたりする、そんなおねえさんの態度にずるいずるいと内心で怒ってみせたりする女の子の様子がたまらなくかわいく思える話なのでした。いいですよね、こういうの。

ずるいといえば、古鉢るかさんの「たゆたうくちびる」のラストも、態度としてはアレなんだけども、それを感じさせないずるい表情がなんだかちょっとかわいいかもと思えたり。

とりあえずはそんなところで。今回もいい一冊でした。百合好きな方はぜひぜひ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:30| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月09日

運命の相手がややこしい!

運命の相手がややこしい!【電子限定漫画付き】 (ラブコフレMコミックス) - 柚木ゆー
運命の相手がややこしい!【電子限定漫画付き】 (ラブコフレMコミックス) - 柚木ゆー

Twitterの広告で流れてきた(数か月前からなぜかRenta!の英語圏向け広告が流れてくるようになった)のを見て気になって購入。

これはとてもかわいい。片方が周期的に体の性別が入れ替わる体質ということで、男と女として互いに惹かれあっていくうちに男の体同士でもいい雰囲気になっていく様子はとてもいいもの。

というか、女体時のかわいさが印象づけられていくうちに男体時の言動もだんだんかわいく思えるようになってくるという。なんという巧妙な手口か。当初は女性の体で交流を深めていった影響で、気づけば男の体のときでも接するしぐさが女の子っぽくなってきてたりしてて、とてもかわいいこと。というかむしろえろい。女体時よりも男の体のときのほうがえろい気がするのはなんでなんでしょうかねえ。

終盤のほうではすっかり男女どちらの体でもいい感じの雰囲気になれていて、さすがの相性抜群ぶりですね。とてもお似合いのふたりではないでしょうか。描き下ろしの話とか、すごくお約束感のあるカレカノの雰囲気になっていてとてもほほ笑ましいことで。

ぜひ幸せになってほしい……というところだったんですけど、ラストで次の巻に続く展開。いや、1巻表記がなかったからすっかり一冊で完結するものと思ってました。まあその分このふたりの話をもっと楽しめるということでもありますので。次の巻も楽しみにしたいですね。


そういえば、女体化レーベル(男×女も男×男もある)って、ジャンル的にTLなんだろうか、BLなんだろうか。買った本屋ではTLコーナーにあったような記憶。個人的にもこの内容ならTLかという気がするけれど、TLだけを期待しているとびっくりしてしまうと思うので難しい。まあ帯を見れば女体化が強調されてるので不幸な事故は避けられるか? そもそもTLかBLかという枠組みが不適という話かもしれない。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:39| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月05日

ゆびさきと恋々(1)

ゆびさきと恋々(1) (KC デザート) - 森下 suu
ゆびさきと恋々(1) (KC デザート) - 森下 suu

すごくいい感じの雰囲気だった。

耳が聴こえない女の子がヒロインで、手話や口の動き、文字を通してのコミュニケーションが中心になってるからか、読んでて感じる雰囲気が静かなんですよね。音のない、静謐な世界で、その中でキャラクターたちの会話や動きが展開されていっているような。なんだか不思議な感覚。これがとてもいい感じで。

音がないから、どこか少しキャラクターたちのことを遠くに感じるような部分もあるんだけど、そのぶん、文字として伝わってくるコミュニケーションが存在感を強めに感じさせる。これが聴覚に障害のある人から見た世界、なのかはわかりませんが、こうした世界の感触は悪くない。というよりとても面白いものだと思います。

そしてなにより、静謐な世界だからこそ、ヒロインが抱き育んでいく恋する気持ちがとてもあざやかに響いてくるんですよ。まるでそこから世界に彩りが与えられていくかのような、鮮烈な感覚。そうした感覚を体験しているヒロインの姿もふくめて、とてもかわいらしい、恋の話ですね。

楽しみなシリーズになりそうです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:57| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月30日

世界でいちばんかわいい!

世界でいちばんかわいい! (BABYコミックス) - ふるや ちるこ
世界でいちばんかわいい! (BABYコミックス) - ふるや ちるこ

女装BLだー! しかも女装攻め! これはやばいかった。より男らしい受けが自分にだけ見せるかわいい顔に興奮して気分を高ぶらせる攻めのSっ気を感じさせる表情がたまらなかった。身長が同じくらいだから、体格差がある場合ほどではないけれどそれでも上になったときの迫力が結構なものなんですよね。女装姿そのものもめちゃくちゃ色気にあふれてて、そんな姿からの攻めっぷりなのでたいへんにやばい。そんな攻めをまっすぐに受け入れる受けも好感が持てて、それでいて攻めにとろかされちゃう表情はとてもいい受けっぷりであって。とてもかわいいふたりの話でありました。

本編とは別の読切の短編も、こちらはまた別ベクトルではありながら女装BL。かわいいを追求していく女装男子の姿が本当にかわいくて、その過程でのふたりの関係性も物語としてとてもいいもので。すごく応援したくなる関係のふたりでした。かわいい男の子たちの女装姿はとてもかわいい。そんなふたりのBLは最高にかわいい。そんな話。

とてもいい一冊であった。オススメしたい。どの方面に向けたらいいかわからないけど。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:22| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月16日

おっさん冒険者ケインの善行(3)

おっさん冒険者ケインの善行(3) (ガンガンコミックスUP!) - 風来山, 沖野 真歩, すーぱーぞんび
おっさん冒険者ケインの善行(3) (ガンガンコミックスUP!) - 風来山, 沖野 真歩, すーぱーぞんび

今回も主人公の面前よりも主に視界の外で主人公のことで盛り上がるヒロインたちのにぎやかさが楽しい話であった。特にアナ姫。主人公の目の前に立たずしてすっかり物語の駆動役を果たしてる感すらあるんだけどどういうことなの……。ラストの頼もしさはさすがだけど、事の発端は割とアナ姫なんだよなあ。全部知ってるパーティーのまとめ役マヤさんは頭が痛そうではある。最強系ポンコツキャラのかわいさですよな。いっそ見守る境地に移行してくると、ほほ笑ましい感じにながめていられるようになるかというところ。

まあ、当の本人にはヒロインたちの気持ちはまったく届いてもいないのがまたポイントなんですけど。年の差もあり、自分たちだけで盛り上がってるヒロインたちがほほ笑ましい印象になってくる、安定の人のいいおっさん主人公なのであったという。この安心安全感が読んでて安心感につながってるところはあると思う。ちょっとエッチなハプニングはありつつも全体的にほほ笑ましい印象は崩れないからすごいというか。ただ、今回の新ヒロイン、いかにも淫紋みたいなのが登場したのには、そこだけバランスおかしくなってる感があって、「どうして」ってなった。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:29| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月02日

旅する海とアトリエ(1)

旅する海とアトリエ (1) (まんがタイムKRコミックス)
旅する海とアトリエ (1) (まんがタイムKRコミックス)

何年か前に艦これの同人を読んでた作家さんによる商業作品。

女の子ふたりが現地案内役の(これまた)女の子ともどもポルトガル・スペイン・イタリアの3か国を旅してまわる話。

登場する女の子たちそれぞれに事情を抱えながらもそれを感じさせないコミカルな描写は健在で、にぎやかな旅の道中の様子が読んでいておもしろいことで。くわえて、そうしながら交流を深めていく女の子たちの様子がとてもかわいくていいもので。この巻における訪問先がちょうど個人的に興味のある地中海沿いの南欧地域ということもあり、旅先のグルメや観光地の紹介まで含めて、とても面白い一冊でした。次はウィーンとのことで、つづきも楽しみです。

ただ、肝心な旅の目的としては、初手がはずれたことですでにあてをなくしている感があり。ひたすら観光旅行としてはしゃぎまわってるけれど、先行き大丈夫なのかと周囲の人ともども心配にはなってくるところ。ゴール地点の予測がつかない。 
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 10:09| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月19日

やがて君になる(8)

やがて君になる(8) (電撃コミックスNEXT)
やがて君になる(8) (電撃コミックスNEXT)

完結。幸せで幸せなラストが素晴らしかった……。

特に、晴れて付き合いだしてからの好意がこれでもかと前面に出るようになったふたりのやりとりの雰囲気とかもう最高すぎましたね。ありがとうございます。ありがとうございます……。

そしてタイトル、燈子先輩は燈子先輩になり、侑は侑になっていく。そのほかにも、何人ものキャラクターたちが何者かを目指し、そこにたどり着けたか(進みつづけられているか)はともあれ、何者かになっていっている。そんなラストの姿を見るにつけて、タイトルを見返したときに感慨深い気持ちにさせられる。本当に、素晴らしいシリーズでした。ありがとうございました。

ノベライズの次巻も気になってくる一コマもあり、本編のマンガは完結しましたが、まだまだ目が離せない作品でありつづけてくれそうで、楽しみなところです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:08| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月20日

仕事の後は恋しよう

仕事の後は恋しよう
仕事の後は恋しよう

好きなのに相手に迷惑かけちゃうからって身を引こうとする女の子、大好き。急転直下からの力技なハッピーエンドが実にいい百合作品でございました。

自分がドジで要努力な新米社員であると自覚しているだけに、エース級の先輩の足を引っ張るようなことには強く自戒の気持ちが働いてしまう。だからこそ、先輩のほうから一歩踏みこんできてくれても、うれしく思う気持ちもありながらも、それ以上に拒絶しなければならないという心理に支配されてしまう。そうして、いい雰囲気になりかけてたふたりの関係が深刻なすれ違いに突入してしまう。

いやも本当に、こういう泥沼にはまっちゃったような展開を見せる恋愛物語が大好きなもので。百合でもこういう話が楽しめてたいへんに満足させてもらえました。

メインのふたりが社会人としては精神的に幼めな部分があったので、余計に一途で不器用な恋の話として楽しむことができたようにも思います。そんなふたりを見てらんなくて発破かけたり背中を蹴り飛ばして回ったり、助演女優賞もののアシストぶりを見せてくれたキャラについては、その苦労人ぶりがコミカルでおもしろかったりも。

ラストのおまけがたいへんありがたいご褒美でした。不器用すぎて進展がないのはこのふたりらしくはありながら、たまに異様な行動力を発揮する先輩がとてもらしくておもしろかったというか。ラストのラストはいいぞもっとやれというところ。

爽快感があるかはわかりませんが、内面でぐるぐる迷いまくってじれったいくらいの進行状況なふたりを楽しませてもらえる百合マンガでした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:19| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月19日

シガレット&チェリー(2)

シガレット&チェリー 2 (チャンピオンREDコミックス)
シガレット&チェリー 2 (チャンピオンREDコミックス)

シガレット&チェリー 第2巻 | 秋田書店

一時期1巻が無料になってるのが目について読んでみた作品。

先輩がいい女すぎてつらい。冷静で辛辣なツッコミはやっぱり冴えてるんだけど、失態つづきの後輩にもなんだかんだで甘いところ見せてくれるし、バカでも暑苦しいくらいにアピールしても否定されずに受け止めてはくれるし。気遣いのできる部分が期待をつなぎとめてくれるものだから、ニヤニヤが止まらなくなってしまうところなのであって。

先輩をめぐる金髪ちゃんとの犬猿の仲なやりとりはあいもかわらず低レベルでしょうもないものなんだけど、そんなやりとりを優しい笑顔で眺めてる先輩の口もとがものすごくいいものであった。

というか、後輩くん、なによりもちゃらい態度で認識されてるのね。笑う。まあでもこのバカさウザさはなかなかないレベルだと思うのでわからなくもない。

ちょっとした波乱じみた展開も起きてるけど、この三人の雰囲気が好きですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:20| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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