2021年03月16日

『戦争は女の顔をしていない(2)』


帯の「理解していないことを知るための本」というのは確かにと思わされるものがある。戦争を経験して、多くの悲劇に見舞われたり、その手を血に染めた後で日常に帰っていった人たちの口から語られる話は衝撃的だったり、あまりにも感傷的だったり、平和な日常以外に経験したことのない自分にとってはそのまま受け止め理解するにはあまりにも巨大でもて余してしまうものがある。なぜそうした出来事を経験することになったのか、なぜそうした感情を抱いたのか、推測し理解や共感をするためには描かれる話だけでは圧倒的に手がかりが足りないんですよね。個人個人で生い立ちや周囲の環境、価値観形成の過程は様々であり、その上でさらに戦争へ参加したり体験する出来事は人それぞれであるので。ナラティブが足りない。一人ひとりに異なる戦争体験の記憶をまるごとすべて理解するためには、その人の半生を理解するかのような膨大なナラティブが必要となるはずで。けれどこの本はそうなっていない。そういう本ではないということなのでしょう。この本では、戦争という巨大で多面的で甚大な体験をした人々の口から、一人につきわずかな場面のみが語られる。それも、終戦から30年という時間が経過した時点の社会から当時をふりかえる形で。そこで語られるのは一個人が見た戦争という狭いビジョンの話であり、けれどそこにはふりかえった当時の価値観がいりまじる。オーラル・ヒストリーにはありがちだけれど、語られる話がすべて正しいとはかぎらなくて、けれどそこにこめられた感情はまぎれもない事実であったりもする。厄介なことだけれど、何が真実かの判定は自分にはしようもない。ただただ生々しい当事者たちの語り口に圧倒されるほかない。戦争という惨禍が人間にもたらすものの甚大さにうちひしがれるしかない。そうした個人の声の集合で織り成されるのがこの大祖国戦争の従軍体験者たちのオーラル・ヒストリーなんですよね。こんなもの、理解できるわけがないじゃないですか。理解できるわけがないのだけど、その理解できなさが戦争を体験するということなのだと伝えてくれるんですよね。けれどこの本がなによりすごいのは、そうして戦争体験をまとめながら、この本が真に描きだすのが、そうした戦争の悲劇をものみ込んで生きる人間の姿であるということなんですよ。敵への憎悪、祖国への愛国心、人を殺めることのおそろしさ、仲間を喪失する悲しみ、あまりにも多くの死傷者を目にして磨耗する精神……。それら消化しきれない経験を重ねて、それでも戦争を生き抜いてきたのが人間であり、むしろまさにその渦中で社会を営んできたのが人間なのであり。戦争は人間の精神を押し潰す。作中でも感情を抑えながら戦争を語る人などいなかったというくらいに、大きな傷跡を残さずにはおかない。けれど、決して押し潰されきらないのが人間なのであり、むしろそのなかでも無数の人間らしい感情に満ちたエピソードを披露してくれるのが人間なのでもあるという。戦争は圧倒的な惨禍である。しかし、人間はそうした戦争を乗り越えて存在する。必ずしも無傷ではないにしろ。人間の大きさは決して戦争に劣らない。凄惨なエピソードを通してそんなことを描いてくれるからすごいんですよね。今回収録の第八話は、そのものずばりの内容で、読む前後で話の見えかたが違ってくるような、重大な話だったと思います。そうした人々の営みすらものみ込んで流れる歴史というものに思いをいたしたくなってくるそんなシリーズですね。次の巻も楽しみにしたいです。
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2021年01月10日

『リボーンの棋士(6)』

新刊がなかなか本屋で見かけられなかったり、あったとしても買ってないことを忘れてたりで、前の巻を読んでからすこし間があいてしまった。

今回は師弟対決のつづきから。めちゃくちゃ熱かった。再起を期す弟子、衰えてきた師匠。どうなってしまうのかとやきもきさせられる前の巻ではあったけど、全然そんな心配は無用だった。師弟を超えて勝負師としての意地をむき出しにしてぶつかり合い、一個の棋士として優れた手を競い合うふたりの戦いは最後までめちゃくちゃに熱かった。そしてそれを観戦する側にまで驚嘆や嫉妬の感情を催させるんだから、ものすごい感慨に包まれてしまわずにはいられない。ものすっごくおもしろかった。マジでもっともっといろんな人に読んでもらいたいシリーズ。めっちゃオススメ。

くわえてその後の土屋がまた……笑。土屋、これまでもプライドの高さに足を引っ張られてきたけど、今回はまた特大なやらかしをしてしまった感。いや実際気持ちはわかるし、相手に悪意があったのは確かだから同情はできるんだけど、でもそのプライドの高さはまだ分不相応だったと思うんだよなあ。とはいえそれでもっともっと強くなりたいという気持ちを読者に刻みこんでくれるのが土屋であるし、事情がわかるから同情できるだけに心の底からもっと強くなってほしいと応援せずにはいられないのが土屋なんだよなあ。隙は大きいんだけどそこがまた人間的というか。このマンガの主人公は安住だし、一番に期待してしまうのも安住なんだけど、それとはまた別に一番に応援したくなるのはやっぱり土屋なんだよなあという。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:31| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!(1)』

八十亀ちゃんを読んでてローカルネタの話はおもしろいなーと思っていたところに、同じ愛知県内のローカルネタを扱った作品として登場してきて気になってた作品。ちょうど八十亀ちゃんのほうでも、最新刊では三河のキャラが本編に登場するかもとか前の巻の予告的な感じでついてたので、その予習にもなればというつもりで読んでみたのであった。ちなみに八十亀ちゃんの最新刊はまだ読めてない。

それはともかく、名古屋生まれ名古屋育ちの人間としては、結構違う東三河の市民性にへーほーいいながら楽しめる話であり、でもところどころではこちらと通じるローカルネタもあるからまるきり異郷とも感じない、不思議な距離感親近感を感じる町の話であった(例をあげると、自分の周りは放課も放課後もどっちも通じるし実際使う)。トヨタの経済圏が一部尾張地方にまで及んできてる部分があるから、西三河ならわりと近いイメージはあるんだけど、東三河は岐阜とか三重とか並みに遠いところなイメージがある。

豊橋に行ったのは一回だけだけど、一番印象に残ってるのは駅を出た途端にただよってきた味噌の香りだったりする。さすが三河は味噌の国とちょっと感動した思い出。なので津辺先生の出てくる話が一番おもしろく感じたところではあったかも。

「愛知の第2都市はどこだ問題」は、名古屋の人間からすればまじでどうでもよかったりする。一番は名古屋だしなーという。でもどちらかというと岡崎なイメージはあるかもしれない。なんでだろう、徳川家康ー岡崎城のラインからくるイメージだろうか? あらためて考えてみるとイメージの由来はちょっと気になるところではある。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:26| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月18日

春と恋と君のこと(2)

春と恋と君のこと 2 (マーガレットコミックス) - 綾瀬 羽美
春と恋と君のこと 2 (マーガレットコミックス) - 綾瀬 羽美

恋する気持ちを初めて経験していく女の子のかわいらしさよ。

自分の気持ちの正体に気づくことにすらてまどって、ひとりぐるぐる悩みこんだり周りから指摘されて混乱してる様子がいとおしいほどにかわいらしいこと。なにかにつけて反応が幼いので、周りもあれこれ世話を焼きたがるのがよくわかるというか。でもお相手の男子も恋愛経験値はとぼしいので、ふたり並んで進んでいってる感じで雰囲気は悪くないんですよね。

気持ちは通じてたり通じてなかったりだけど、相手のことが大切で自分と過ごす時間をなにより好ましいものに思っていてほしい。だからこそ相手の様子がおかしければ放っておけないし、踏みこんでみたりもする。そうしたやりとりを通しての進展はいかにも手探りなもので、スマートさとは無縁のものではあるけれど、それゆえのいとけなさすら感じさせる恋模様がとてもかわいらしいと思うのです。

あと、残念イケメンな藍里にジト目を送る絋果という構図のやりとりもとてもコメディチックでおもしろくて。絋果さんじゃないですが、こちらとしても助かりますというところ(何が、とはいいませんが)。
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2020年02月13日

エクレア orange あなたに響く百合アンソロジー

エクレア orange あなたに響く百合アンソロジー - 仲谷 鳰, あらた 伊里, 缶乃, 平尾アウリ, ほか
エクレア orange あなたに響く百合アンソロジー - 仲谷 鳰, あらた 伊里, 缶乃, 平尾アウリ, ほか

同名アンソロジーシリーズの5冊目。今回もいい百合短編がたくさんでたいへんいい一冊でした。

個人的にいちばん好きなのはカボちゃさんの「私たちの交点」。委員会とか部活とか、そうした学生ならではの環境のなかで、人間関係のことや将来のことで悩みがあったり。いつかの学生時代の空気感を思い出させてくれるあれこれを背景に、文学少女と部活少女のふたりの交流が描かれる。表面的には接点がなさそうで、序盤を読んでいてもあまり気が合いそうにないふたりではあったんだけど、何度か接していればなんとなく伝わってくるものはある。第一印象からすれば意外な一面だったり、なにか抱えこんでいる問題がありそうなことだったり。けれど相手の内心に踏みこんでみるほどには思いきれず、かといって放っておけるほどには冷淡にもなれず。適切な距離感を探るようにしてすこしずつ交流を深めていく様子が、とても繊細でいいものだと思ったのです。これぞ学生百合の一コマと感じさせる空気感でした。

同じく学生百合だと竹葉久美子さんの「陽炎のうた」もよかったですね。ちょっとホラーっぽい設定からのえっちな展開にドキドキさせられたりもするんだけど、設定が設定だけにふたりの関係性はとても感情に訴えかけてくるものがあって。ここから先に続いていかない、短編ならではの読後感を与えてくれる話ですね。

そこをいくと、同じ学生百合でも宮原都さんの「切れない距離」は、この先の展開が気になる話でしたね。設定的に三角関係ではあるようですし。なかなかにシリアスな展開になってくれそうというか。

あらた伊里さんの「ティアドロップス」は、学生百合になるんでしょうかね? 小学生って学生……? そんな疑問もわいてきますがそれはともかく。最近読んでる作者さんのほかの作品でも感じるキャラクターの勢いはこちらでもバンバン伝わってきて。この、女の子たちがにぎやかにわちゃわちゃしてる感じ、すごく好きなんですよね。ピアノの先生のツッコミとか、独特なノリがもう大好き。けれどなによりも、いちばん最初に出てきた年の差という伏線をきれいに回収してストレートに濃度の高い百合に落としこんでみせる展開がみごとすぎて。甘々疑似姉妹百合、とてもいい……。コメディとしても、百合としても、短編としても、とても好みな話ですね。

学生百合もいいですが、社会人百合もいいものではありまして。桐山はるかさんの「不器用たちに幸あれ」はそのなかでもいちばんの好み。すごい人だと思ってるんだけども叱られてばかりで苦手に感じていた主任が実は自分のことを評価して気にかけてくれていたということをプライベートな場で伝えてくれるのは、それだけでもうありがたい気持ちにさせてくれる展開ではありまして。ましてやそこで、自分にしか見せてないであろう親しみやすい一面を見せてくれるとなれば、これはもうギャップでドキドキが止まらなくなってしまおうというもの。こんなところを見せられたら、しばらく別の意味で同じ空間にいづらくなってしまいそうなんですが、神田さん、帰りの車で事故ってないといいですね……。主任の笑顔のかわいさにやられた。

川浪いずみさんの「帰ってきたクソ女」も好みな話で。この本のラインナップとしてはタイトルが強烈だけど、話はまっすぐな百合の話。警戒心を抱きながらも好きなものは好きだからどうしようもないという、そんな大人な関係がドキドキさせてくれることで。ふたりのやりとり、猫のくだりでは声に出して笑ってしまいました。そして、そんなこんなを含みながらも、短編の分量でこの話をきれいにまとめてくれるラストがとてもいい雰囲気なのでして。読後感もとてもいい。いい短編マンガだと思います。

その他、むっしゅさんの「ちゃんと見てって話」は高校生の女の子と大学生の女の子の年の差百合。年上のおねえさんを慕う高校生とそんな彼女につきあってあげるおねえさんという様子がどこか姉妹っぽさも感じさせていいものではありまして。くわえて、構ってほしいのにぞんざいにあしらわれたり、かと思えばちょっといじわるにからかってきたりする、そんなおねえさんの態度にずるいずるいと内心で怒ってみせたりする女の子の様子がたまらなくかわいく思える話なのでした。いいですよね、こういうの。

ずるいといえば、古鉢るかさんの「たゆたうくちびる」のラストも、態度としてはアレなんだけども、それを感じさせないずるい表情がなんだかちょっとかわいいかもと思えたり。

とりあえずはそんなところで。今回もいい一冊でした。百合好きな方はぜひぜひ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:30| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月09日

運命の相手がややこしい!

運命の相手がややこしい!【電子限定漫画付き】 (ラブコフレMコミックス) - 柚木ゆー
運命の相手がややこしい!【電子限定漫画付き】 (ラブコフレMコミックス) - 柚木ゆー

Twitterの広告で流れてきた(数か月前からなぜかRenta!の英語圏向け広告が流れてくるようになった)のを見て気になって購入。

これはとてもかわいい。片方が周期的に体の性別が入れ替わる体質ということで、男と女として互いに惹かれあっていくうちに男の体同士でもいい雰囲気になっていく様子はとてもいいもの。

というか、女体時のかわいさが印象づけられていくうちに男体時の言動もだんだんかわいく思えるようになってくるという。なんという巧妙な手口か。当初は女性の体で交流を深めていった影響で、気づけば男の体のときでも接するしぐさが女の子っぽくなってきてたりしてて、とてもかわいいこと。というかむしろえろい。女体時よりも男の体のときのほうがえろい気がするのはなんでなんでしょうかねえ。

終盤のほうではすっかり男女どちらの体でもいい感じの雰囲気になれていて、さすがの相性抜群ぶりですね。とてもお似合いのふたりではないでしょうか。描き下ろしの話とか、すごくお約束感のあるカレカノの雰囲気になっていてとてもほほ笑ましいことで。

ぜひ幸せになってほしい……というところだったんですけど、ラストで次の巻に続く展開。いや、1巻表記がなかったからすっかり一冊で完結するものと思ってました。まあその分このふたりの話をもっと楽しめるということでもありますので。次の巻も楽しみにしたいですね。


そういえば、女体化レーベル(男×女も男×男もある)って、ジャンル的にTLなんだろうか、BLなんだろうか。買った本屋ではTLコーナーにあったような記憶。個人的にもこの内容ならTLかという気がするけれど、TLだけを期待しているとびっくりしてしまうと思うので難しい。まあ帯を見れば女体化が強調されてるので不幸な事故は避けられるか? そもそもTLかBLかという枠組みが不適という話かもしれない。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:39| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月05日

ゆびさきと恋々(1)

ゆびさきと恋々(1) (KC デザート) - 森下 suu
ゆびさきと恋々(1) (KC デザート) - 森下 suu

すごくいい感じの雰囲気だった。

耳が聴こえない女の子がヒロインで、手話や口の動き、文字を通してのコミュニケーションが中心になってるからか、読んでて感じる雰囲気が静かなんですよね。音のない、静謐な世界で、その中でキャラクターたちの会話や動きが展開されていっているような。なんだか不思議な感覚。これがとてもいい感じで。

音がないから、どこか少しキャラクターたちのことを遠くに感じるような部分もあるんだけど、そのぶん、文字として伝わってくるコミュニケーションが存在感を強めに感じさせる。これが聴覚に障害のある人から見た世界、なのかはわかりませんが、こうした世界の感触は悪くない。というよりとても面白いものだと思います。

そしてなにより、静謐な世界だからこそ、ヒロインが抱き育んでいく恋する気持ちがとてもあざやかに響いてくるんですよ。まるでそこから世界に彩りが与えられていくかのような、鮮烈な感覚。そうした感覚を体験しているヒロインの姿もふくめて、とてもかわいらしい、恋の話ですね。

楽しみなシリーズになりそうです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:57| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月30日

世界でいちばんかわいい!

世界でいちばんかわいい! (BABYコミックス) - ふるや ちるこ
世界でいちばんかわいい! (BABYコミックス) - ふるや ちるこ

女装BLだー! しかも女装攻め! これはやばいかった。より男らしい受けが自分にだけ見せるかわいい顔に興奮して気分を高ぶらせる攻めのSっ気を感じさせる表情がたまらなかった。身長が同じくらいだから、体格差がある場合ほどではないけれどそれでも上になったときの迫力が結構なものなんですよね。女装姿そのものもめちゃくちゃ色気にあふれてて、そんな姿からの攻めっぷりなのでたいへんにやばい。そんな攻めをまっすぐに受け入れる受けも好感が持てて、それでいて攻めにとろかされちゃう表情はとてもいい受けっぷりであって。とてもかわいいふたりの話でありました。

本編とは別の読切の短編も、こちらはまた別ベクトルではありながら女装BL。かわいいを追求していく女装男子の姿が本当にかわいくて、その過程でのふたりの関係性も物語としてとてもいいもので。すごく応援したくなる関係のふたりでした。かわいい男の子たちの女装姿はとてもかわいい。そんなふたりのBLは最高にかわいい。そんな話。

とてもいい一冊であった。オススメしたい。どの方面に向けたらいいかわからないけど。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:22| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月16日

おっさん冒険者ケインの善行(3)

おっさん冒険者ケインの善行(3) (ガンガンコミックスUP!) - 風来山, 沖野 真歩, すーぱーぞんび
おっさん冒険者ケインの善行(3) (ガンガンコミックスUP!) - 風来山, 沖野 真歩, すーぱーぞんび

今回も主人公の面前よりも主に視界の外で主人公のことで盛り上がるヒロインたちのにぎやかさが楽しい話であった。特にアナ姫。主人公の目の前に立たずしてすっかり物語の駆動役を果たしてる感すらあるんだけどどういうことなの……。ラストの頼もしさはさすがだけど、事の発端は割とアナ姫なんだよなあ。全部知ってるパーティーのまとめ役マヤさんは頭が痛そうではある。最強系ポンコツキャラのかわいさですよな。いっそ見守る境地に移行してくると、ほほ笑ましい感じにながめていられるようになるかというところ。

まあ、当の本人にはヒロインたちの気持ちはまったく届いてもいないのがまたポイントなんですけど。年の差もあり、自分たちだけで盛り上がってるヒロインたちがほほ笑ましい印象になってくる、安定の人のいいおっさん主人公なのであったという。この安心安全感が読んでて安心感につながってるところはあると思う。ちょっとエッチなハプニングはありつつも全体的にほほ笑ましい印象は崩れないからすごいというか。ただ、今回の新ヒロイン、いかにも淫紋みたいなのが登場したのには、そこだけバランスおかしくなってる感があって、「どうして」ってなった。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:29| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月02日

旅する海とアトリエ(1)

旅する海とアトリエ (1) (まんがタイムKRコミックス)
旅する海とアトリエ (1) (まんがタイムKRコミックス)

何年か前に艦これの同人を読んでた作家さんによる商業作品。

女の子ふたりが現地案内役の(これまた)女の子ともどもポルトガル・スペイン・イタリアの3か国を旅してまわる話。

登場する女の子たちそれぞれに事情を抱えながらもそれを感じさせないコミカルな描写は健在で、にぎやかな旅の道中の様子が読んでいておもしろいことで。くわえて、そうしながら交流を深めていく女の子たちの様子がとてもかわいくていいもので。この巻における訪問先がちょうど個人的に興味のある地中海沿いの南欧地域ということもあり、旅先のグルメや観光地の紹介まで含めて、とても面白い一冊でした。次はウィーンとのことで、つづきも楽しみです。

ただ、肝心な旅の目的としては、初手がはずれたことですでにあてをなくしている感があり。ひたすら観光旅行としてはしゃぎまわってるけれど、先行き大丈夫なのかと周囲の人ともども心配にはなってくるところ。ゴール地点の予測がつかない。 
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 10:09| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする