2017年03月19日

新米姉妹のふたりごはん(2)

新米姉妹のふたりごはん2<新米姉妹のふたりごはん> (電撃コミックスNEXT) -
新米姉妹のふたりごはん2<新米姉妹のふたりごはん> (電撃コミックスNEXT) -

今回もあやりさんがとてもかわいい。それまで当たり前にしてきた料理だから、家族になったばかりの大事な姉さんにもしっかり作ってあげるのが当たり前で、当然のようにそう考えるあまりに自分からは何も姉さんのためになることができてないとしおれてしまう姿がとてもとてもかわいい。サチのように全身でうれしさを表したりはしない人ではあっても、ふだんは家でひとりで過ごしていたという背景もあって、なにかと頼ってくれたりすごいと褒めてくれたりする姉さんからはこれでもかというほどにうれしい気持ちをもらってるのが伝わってきてましたからね。そのお返しをする機会を見つけたなら、全力でそれを活かそうとするでしょうとも。そしてそれにもかかわらず不手際があれば、やっぱり自分はどうしようもない妹なんだとへこんでしまったりもしようというもの。この辺の、無自覚のうちに自分を卑下して、姉さんを前にすると肩に力が入った感じを思わせるのがかわいくあり。サチの方は天然でそれに気づいてない感じではあるんですが、そうでありながらもナチュラルに自分のために何かをしてくれるあやりに感謝の気持ちを伝えてなぐさめ励ますことのできる筋金入りのポジティブさが、話を暗くさせてくれなくていいんですよね。あやりさんが下手するとどんどん自己嫌悪のサイクルにはまってっちゃいそうなくらい深刻に考えすぎるところのある性格だけに、いい姉妹になってると思います。サチもサチで、ちょっとおバカなところもあるけれど、あやりといると、すごいすごいと彼女のことを褒めて、(主に料理面で)いろんなスキルを引き出してくれてるところがあるといいますか。それもあってか、LINE的なメッセージアプリでのあやりさんのサチ姉さんへの返信速度が速すぎてちょっと不安になったりするところもありますが、姉さんのことが好きなのがわかってとてもいいものです。ラストの、まっすぐに向けられるきらきらとした感謝や妹思いの気持ちによって感情がオーバーヒートしそうになってるあやりさんとか、本当にかわいかったですし。姉さんの前ではきりっとしてみせようとする姿とのギャップがたまりませんでした。

それと、サチに妹ができたことで微妙に話し相手を取られた形になってる絵梨の方も最後のところでなにやら面白そうな描写の挿話があり。この辺、どうなっていくのかも楽しみなところで。3巻も楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月09日

あの娘にキスと白百合を(2)

あの娘にキスと白百合を 2 (MFコミックス アライブシリーズ) -
あの娘にキスと白百合を 2 (MFコミックス アライブシリーズ) -

今回は受験と卒業あたりがテーマ。受験生の先輩と、そんな先輩と仲のいい1年生ふたりと、そこに途中からさらに後輩の女の子ひとりが加わる別れの季節の話。今回もよかったですね。恋愛感情がどこまで絡んでるのかは、はっきり描いてもらえないとわからない程度の読解力ゆえに微妙なところにも思えるのですが、できればずっといっしょにいたいと思う女の子同士の関係はやっぱりいいものだと思うのですよ。進学で離ればなれになってしまうことや報われない気持ちを抱くことに悩んだりしながら未来への道を進んでいく女の子たちを見ていると、素直に応援したいと思わされるのです。

今回いちばん印象的だったキャラはやっぱり伊澄ですね。夢を追う先輩を応援したいんだけど離ればなれにはなりたくないというジレンマを抱えて膠着しかけた関係を、自分の気持ちにストレートな行動で打ち破ってくれたパワフルな女の子で。ちょっとばかり考えるよりも先に体が動いちゃうところはありますが、こういうまっすぐなキャラは爽快感があって好きです。チャームポイントの八重歯もかわいい。彼女の行動はこの巻でちゃんと報われてますが、もっともっとと応援したくもなってきますね。

それと、前半で何度か見せた困り顔が印象に残っているのが先輩の真夜。進学先で悩んだり、応えられない気持ちに悩んだりと、仲のいい後輩たちとの関係で思い悩んで申し訳なさそうな顔をしてる姿ばかりが前半では印象に残る人で。だからこそ最終的に笑顔での送り出しを形作った伊澄の行動が光るところ。

幕間の小劇場でも変わりたい人、変わりたくない人、いろんな人がいたりと、様々な卒業の姿が描かれてたのが印象的な巻でした。

いつのまにやらもうキャラの学年がひとつ上がりそうな感じですが、次の巻はどうなっているのでしょうか。あとがきによると「白黒らへん」とのことですが、さて。その二人については、今回も黒沢さんが白峰さんのこと大好きで、白峰さんがペース崩されてるのが見れてよかったですということで。ともあれ次も楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

パレス・メイヂ(1)

パレス・メイヂ 1 (花とゆめコミックス) -
パレス・メイヂ 1 (花とゆめコミックス) -

まっすぐな性格と忠義の心から今上の女帝に可愛がられる少年侍従という、最高に素晴らしい話であった。御園といるときにだけ、いたずら好きな少女のような姿を見せたりなどとても気を許した様子を見せてくれるのがとてもいいんですよね。そして、この巻の最後の話の、慣例を破ってでも御園を贔屓して儀礼に参加した場面、いかにも寵臣という感じで最高でしたね。最高でした。まあその分、次以降で陛下の元婚約者である鹿王院宮との軋轢が強くなりそうでこわいんですが。でも、ちょくちょくはさまれるモノローグ的に、完全に二人の縁が切られてしまうことにはならなさそうで? そういう意味では安心して読める……んでしょうかね? ともあれ、楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

その指先でころがして

成年コミックです。R18商品です。いわゆるエロマンガです。ご注意ください。

その指先でころがして (二次元ドリームコミックス) -
その指先でころがして (二次元ドリームコミックス) -

表紙からもわかるように、基本的に男の子が女性から責められ焦らされ気の済むまで射精させられる展開。素晴らしい。男の子の方が自分から挿入したりすることもあるけど、主導権はどれも女性側が握るプレイ。発情した女性の快感を求める勢いに押し流され、男の子は怒涛のような快楽にただただもだえ苦しみ、情けなく射精させられるだけの玩具のようになる。一度ぐらいなら甘美な体験と思えても、飽くことのない女性側の嗜虐心や欲求によって、玉を揉みころがされたり亀頭を弄りまわされたり前立腺をぐりぐりと刺激されたり、否応なく何度も勃起させられて最後の一滴まで絞りつくされる快楽地獄が詰まった全9話(うち3話は連作)。どれも最高にエロくて素晴らしい話ばかりでした。

絵の方でも、与え続けられる快感に悶えたり情けなく射精を懇願する男の子を見てぞくぞくしてる女性たちの表情はたいへんいいものでした。猫系の獣人の女の子の、猫っぽくぴんと背筋はりつめたり、しっぽでも男の子をつかまえて放そうとしない様子とかもとてもよかったですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新米姉妹のふたりごはん(1)

新米姉妹のふたりごはん (1) (電撃コミックスNEXT) -
新米姉妹のふたりごはん (1) (電撃コミックスNEXT) -

感情がそのまま面に出るタイプのサチと、人見知りするタイプだけどそんな彼女を見て目を細めたりキラキラさせてるあやりという、とてもかわいい新米姉妹の料理マンガ。お姉ちゃんになったんだからとはりきっては空回りぎみになるサチも、初めてできた姉といっしょにあれこれできるのがうれしくてしかたない様子が不器用ながらもばんばん伝わってくるあやりさんも、とにかくかわいくてとてもグッド。特に、家で一人で過ごすことが多かったことあやりさんがいろいろ気遣ってくれるサチ姉さんにしっぽ振ってそうな感じに懐いてる様子がとてもいいものでした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:51| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月07日

あの娘にキスと白百合を(1)

あの娘にキスと白百合を 1<あの娘にキスと白百合を> (コミックアライブ) -
あの娘にキスと白百合を 1<あの娘にキスと白百合を> (コミックアライブ) -

いい。うん、いいね。この白峰さんと黒沢さんの関係。特に白峰さん側から見た感じ。それまでの自分のお株を奪うような何をやらせても一番な黒沢さんの登場に目の上のたんこぶが現れたようないらだちを隠せなくなっていって、でもどれだけ努力を重ねても追いつけない腹立ちが重なって本人に当たり散らしたら逆に気に入られてしまう出だし。嫌いな相手のはずなのに、なついたワンコみたいに無邪気な好意を寄せられると、心許せるわけではないんだけどペースを崩されてしかたがないという焦り具合がとてもかわいくて。たまに天才肌の黒沢さんにストレートに「2番」であることを突きつけられてぐさっときたりもしてますが、なんだかんだでほだされてきてる白峰さんはまあいい人ですよねということで。

それと、瑞希と萌の関係も。ときどき飛び出すクール系な萌による瑞希相手のナチュラルにひどいひと言に笑う。表に出るのは瑞希から萌への好意が中心ですけど、瑞希は自分を好きとはっきりわかってる上でからかってたり、なんだかんだで瑞希との関係を大切に思っていることが伝わってくる描き方をされていたりと、なかなか印象的なペアではあります。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:56| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月21日

エクレア あなたに響く百合アンソロジー

エクレア あなたに響く百合アンソロジー -
エクレア あなたに響く百合アンソロジー -

百合アンソロジーという響きが素晴らしく聞こえる今日この頃。

どの話も10ページから20ページ台くらいの短編で、あまり情感を感じさせる間もなく終わってしまう話もありますが、設定からだけでもそこはかとなく漂う百合の匂いに目を細めて楽しむことができる話ばかりでありました。

●缶乃「無職とJK」
これはとても続きを読みたい話。ストレートに慕ってくる女子高生相手に真央がいつまで子供に対する大人として接していられるかがとても気になる年の差百合。最後のモノローグにもあるように、転がりこんでしまえば大人としての面子的なもの以外はすべてうまいこと解決しそうな構図なので、いつ転ぶのか、どう転ぶのかと、想像を膨らませるだけでも楽しさがあります。

●伊咲ウタ「かみゆい」
話のテーマでもある髪の描き方がたいへん眼福ものでした。チカがいじってみたいと思うカオルのさらさらつやつやとした髪、そう思うチカ本人のかわいく編みこまれた髪、とてもよかったですね。実際にカオルの髪をまとめることになった場面での静謐さの中にただよう色気もやばくて。ほかの作品も気になる作者さんですね。

●伊藤ハチ「うさぎのベルとオオカミさん」
これはもうなによりベルちゃんがかわいいですね。ちっちゃいながらも喫茶店の店員として素直で一生懸命なところとか。笑顔の似合う頑張り屋さんですね。そんなうさぎ娘の隣に表情に乏しいオオカミのお姉さんを並べるビジュアルが、なにか、こう……いいものがありました。

そんなところで、百合として楽しめてるかどうかはよくわからないところありますが、たくさんの短編が収録されているので、少なくともいくつかはいいものが見つかりますねということで。今後読むマンガの参考になればと思うところです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月12日

やがて君になる(2)

やがて君になる (2) (電撃コミックスNEXT) -
やがて君になる (2) (電撃コミックスNEXT) -

そうなるかー……いやそうなりますねという2巻目。なにを言ってるかわからない感じだけど、実際難しい問題ではあります。

誰かを特別に思う気持ちがわからない主人公の小糸侑と、そんな彼女と同じく「好きって言われてドキドキしたことない」という生徒会長の七海燈子。似た者同士だと思っていたのに、燈子が侑への好意を抱いてしまったことから、半ば流されるように付き合いをはじめたのが侑だったわけで。基本的には二人の気持ちはかみ合わないんですよね。燈子のほうから一方的に好意を与えるばかりで。侑から返せる気持ちは心のどこを探してもなくて、せいぜい仲のよい先輩後輩関係としてのサポート程度。燈子のまぶしいほどの気持ちを見せつけられるほどに、自分も彼女のように誰かを好きになれるようになりたいと隠れて心を痛めてる侑とのすれ違いがなんとも切ないですよね。

……という一面もあったんですが、侑のほう、これ、正直もうかなり定義しづらい心理状態になってますよね。完璧な生徒会長だと思われている燈子の弱い一面を知ってるからこそ心配したり、彼女のことを好きになりたいという願いを抱いていたりと、広義の意味ではこれはもう燈子を好きになっているといってもいいのではないでしょうかという。槙くんから二人の関係を聞かれたときの態度なんて、自分のことよりも先輩のことのほうを大切に思う思考の表われのようで、それだけでいいものを見させていただきましたという気分にもなるんですよね。ただ、作中のその場面でも侑が言っているように、「普通」の範疇とも言ってしまえば言えてしまう。恋仲だと思えばそうともとれるし仲のよい先輩後輩だと言われればそうともとれるという、とても微妙な状態なんですよね。

「好き」って、どこからそう呼べる感情なんでしょう? たしかに侑には燈子ほどのきらきらした感情はうかがえないし、特別に思う人に対して心が高鳴るようなことも起きてはいない。けど、誰かを自分のこと以上に心配できるその気持ちは、まぎれもなく好意だと思うんですよ。そこに恋心が絡むか否かは別にしても。むしろこれは、恋や愛に対するタイプの違いなのかもしれないとも思うんですよ。燃えるような恋をする人もいれば、いっしょに過ごす時間がほかのだれよりも心地よくて、それがなにより大切だという人もいる。ドキドキする気持ちがそれを恋だと教えてくれることもあれば、「普通」の好意を積み上げたうえで気づけば総じて「普通」ではなくなっているということもある。いまの侑は、まだ燈子と特別な関係にあるというのは難しいかもしれないけど、いつかそこに届くのは可能だと思うんですよね。ラストの燈子のモノローグが不穏だったけど! めちゃくちゃ不安煽るモノローグだったけど! そこまで結構いい感じの将来予想ができてきてたのに、またすぐに不安にさせてくれることで。まったくもって、一筋縄ではいかない関係ですね。まあ前の巻の情報だけでも、燈子ってなんかしら過去に心の傷を抱えてそうではありましたが……。なかなかこじれることになりそうですね。

その関連で、ではないですが、今後にひと悶着ありそうなのが、侑と副会長の佐伯先輩の関係ですね。1巻でも、燈子が侑にご執心なのを面白くなさそうにしてるところありましたが、今回ひとつふたつ場面をはさむだけでさらっと二人の確執を描きだしててすごいなというかこわいなとも思ったり。とはいえ、侑が入学してくる前までの燈子と佐伯沙弥香の関係って、いまの燈子と侑の関係と似ているところがあるんですよね。ほかの人にはしないような相談を燈子がして、だれよりも燈子のことをよく知っていてと、まるでいまの侑が彼女の場所を奪ってしまったような感があって、それはたしかに面白くないだろうなというところ。とはいえ、侑とのいちばんの違いは燈子に対するスタンスですかね。彼女の場合は信頼と応援がうかがえる。それに対して侑は心配がとにかく先に立つ。この辺は、第一印象に由来するところなのかなと思いますが、なまじ燈子と接してきた年月の違いがあるだけに、結構深刻な対立になりえそうで、これもまた不安をかきたてるところですね。

さて、そんな問題も抱えつつ、生徒会の劇はどうなるのかとか、侑の気持ちはどんな変遷をたどっていくことになるかとか、いろいろ期待しつつ、3巻も楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

水玉ハニーボーイ(4)

水玉ハニーボーイ 4 (花とゆめコミックス) -
水玉ハニーボーイ 4 (花とゆめコミックス) -

仙石さんのイケメンパートが多くてうれしかった。無自覚に女性を落とすときの表情ほんといいですよね。とても自然体なかわいさがあって。そしてなにより16話での逆床ドンですよ。大ゴマでイケメンな仙石さんなんて見せられたらそれはもう悶絶ものですよ。藤君にいたっては当然ながら撃沈ですよね。いやもうこの巻はイケメン仙石さん押し的に素晴らしかったです。ラストでなぜか藤君のお風呂場面に乱入してしまってて台無し感はありますが……いや、平常運転ですかね。

藤君についても、姉の一華さんの登場が増えて、姉にしいたげられてる不憫な弟ぶりがわかってくるとこれがまた……いいですね。藤母もほとんど一コマだけなのにセリフのインパクトが強すぎて藤父……と同情を禁じえなくなってしまうのが。というか、藤君が女の子女の子してるのは記憶喪失の話の4コマにもあったようになるべくしてなったんだなーと納得させられてしまうのが。闇が深い。

乙女藤君派としても上記の仙石さんに赤面させられたり、七尾先輩回なお話し的に不安に駆られたりもする藤君もとてもかわいくて満足の巻でしたね。次の巻にも期待です。
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2016年11月19日

やがて君になる(1)

やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT) -
やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT) -

すっごくいい。めちゃくちゃよかった。全力でオススメするレベル。今年のナンバーワンはこれに決定……はさすがにいいすぎか。けどこれはまだ1巻読んだだけでもめちゃくちゃひきこまれる素晴らしい話。

ジャンルとしては百合。その中でもガチな恋愛路線の話らしい。詳しくない分野なのでジャンル内での位置づけはよくわかりませんが。けど、個人的にはこの話は百合としてよりも恋愛ものとしてのよさをこそ主張していきたいところ。

この話のポイントはなんといっても、主人公が恋にあこがれながらも恋愛感情とは無縁な女の子である点だと思うんですよ。恋をするということがどういうことなのか、物語の中で描かれる恋はいくつも見聞きしてきたのに、こういうものなんだろうなと想像することもできているのに、それが自分に訪れたことは一度もない、誰かのことが特別だという感覚がわからない。恋愛話に興じている友人たちの中でただひとり疎外感を感じてしまう。そんな女の子なんですよ。だから、恋愛路線といっても、1巻終了時点では恋人どうしにはなってないんですよね。先輩から主人公への一方通行にしかすぎなくて。でも、主人公は自分のことを特別に思ってくれて、ほかの人には見せない弱い一面も見せて甘えてくる先輩に対してきっぱりと拒否することもできず、葛藤を抱えながら接していくことになる。いいですよね。一方はきらきらとまぶしいくらいの好意を見せるのに対して、もう一方はつれない態度をとったり、それをうらやましくも思ったり。そんなちょっと非対称的な感じにはじまった二人の関係がですね、とてもいいと思うんですよ。

ただ、そんなどこか普通じゃない感じで二人の関係がはじまるのも、なし崩し的にしかたないところはあるわけで。お相手の先輩も、実は最初は主人公と同じで、誰かから「好きって言われてどきどきしたことない」という、恋愛感情とは縁のない人だったんですよね。だからこそ、主人公もこの人なら自分の気持ちをわかってくれると頼みにも思ったわけで。そんな先輩から突然きらきらとした好意を向けられたら、主人公ならずともどうしたらいいのか戸惑ってしまいますよ。自分と同じだと思っていた先輩が、自分の知らない特別な気持ちを知って、まぶしいくらいの恋愛感情に照らしだされたような表情をするようになる。それをねたましいくらいにまで思う主人公の心のうちの描写なんて、たまらなくよかったですね。くやしいくらいの気持ちが痛いほどに伝わってきて。あのシーンがこの巻のベストだと思います。自分を頼りにしてくれているんだと思えば、自分に力になれることがあるんだと思えばそれでも冷たい態度はとりにくそうですが、やっぱりいびつですよね。それがいい。

ラストに不穏なモノローグで終わってるのが気になりますが、二人の恋模様、これからいったいどうなってしまうのか。2巻もすぐさま読みたい所存。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする