2019年06月19日

JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記

JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記 (小学館ジュニア文庫)
JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記 (小学館ジュニア文庫)

JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記 | 小学館

自分のことをフツーの女子中学生だと思っていたら、実は某国のプリンセスだと発覚した女の子・オリヴィアの話。

この巻のお話としてはまさに序章といった感じ。自分の出自がわかって、本当の家族と対面して、彼らといっしょに暮らすことになって、以上終わり、みたいな。その間にちょっとした展開はあったものの、プリンセスな物語としてはまさにこれからというところ。つづきももう出ているので早いうちに読んでみたい。

そんななかでも、友人のニシとのやりとりはよかったですね。プリンセスフリークで、なりたてほやほやのオリヴィアよりはプリンセスなるものに詳しくてあれこれ教えてくれるお友だち。オリヴィアの出自がわかってからも、それまでの親しさはそのままに、身近に本物のプリンセスがいたなんてと、興味津々でメッセのやりとりで盛り上がってる様子がとてもかわいらしいこと。

あとは豊かな暮らしはさせてもらえてなかったオリヴィアが、プリンセスな生活の一端に触れて、そのセレブぶりというかリッチぶりへの驚きをニシと共有してる様子もなかなかいいもので。

そういえば、この作品、調べてみたら、オリヴィアの実の姉にあたるプリンセス・ミアの物語も存在していて、そちらも邦訳されているとか(やや古めの作品なので手に入れるのは難しいかもだけど)。次回の話はそのミアの結婚式ということで、ということはもしかして、この作品はそちらのシリーズの実質的な続編にあたるんだろうかと思えたり。気安く胸のうちを明かすことのできない立場のヒロインの記す日記によって物語がつづられていくという形式も同様っぽいですし。

前後の展開がどちらも気になるシリーズですね。楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:44| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

裏世界ピクニック(2)果ての浜辺のリゾートナイト

裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト (ハヤカワ文庫JA)
裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト (ハヤカワ文庫JA)

空魚と鳥子が完全に飲んだくれになっておる……。酔っ払って飲み屋はしごしつつ小桜さんに飯テロ連投とか大迷惑すぎるんですけど。しかもあげくの果てにはどこで使うのかわからない機械をカードでぽんとお買い上げして送りつけちゃったりとか、こんな女子大生いやすぎる……。いやまあ農機に関してはこの巻のうちになぜか使い道があったんですけど。なぜか。

でも、やっぱりこのふたりの雰囲気ってすごくいいんですよね。鳥子がノリで料理を頼みまくって、こんなに食べられるのかと文句を垂れつつもがんばって消化に回る空魚とか、それをながめて機嫌よさげにニコニコしてる鳥子とか、冴月の話になるとムキになって話題を終了させにかかる空魚とか、どこを取ってもすごく百合な雰囲気ただよわせてるんですよね。

基本的にはノリ優先の鳥子をしっかり者の空魚が手綱とりつつ行動してる……ようでありながら、それは視点人物である空魚の認識にすぎなくて、空魚もたいがいあちこち抜けてるのを、気づかないうちにサポートされててしょうがないやつだなあみたいに思われてるのがとてもよいものであるのでして。

そして空魚ちゃん、いつもはねくらなオタクっぽい女の子なのに、キレたらテンション上がっちゃうタイプなのがとてもかわいい。怪異相手にも逆上してみせたりとか、普段はおとなしいわりにキレたらなにするかわからないこわさがあるというか、鳥子に対する気持ちも年齢のわりには幼い執着的なところがあったりして、なんというか病みの素養を感じさせる子ではありますよね。かわいいかわいい。

鳥子のほうは基本的に冴月が中心ではあるものの、その一方でそんな空魚ちゃんのめんどくささをしょうがないなあしてる感じがでてきたりもしてて。このふたりの関係がどうなっていくのか、とても気になるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:20| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月08日

十三歳の誕生日、皇后になりました。

十三歳の誕生日、皇后になりました。 (ビーズログ文庫)
十三歳の誕生日、皇后になりました。 (ビーズログ文庫)

十三歳の誕生日、皇后になりました。 | 書籍 | ビーズログ文庫

シリーズ本編ともいえる『茉莉花官吏伝』のほうは未読。とはいえこちらはこちらで独立した話なので問題なく楽しめました。

十三歳の誕生日、莉杏は皇帝に後宮入りを願い出にきたはずが、現れたのは皇位を乗っ取ったばかりの皇子・暁月という男で、という話。

わけもわからないうちに皇后として簒奪の共犯者のようにされてしまった流れを思えば、いかにも暁月が悪人のようなんだけど、莉杏の
目を通してみると、露悪的ではあるものの悪人には映らないんですよね。それどころか、理解者に乏しいなかで誰よりも真剣に国の行く末を案じている人物ではあるようで。究極の悪行である簒奪も、そこに起因するものであるらしい。

らしいというのは、この話の主人公である莉杏がまだ十三歳になったばかりの少女であることもあって、そこまで権力闘争の深層を理解してはいない語り口になっているからであって。暁月をはじめとした周囲もあえて子どもにそんな汚い世界を見せないようにしてる部分もあるんでしょうけど。

それに象徴されるように、莉杏の長所は利口さではない。むしろ彼女の美点は、先入観を抱けるほどの知識もないことからくる素直さであって。皇后の夜の務めは文字通りにいっしょに寝ることであるなんていわれて、気合い十分で湯たんぽ代わりにされてる様子なんて、悪意からどこまでも距離を置いていさせたくなるほどの無邪気さの塊ぶりであることでしょう。あちこちに確執が渦巻いているらしい暁月の周りにおいて、莉杏がどれほど人の善意を思い出させてくれる存在であることか。

それに加えて、莉杏の美点は一心な健気さにもありまして。暁月って、露悪家だし、出会いは一方的に巻き込まれるような流れではあったけど、根っからの悪人ではないんですよね。それどころか、自分の都合で巻き込んだ莉杏のことを誰よりも気にかけている。莉杏のほうでもそんな彼の性質に気づけているからこそ、ほかでもない彼の皇后として、立派な女性になりたいという思いも抱けてくる。いい関係ですよね。

そんな莉杏が立派な皇后になるべくいくつかのステップが歩まれていくのがこの話だったともいえるでしょうか。章題が一問目、二問目となっているのに象徴されるように、この本の内容は莉杏が直面したいくつかの事件に答えを出していく話の流れ。出題者は暁月で、莉杏の側は考える役。結構重大な事件も起きるし、そもそも暁月としても莉杏が答えを出せるとは期待していない。子どもを寝かしつけるためのたわいもないやり取りのつもりだったはずなんだけど、莉杏ははりきって調査をして、先入観のなさから鋭い視点で答えに迫っていく。それと同時に、暁月を取り巻く周囲の情勢もだんだんとわかってきて、もっと立派になりたいという思いが強まっていく。暁月のほうでも、意外な活躍を見せる莉杏をだんだんと自分が巻き込んだ被害者としてではなく、隣にいる者として誇らしく思う気持ちが芽生えてくる。本当にいい関係ですよね。

特に最後のやりとりはすごく素敵で、ぜひともそうなったふたりの姿を見てみたいなあと思わされずにはいられませんでした。その過程も含めて、もっともっとふたりが互いにどんな成長を見せてくれるのか、見てみたくなるふたりではありますね。

そんな期待に応えるわけではないですけど、あとがきによると、このふたり、本編の二巻以降に登場しているようで。しかも、時系列的にはこの本の後のふたりであるようで。これはもう読まないわけにはいかないでしょう。そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:34| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月06日

傭兵王の不器用な執着 買われた王女は愛を知る

傭兵王の不器用な執着: 買われた王女は愛を知る (ティアラ文庫)
傭兵王の不器用な執着: 買われた王女は愛を知る (ティアラ文庫)

傭兵王の不器用な執着 買われた王女は愛を知る |ティアラ文庫

傭兵から成り上がり、王を弑して簒奪を果たした隣国の傭兵王イザークと、叔父王に冷遇され従妹の身代わりのようにして彼のもとに嫁ぐことになった王女オリアーナの話。

叔父王に疎ましがられながらも、なかば閉じこめられていた神殿では聖女として、差し出された嫁ぎ先では王族出身の王妃として、期待される役割を果たそうとつとめるヒロインの姿が好印象な話でした。

叔父王の浪費によって乏しくなった国庫の援助の対価として、まさに差し出されるようにして嫁がされたことからはじまった関係。一方のイザークとしても、成り上がりの傭兵王から隣国の伝統ある王国から王女の嫁ぎ先として認められるほどの地位になったことを対外的にアピールすることを目的とした婚姻であり、結婚したという事実以外に求めるものはなかったはずなんですよね。当初のふたりの関係としては。

けれどそんなふたりの関係をさらに広げていくことにつながったのは、ひとつには、報われずとも王女としてのつとめを果たそうとするオリアーナの王女としての責任感によるものであり、またそうした彼女だからこそ、自然と周囲の人たち(イザークも含む)を味方に変えてしまう、助けてあげたいと思わせる魅力があったのであり。

資金援助の対価として嫁いだ先で、愛し合える人に出会い、王族として・王妃として、自分らしく活躍できる場を見いだし、望まれる居場所が作りだされていく。やさしい物語ですね。

その一方で、この作品はティーンズラブ小説なのであって。そういう場面ももちろんあるんですが、これがまたいいものだったのでして。

ヒロインのオリアーナ。責任感のあるまじめな聖女として育っただけあって、そちら方面の知識は基本的に乏しいんですね。自身の裸を見られることには羞恥を覚えるけれど、行為そのものについてはよく知らないものだから、快感を表すことにはとても正直だったり、いやらしめな行為もそれが普通だと言われれば疑わしく思いつつもしっかりやってしまったり。無知ゆえのアンバランスさがいやらしさを引き立てていてよいものでありました。まあ後々そのしっぺ返しをくらうことにもなってましたがそれはご愛嬌。

そしてお相手のイザークのほうも、そんなヒロインの素質を引き出すことが目的であるかのように、いじわるなことをしばしばしてくるんですよね。初夜から快楽にあえぐヒロインの姿を指摘する様子は言葉責めのようで、側妃を作られるのが嫌なら自身の体で俺を満足させてみせろとあおっていやらしく振る舞わせる様子は羞恥責めのようで。まあ半分くらいはイザークのほうも楽しんでた感はありますが、結果的にとてもいやらしい場面になっていていいものでした。

個人的には特に、ようやく打ち解けてこれたかという段階で、まだすっかり気を許しきれているわけではないだろう状態で、それでも気をやってしまいそうなほどの快楽であえがされながらもなんとか踏みとどまっているときに、望んでも叶えられずにいた王妃としての大役を与えると告げられた瞬間がお気に入りですね。快楽に流される一歩手前で必死に意識を保っているときに、その隙を突くようなうれしい知らせを死角から与えるひと言。そんなことされたら、うれしさでふっと気がゆるんで、そのまま洪水のような快感に足をすべらされて、わけもわからないほどの幸福感に包まれたまま意識失ってしまおうというもの。とても素晴らしい場面でした。合掌。

ともあれ、ティーンズラブ小説として、えろとストーリーが互いを引き立て合いながら、どちらもともに楽しませてくれる、政略結婚ロマンスでした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:42| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月26日

予言の経済学(2)巫女姫と転生商人の異世界ギルド代表選対策

予言の経済学 2 巫女姫と転生商人の異世界ギルド代表選対策 (レジェンドノベルス)
予言の経済学 2 巫女姫と転生商人の異世界ギルド代表選対策 (レジェンドノベルス)

レジェンドノベルス|シリーズ別一覧|予言の経済学

事業への株式システムの導入までならまだしも、イノベーター理論(アーリーアダプターとかアーリーマジョリティーといった感じの考え方)による需要の流れの予測とかになると、経済学というよりも経営学の領域に入ってきてないですかねという。いやまあ大きなくくりでは経済学といえるんだろうけど。

ともあれ、今回は特に転生商人大活躍な話であった。ほかの人のコメントで見かけたんですが、今回もミステリー的な構造で。サブタイトルにもなっているギルド代表選に絡んで不穏な動きがすこしずつ伝わってくるなかで、主人公の打った布石の効果が形となり、最後に結末とともにその深層が明かされる。そうした感じの流れが今回も読み味として楽しませてくれる話でした。巫女姫の見せ場があまりなかったのがややさびしいところではありますが、そのぶん幼なじみの商人娘さんがあれこれ立ち回ってた印象なのでこれはこれで?

それにしても、学園の中からはじまった地方出自の商人の話が、1巻では王国西部公爵領域に広がったかと思えば、この巻では全王国規模への広がりを見せ、次回はさらに帝国にまで広がっていきそうな気配もあり。膨らむスケール感にわくわくさせられます。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:21| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月24日

弱キャラ友崎くん(2)

弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)
弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)

小学館::ガガガ文庫:既刊情報

対戦ゲームのNo.1とその挑戦者という間柄からはじまった日南さんとの関係が、生徒会の選挙では立場を逆転して勝ち負けを競い合う。それぞれの持てるすべてを駆使して勝ちにこだわるふたりの姿勢がおもしろかった。そして結果が出た後にも、とにかく楽しい試合だったみたいなふたりの表情が清々しくてすごくよかった。やっぱりこのふたりの関係、いい感じですよね。まあ約一名、重傷者を出してしまった感はあるけれど。

ともあれ、勝負を通じてお互いわかりあってる感じのある友崎くんと日南さんだけど、わかってきたこととして、ゲームに対するスタンスにはやや違いがあるっぽい。日南さんは、作中でもいわれているように、正攻法をひたすら量をこなすことで総合力をつけてどんな壁も正面突破してみせる正統派。求めるのはその先にある勝利のみでありながら、その努力量は常人からしてみれば恐れ入るばかりであって。それが彼女のかっこよさの源泉になっているんですよね。

一方の友崎くんは、今回の戦い方が特にそうだったんだけど、正攻法よりも彼我の長所と短所を分析して、今のリソースで可能なベストな攻略法を追求していく感じ。対策型の戦略ではあるけれど、彼我の距離を冷静に見据えてその間を一歩ずつ縮めていくことに意義を見いだすタイプのゲーマー、だろうか。

彼我の間にあまりにも距離がある場合、いきなり勝利ばかりを求めてしまうと今回の七海さんのようにダウンしちゃう危険性が高そうなんだけど、その日できる少しずつの成長を積み重ねた末に達成を目指す方向性のほうが現実的に思える。まあでも今回はとにかく相手が悪かったとしか。というか、日南さんはそのスタイルでどこを目指してるのかという。本当にとんでもない人ではある。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:53| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月11日

月夜に誘う恋の罠

月夜に誘う恋の罠 (エタニティ文庫)
月夜に誘う恋の罠 (エタニティ文庫)

月夜に誘う恋の罠(文庫本) : 月城うさぎ | エタニティブックス〜大人のための恋愛小説レーベル〜

これはある種の主従ものっぽかったというか。ハイスペックなお嬢様ヒロインによって、年上の男が翻弄される感じの流れがとてもよかったです。

しかしその発端が、結婚はしたくないヒロインが、それでも子どもはほしくなったことによるものだから、なんともエロティックな展開になるもので。男なんていらないと思うにいたった経緯は同情できるものだし、周囲の友人たちの結婚・出産に感化されて子どもへの欲求が芽生えるのも理解はできるけど、だからっていくらなんでも、関係を迫るお相手の男に対して、お金は払ってもいいけど籍は入れたくないというのは……それなんてエロゲ(死語)最高でした。ハイ。

さすがに恋心を自覚して以降はヒロインのほうがドキドキさせられる側に回ることも多くなってきますが、番外編を見ててもやっぱりお相手の男は基本的にヒロインに頭が上がらない感じの関係性なのが見て取れて、とてもいい話ではありました。そうなんですよ。ティーンズラブでこういう話を探してたんですよという、女主男従の理想像に、これまで読んだ中でもっとも近い話だったと思います(ティーンズラブ小説では)。ぴんときた男性諸氏にはぜひにと勧めてみます。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:53| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月07日

やがて君になる 佐伯沙弥香について

やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)
やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

やがて君になる 佐伯沙弥香について | やがて君になる | 書籍情報 | 電撃文庫公式サイト

マンガ『やがて君になる』のノベライズ作品であり、本編のメインカップルの一方である燈子先輩に想いを寄せる佐伯沙弥香を主人公にした物語。

あとがきでも書かれているように、時系列的には本編の前。主に、3,4巻でちらっと描かれた、彼女の先輩との話が描かれる話でした。「こういう私にしたのは、あなたのくせに」というのは、本編でも登場した印象的なセリフではありましたが、そこに至るまでにそういう出来事があったのねという話。セリフの時点で想像できていたように、あまり幸せな結末にはならない話ではありましたが、それが本編での佐伯沙弥香というキャラクターを形成しているのだと知れるのは、キャラに対する愛着が深まる貴重なエピソードであり。

そして、そうしたエピソードを読んだ後にまたあらためて「こういう私にしたのは、あなたのくせに」というセリフと向き合うと、言葉の通りの意味でもあるんだけど、そうでない意味でもあるんだなという気づきがあって味わい深さを感じられるところであり。まあつまり、彼女の中ではそういう認識になっているということなんでしょうけど、それも含めてとても佐伯沙弥香らしいなあと思わせてくれるセリフですよね。

なんというか、報われない巡り合わせのままならなさを思わされる、そんな感じの百合小説。いい話でした……と思ったら、さらにこの話の続編も数日後に出るようで。そちらも楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:47| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月20日

オレ様御曹司の溺愛宣言

オレ様御曹司の溺愛宣言 (エタニティブックスRouge)
オレ様御曹司の溺愛宣言 (エタニティブックスRouge)

オレ様御曹司の溺愛宣言 : 冬野まゆ | エタニティブックス〜大人のための恋愛小説レーベル〜

人間関係が不得意で仕事に生きてきた営業職のヒロインが、その仕事の腕を認められるとともに、仕事を通して本人でさえも自覚できていなかった人づきあいにおける美点を見出だされて恋愛に前向きになっていく展開がとてもやさしい雰囲気のラブストーリーであった。

人づきあいの苦手さは身に染みているヒロインなので、ハイスペックなお相手に恋愛対象として興味を持たれても、なんで自分なんかにと疑問に思ってしまうし、なにかの冗談ではとも思ってしまう。けれどそれは、相手と恋愛関係になるということについてほとんど考慮すらしていないということであって。それをくりかえし、冗談ではなく本気であるという気持ちを伝えられることで、人づきあいが苦手だとか、釣り合わないとか、そういうったことを抜きにして、お相手のことをどう思っているのか、恋愛関係になりたいと思えるほどの好意を抱いているのかという自分の気持ちと向き合うことになる。うまいですよね。この辺は、仕事だけでなく恋でもハイスペックさを感じさせるヒーローの魅力であって。いくら真剣に自分の気持ちと向き合っても、人間関係の不器用さはすぐには変えられないヒロインなんだけど、その不器用なところも含めて愛してくれるのであって。この人の言うことなら信じられると思える人に支えられて、ぴりぴりと肩肘張ったような雰囲気だったのも自然とやわらいでいくほどの愛情に包まれる。とても幸せな気分にさせてくれるやさしさですよね。

そして、そんなふたりをつなぐきっかけとなったのは、人づきあいの苦手意識からかなりひとすじに打ち込んでいた仕事であって。仕事のペースの合う者同士として、仕事ぶりはなによりその人を知れるツールであって。表面的な部分に隠れたヒロインらしさを見出したのが仕事からなら、自分自身と向き合いそうしたヒロインらしさを自分のものとしていくことにヒーローがうれしさを現わしたり周囲への警戒感を高めたりするのも仕事がらみのことであって。仕事上の関係からはじまって、公私ともに支えあうようにして歩調を合わせていくカップルの話。とても素敵な作品でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 00:52| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月08日

不本意ですが、竜騎士団が過保護です

不本意ですが、竜騎士団が過保護です (ビーズログ文庫)
不本意ですが、竜騎士団が過保護です (ビーズログ文庫)

妹バカのシスコン王女ヒロインだと思ってたら、妹のほうもお姉様大好きな似たもの姉妹だった。いいですよこれ。

かたや妹第一主義をこじらせすぎて結婚のあてのない姉王女・リオノーラ、かたやそんな姉より先に結婚が決まって隣国に旅立っていった妹王女・シャーロット。序章から第一章の冒頭まで、シスコンぶりを発揮しまくって手遅れ感を覚えさせてくれるリオノーラを見ていれば、妹のほうはまともな王女なのかと思いきや、登場するやいなやそんなことはなかったと知らされるからもう笑うしかない。この姉妹大丈夫かな。お母上はさぞ頭痛めてそうな……いや、でも、ふたりまとめて送り出したようなものだし、これはうまいこと難題を片付けた形か。そう考えるとなかなかにキレ者なお母様ではなかろうか。

それはともかく、ヒロイン姉妹のキャラがかなり立っているので、ともすればコメディな話かと思ってしまいそうにもなりますけど、実のところはタイトル的にもラブコメな話でしたね。特に団長さんが、リオノーラの隠していた素性を知ってしまったことやほかにも理由があったりして、竜騎士団の紅一点なヒロインにとにかく過保護。それを逐一把握してる様子の妹王女が姉を取られることを心配してやきもきするのもわかる特別扱いぶり。いいぞ、もっとやれ。

けれど一方のリオノーラはそんな心配をよそにおもしろいくらいの恋知らずで。感情をしらないどころか恋のいろはもよく知らなさそうなレベルの純粋さを見せてくれるものだから、心配してる妹のほうがまるで過保護に思えてくるという。どちらがお姉さんなのかわからなくなってきそうな構図ですが、いいですよね。こういうの。

とはいえ妹王女の心配もあながち的外れではないのであって。ラブコメのラブの部分も芽生えかけている兆しはあり。姉妹の関係性ともども、今後の進展が楽しみになってくるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:56| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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