2017年12月11日

理想のヒモ生活(9)

理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -
理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -

やった! 派閥の対立だー!

というわけで、前回の途中からはじまった双王国編(公式の名称ではないですけど)。第二子を妊娠した女王アウラのために、治癒の血統魔法を持つ双王国のひとつ、ジルベール法王家による援助の約束をとりつけるべく、その地を訪れた善治郎。本人としてはそれだけが目的なのに、つけられた案内役はあざとさに全振りして寵を狙う女の子だったりして、側室問題的にまたなにか起こりそうな気配がしている感じの出だしだった記憶。

今回の話でも、そんな予感にたがわず、というかカラー口絵でわかるとおり、双王国滞在中に何人もの見目麗しい女性とお近づきになったりして、あいかわらずアウラひと筋な本人の希望に反してはなやかな周囲ではありましたね。

でも、今回の話でみどころだったのは、なんといっても双王国内部に存在する二つの対立関係だったでしょう。一つめは、大貴族間の勢力均衡に関するもの。二つめは、王位継承に関するもの。そのどちらもが双王国成立の歴史的な経緯から生じてきた問題で、唯一絶対の解決策どころかベターな解決策すらも一朝一夕には判断できない難しい問題であり。自分たち夫婦のために双王国に訪れたところ、だしぬけにこれらの問題に巻き込まれることになったからたまらないというのが今回の筋だったでしょうか。

ひとつ選択を間違えれば国家規模、もしかすればそれ以上に影響が出かねない問題だけに、事情を知れば知るほど頭を抱えたくなってくるんですけど、それがすごくたまらないんですよね。あるキャラクターは一族のこういう信念に沿って行動している、一方のあるキャラクターはそれが国のためにならないからと信じているからこそその足を引っ張ろうとする。ややもすればドロドロな印象を受けてしまいがちな派閥の対立を、それぞれの言動の背景にある、その信ずるところを中心に描くことで、未来を見すえた信念の対決として描く描写がみごとでした。各キャラクターの思惑をていねいに描きながら事態の推移を追っていく物語のスタイルもそれに寄与していたでしょうか。たいへん面白かったです。

その一方で、王族として生まれ育った女王アウラと、つい先年嫁いできたばかりの現代日本で生まれ育った元庶民である善治郎との思考の差異が表出したのも今回のポイント。他国の問題に自分たちやその子どもが巻き込まれることになって、そのうえでなお冷静に問題を天秤にかけることを、それが当たり前の空気の中で育った人間以外に期待するのは難しい。けれどアウラの王配として生きていくにはそれが必要とされることを突きつけてきたのが今回のできごとでもあって。今回の善治郎の機転による判断それ自体はみごとで、読んでいて達成感もあったのですが、冷静にそう指摘されるとまた頭抱えたくなってしまうものがありますよね。これが後々どんな影響をもたらすことになっていくのか。考えているだけで楽しいですね。

今回でひと山は越えましたが、用件的に双王国での話はまだつづくことになるのであり、さて次にどんな展開が待っているかというところ。とても楽しみなシリーズなので、すぐにもつづきが読みたいところですが、とうとう書籍版の最新刊に追いついてしまったようで。今月末発売予定の10巻が待ち遠しいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:57| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月20日

霊感少女は箱の中(2)

霊感少女は箱の中2 (電撃文庫) -
霊感少女は箱の中2 (電撃文庫) -

今回は死人は出ませんでしたね。よかった、よかっ……た……? いやいやいやいや、全然よくないですから! むしろ死人が出てないぶん、被害にあった人たちの一部に精神的身体的な傷痕がもろに残りまくりで悲惨さがまして感じられるじゃないですかあ! 生きていればこそあとで幸せになれるかもしれないとはいえ、後遺症の残る体で生きる厳しさはどれほどのものか。こわいわー。これはこわいわー。

そしてこわいといえば、今回の事件においては主役となる二人というか三人というか。この女の子たちも、内気で心霊に興味を持つような影を感じさせながらも、大切な友達に起きた不審な変化に不安を隠せず行動に移すところは仲のよさを感じさせてくれるものがあり。なかなかいい感じのキャラクターおよび関係性でと思っていたところ、これもラストが、いい話かなー?という。人間関係ってムズカシイネ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:18| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

ゲーマーズ!(2)天道花憐と不意打ちハッピーエンド

ゲーマーズ!2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫) -
ゲーマーズ!2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫) -
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最後の最後で全部持ってかれた感。急展開すぎてどうしてそうなったって思うんだけど、よくよく考えてみたら収まるべきところに収まった感があってこれでいいんだよという気もして、でもやっぱりいろいろすっ飛ばしすぎてて予想外にもほどがあるでしょという展開で、なんだかもういろんな感情がまぜこぜになってその場のギャラリーともども「ええええええええええ!?」という反応しか出てこないという驚きのラスト。

いや、あれはホント、どうなんでしょうね? ふたりの関係としては巻タイトル通りの展開で、一歩前進どころかアクセル踏みきって突き抜けてったレベルなんだけど、でも当人たちにとっては意図せぬ事故的ななりゆきなので正直なところ一歩も進んだ気がしてないのではないか。次の巻ではいったいどうなっちゃってるんでしょうね。そのふたりと並行して別のカプも面白いくらいにずぶずぶ誤解の泥沼にはまりこんでってるペアもあり、もろもろ気になるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:02| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月25日

りゅうおうのおしごと!(2)

りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) -
りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) -
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負けることは自分の弱さを突きつけられること。明らかに格上と思っている相手ならば、負けてもしかたないと思うことはできる。けれど実力や年齢などの面で同格や格下と思っていた相手に負けることには言い訳のきかない苦さがある。相手が思っていたより強かった。それもあるかもしれない。でもそれ以上に、自分が弱かったという事実に直面させられる。実力がすべての勝負の世界で、彼我の優劣をはっきりと突きつけられる。これほど残酷な事実はない。しかも敗因に自身の未熟を明確に見てとれてしまえたら。これほど悔しいことはない。悔しくて、情けなくて、涙がこみ上げてきてしまう。

負けるということについて、勝負事の世界に生きる人の心情が真正面から描かれてたでしょうか。主人公の八一からしてみれば、弟子であるあいは究極的には他人ではあるんですけど、行く末楽しみな才能を秘めた弟子ということもあって、本当の家族のように、目に入れても痛くないくらいにべったり可愛がってた弟子の負ける姿というのは、自分のことのように悔しくなってくるものがあって。よくがんばった、惜しかったと、なぐさめてあげたい気持ちにもさせられる。

でも、作中の人物は誰もなぐさめの言葉なんかかけたりしない。あいが弱かったのだと、未熟だったのだと、その事実に正面から向き合わせる。それは目指すべきプロの棋士の世界が勝ち負けがすべての世界だから。負けて、負けて、何度も負けて、それでもめげずに強くなっていけた者だけが上にいける世界だから。そういう意味で、この作品の世界には厳しさがある。

けれど、そんな一時の気休めを、あい自身が望んでいなかった。負けて悔しい。自分の未熟さが悔しい。だから、もっと強くなりたい。自分には何が足りないのかを知りたい。彼女には、ただただ将棋に対する情熱があった。敗北をばねにして立ち上がる強さがあった。

だからこそ、期待してしまうんですよね。愛衣というライバルを得た彼女が、この先どこまでの飛躍を見せてくれるのか。また、あい以上に八一との縁の深い愛衣が、あいとは対照的な棋風の愛衣が持つ可能性についても。

才能ある弟子というのはやはり見ていて期待の膨らむものですね。いやあ白熱した名勝負を見せてもらいました。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:20| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

理想のヒモ生活(7)

理想のヒモ生活 7 (ヒーロー文庫) -
理想のヒモ生活 7 (ヒーロー文庫) -

面白い。面白いなあ。このシリーズは善治郎がアウラと離れた場所にいるときほど面白く感じられる。それはひとえに善治郎がアウラを女王として立て、自分は王配として一歩下がった立場であろうとするがゆえ。アウラにとっての国のかじ取りにもっとも好ましく、もっともさしつかえのない行動を選ぶことを旨としているため。王宮では密にやり取りをしながら自分の行動を決めていくことができるものの、ひとたび遠く離れた土地に来てしまえば、現代ほど通信技術の発達していない世界のこと、たとえ緊急事態が発生しても連絡を取りあおうとすればそれこそ日単位での時間がかかってしまう。だからこそ、その場で頭を働かせることが求められる。まだ熟知しているとはいいがたいこの世界の情勢や貴族間の関係の知識を動員し、状況をできるかぎり正確に整理し、アウラがもっとも望むであろう方針(それができないならばもっとも面倒を起こさない方針)を推測し、その方向に事態が推移していくように対処する。そのために頭をフル回転させてなにが最善なのか、それがわからずともとにかくより悪い方向に事態が転がっていかないための策をと考えていく。まるでその場にいないアウラとの駆け引きをしているかのような流れを、様々な人たちの思惑をていねいに追いながら描いてくれるのがとても面白くって。

これが善治郎が最初から王族として主体的に動いている人物なら話は早いんですよ。その場で考えて、それに基づいて行動して。なにはともあれ自分を中心にして対処することができる。けれど、善治郎にとっての行動規範はどこまでも女王アウラの利益のためにというところから発しているのであって。王配としての影響力を発揮することになる場面ではどうしてもそのことに思いをいたさざるをえない。そのうえ困ったときの相談相手も筆頭はアウラでそれ以外はいないといってもいいようなものであって。そんなわけだから、考えられるかぎり考えたうえでいちばんいいと思える方針を選ぶことにしても、本当にこれでいいのかという不安がつきまとう。ましてまだこの世界での外交というか社交というかには経験不足な善治郎が、どの程度その方針通りに事態を転がしていけるかもわからない。想定通りに物事を運ばせることができたところで、どこかにしこりが残るかもしれない。そんな何重もの不安を抱えながらの不測の事件への対処。ハラハラさせられる展開と一件落着の安堵感がいいものでしたね。さすがに百戦錬磨のプジョル将軍を思い通りに動かすことまではできませんでしたが、そんな我の強い将軍に対して角が立たないように手綱を取ってみせた、新婚のルシンダさんは注目に値しますね。あまり自分を前面に出さないようにしているようでしたが、前評判通りの賢女なようで。彼女が内助の功を発揮すればプジョル将軍からもそのうち角が取れていくんだろうかと思ったり。ただまあどちらも頭の回る人なので、タッグを組んで相手に回られると善治郎とアウラとしてはとても困らされることにもなりそうな。とはいえそれはもう少し先の話でしょうか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:28| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

キングキラー・クロニクル(1)風の名前(4)

風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT) -
風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT) -

ああ、クォートとデナってわりと似たタイプなんだなあ。後ろ盾のないところから、自身の才覚と魅力を頼りにはい上がる糸口をつかんでいこうとしているところ。気を緩めれば路頭に迷い二度と浮かび上がれない暗闇に落ちていってしまいそうなぎりぎりのところになんとかぶら下がっているところ。いまのところクォートのほうが差し迫っている感はあるものの、お互いにあまり失敗していられる猶予はなく、かといって千歳一隅の機会をじっくり待つだけの余裕があるでもなく、少しでも成功に近づくチャンスがあると見るや飛びつかないではいられない。そんな必死な境遇にある者同士、うっすらとシンパシーを感じさせる描写がいいものでして。前回の感想でわりと実話系の話っぽい雰囲気を感じると書いたとおり、デナに惹かれながらも嫌われてしまうのがこわくて、慎重に慎重を期したアプローチによって友人にからかわれるほどの奥手ぶりを発揮しているクォートだけど、それが逆にデナにとってもいやな感じを抱かせない印象になっているのが、このふたりの関係の楽しみなところでもあり。

ともあれ、そんな切羽詰まった必死さとかなりの奥手さを別方面で同時に見せるクォートの、特にその前者において、一番に思うことはローレン師の言葉の的確さですね。クォートって、これまで若さと才能に任せて、とても勝ち気に様々なことに挑戦して、その才覚によってみごと実力を認められてきたんだけど、それだけじゃどうにもならないことってあるわけで。かの師の言葉を受け入れる余裕があればなあと思ってしまう部分があるんですよ。あくまでそんな余裕があれば、ではあるんですけど。ただその意味で、デナとの恋路は図らずもその辺のことに気づくきっかけにもなってくれそうなところであって。次の第一部完結巻でなんらかの転機が訪れるのか、行方が気になりますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:16| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜

エロ作品感想です。お気をつけください。

お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251) -
お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251) -
試し読み(BOOK☆WALKER)(R18注意)

記憶をたどれば原作ゲームの体験版はプレイしたことがあるような……。

ともあれ、タイトルからわかるとおりにおねショタ。弟であるショータくんのことが好きでべったりしてたんだけど、エッチなことができる体になっていたことを知って距離感にとまどうお姉ちゃんと、そんな彼女の背中を押すべくお姉ちゃんにバレるの前提でショータくんに迫る肉食系の女の子たちの話。エッチなことはいけないと思ってはいても、経験豊富なおねえさんたちのやわらかい体を駆使した誘惑に流されてエッチな経験をいっぱいつまされる流れはとてもいい。彼女たちの思惑通りについにふっきれるお姉ちゃんも。きたえられた弟おちんちんに夢中になって、当初のふたりにあきれられるほどに快感を求めることに夢中になっていくお姉ちゃんはとてもエロかったです。

いっぱいいっぱいエッチなことしてたけど、性的な知識のまったくないところに避妊のことまったく伝えず気持ちのいいことばかり教えてこんでたわけで。これ一人もしくは複数人に一大事が起きてたら、ショータくんとんだトラウマを抱えることになったのでは……とか考えるととても興奮しますね?
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:27| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月17日

竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中

竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス) -
竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス) -
試し読み(BOOK☆WALKER)

タイトル通りのお気に入りとして、そうとは気づかれないながらも大切にされているというのはしっかりと伝わってくるヒロインの立場の感覚。このふわっとしてくすぐったいような感覚がとてもよかったですね。特に、白の女王をはじめとした竜たちと接するときにそれはよく伝わってきて。基本的に竜が気を許すのは契約を結んだ騎士だけ。そのはずなのに、メリッサならどんな竜を相手にしても騎士の代わりにえさやりなどの世話をすることができる。それもただけがをすることなくという程度ではなく、いっそ歓迎されているかのように。それだけでまるで竜に愛された存在であるかのような印象を抱かされる。それどころか、竜のなかでも特別に高貴な「白の女王」までもが初対面のときから彼女を気に入って特別扱いしてくれているという。それはとりもなおさず、白の女王の騎士であり、この作品のもう一人の主役でもあるヒューバートとの関係によるものだったのですけど、この「女王」の庇護下に置かれているという特別感がよかったんですね。白の女王が守っていた卵が孵化してからの展開なんかもその延長線上で雰囲気を損なうことなく進んでいってくれましたし。楽しい話でした。2巻も発売になったということで、そこではどんな話になっているのかというのも楽しみですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:44| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月11日

The Twistrose Key

The Twistrose Key (English Edition) -
The Twistrose Key (English Edition) -

語彙的には小学校高学年レベルくらいの児童書作品。ジャンルとしてはファンタジー。

死別したペットとの一日限りの冒険の話、だったでしょうか。主人公は親の仕事の都合で知り合いもいない町に引っ越してきたばかりの女の子Lindelin Rosenquist、通称Lin(リン)。遊び友達とも離れてしまった土地で大事なペット、ネズミのRufocanus、通称Rufus(ルーファス?)とも死別してしまい、ふさぎ込みがちになっていたところに異世界にわたるカギが贈られてきて、その先で彼女はRufusと再会する。リンが訪れた世界、そこは飼い主に愛されて死を迎えたペットたちが獣人の姿となって暮らす国。彼女はRufusとの再会を喜ぶのだが、その国にもとの飼い主だった人間が現れるのは100年弱に一度、その世界を危機が襲うときであった……という感じのお話。

野山を駆け回ってトロール・ハントという名の冒険ごっこをすることをなにより楽しんでいたリンが、再開したRufusと一緒に異世界を冒険する。世界の存亡そのものがかかっているだけあって嬉々として進んでいくものではないけれど、人を探したりその情報を集めたり、ときに悪役と対峙して危険を冒しながらも、それらをコンビで乗り越えていく関係がいいものでした。とっさに昔使っていた符丁で合図を交わしたりする様子とか、生前の絆が感じられて。冒頭に出てきた父親譲りなのかもしれませんが、見落としていた発見を告げられたりするたびに"One point, Lindelin Rosenquist."なんて声を掛け合いながらの探検の旅はとても楽しげでしたね。

それだけに、危機をうまく乗り越えることができたなら、それはふたたびの別れのときということになってしまうのではありましたが、もう二度と生きては会えないと思っていたルーフーズとまた冒険をすることができた。その思い出を大切に胸に刻みながら、最後には新しい土地での生活に向き合っていこうとするリンの姿を見ていると、今回の冒険はいうなれば気持ちに区切りをつけるための別れの儀式のようなものだったのかもなあなんて思ったり。

悪役の倒し方がそれただの先延ばしじゃないか的な感じで、それでいいんだろうかと思うところもありましたが、一日だけの夢のような冒険としてはいい話でありましたということで。同じ世界観での別の話もあるようですが、そっちはどうしようかなというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:10| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月09日

王太子妃になんてなりたくない!!

王太子妃になんてなりたくない!! (メリッサ文庫) -
王太子妃になんてなりたくない!! (メリッサ文庫) -
試し読み(BOOK☆WALKER)(値段的に単行本時のものっぽいけど、文庫化にあたって電子版も新しく出したりとかはしてないっぽい?)


一夫多妻制な王族との婚姻が嫌で全力で回避しようとしたはずなのに、婚約者となった王太子との相性がよすぎて体に触れられると見る間に快感に流されていってしまうリディアナの明日はどっちだ、的な。いやもう王太子妃になるしかないでしょうという流れなんですけど。だって、王太子妃になりたくない理由の最大の部分が一夫多妻が可能な制度なんですから、王太子のほうがリディアナに夢中になってしまえば、そんな問題はあってないようなもの。現代日本での記憶があることが逆に王太子に気に入られてしまうお国柄もあり、ここまでは似合いのふたりに見えてはいるんですよね。まあそうはいっても、いまのところは夜の相性がほとんどではあるので、すでに体も重ねてしまったとはいえ、まだまだお互いのことをそれほどよく知りあっているわけでもない状況、現代日本で生きた記憶のあるリディアナとしては積極的に結婚に同意しがたいのも無理はないところではありますか。半分くらいが視点を変えて同じ場面を描く内容だったこともあって、話の進み具合としてはまだそれほどでもなく、ここからどうなっていくのかというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:13| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする