2019年07月30日

Unnamed Memory(1)青き月の魔女と呪われし王

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)
Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 | Unnamed Memory | 書籍情報 | 電撃文庫公式サイト

このヒロインの魔女はかわいい。とてもかわいい。齢100をとうに超すほどの時を生きているはずなのに、成長が止まった外見年齢そのままの少女のようで。たいへんにかわいらしい。実年齢的にはるかに年下なはずの王子にことあるごとに求婚されて、ペースを崩されたりしながらも、それでもときに力いっぱい、ときにおざなりに毎回きっちり却下を突き返す対応がお決まりのやりとりになっててかわいいことかわいいこと。ティナーシャのかわいさだけでページをめくる手が進む進む。Web版などで先の展開を知ってる方たちはファンタジー作品としてのおもしろさをポイントとしてあげてるような気もしますが、個人的にはこの時点でのいちばんの見どころはなんといってもこの、長い時を生きてきたはずなのに色恋方面には弱いティナーシャの少女っぽさにあると思うのですよ。

というかこの、ヒロインにご執心でしょっちゅうちょっかい出してくる王子とそんな王子に調子崩されたりやいのやいのしたりしつつもやりとりの雰囲気自体は悪くない感じ、とても女性向けな作品のノリだと思うんですよね。主人公も男キャラではなくヒロイン側のほうではあるし。電撃の新文芸って、レーベルの母体を考えると男性読者を想定しているのではと思えるのだけど、そこからこの作品が出るというのはある意味でミスマッチというか。でも、現在の文庫に比べれば女性読者にリーチしやすい立ち位置だとは思うし、それに個人的にも「ヒロインかわいいで楽しめる女性向けのノリの作品」という、今まさに自分の好みな作品が男性読者の手に届きやすい形で世に出ているかと思うと、これはとても貴重な機会なのではと思えてもいたり。

というわけで精一杯にオススメしたい。

本気出せば災厄級の魔獣も一瞬でとは言わないけど屠れちゃう最強クラスな魔女が、一途な王子オスカーに一方的に気に入られてやいのやいのせずにはいられなくなっちゃうラブコメな空気の楽しさを。

「そうは言っても、お前は将来の王妃だぞ」
「ならないよ! 勝手な未来を作るなよ!」(83ページ)


こんなやりとりを一冊の中で何度となくしてるふたりのおおしろいことといったら。

オスカーから当然のようにスキンシップをされまくった影響か、そのうちにティナーシャのほうでも、髪に触れられる程度の多少のスキンシップは無心で受け入れている感があって。そういう場面を見せられるたびに仲のよろしいことでとにやにやさせてもらえることで。

そのうえ、オスカーが別の魔女ルクレツィアに会った後に王子からただよう女物の香水のような香りの正体に気づいたときのリアクションはあれはもう完全に浮気をとがめる恋人の態度でしたよね。周囲のツッコミが的確すぎて笑った。

おまけの、オスカーによるティナーシャの着せ替え遊びは本当にありがとうございますというところで。いつも忙しい執務の合間に好きな女を自分好みに着せ替えてお楽しみのオスカーさんは実にいいご趣味ですねという。そしてそれに渋々つきあわされるティナーシャの様子にはたいへんにやにやさせてもらえる一コマでありました。

気づけばファンタジー部分には全然触れてないけど、まあいいか。2巻でもこの空気を楽しめたらなということで。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:52| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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