2019年06月24日

星間帝国の皇女―ラストエンペロー―

星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー― (ハヤカワ文庫SF)
星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー― (ハヤカワ文庫SF)

皇帝の衰弱によって本来は皇位を継ぐとは目されていなかった皇女が皇帝としての務めを果たしはじめることになる帝都と、反乱軍が支配者である公爵に反旗を翻す辺境の惑星エンドと。超光速の奔流フローを隔てて遠く離れた地で起こる出来事が、巨大な星間国家全域を巻き込む事態となっていくスケール感が非常におもしろかった。

慣れない皇帝の立場にとまどいながら、それでも即位早々に人類存亡の危機に立ち向かうことを余儀なくされた新帝グレイランド2世。なかなかに不運な即位の巡りあわせだと思うし、そのうえ父帝をはじめとして当初から喪失つづきで心が休まる暇もないように思えてつらい状況ではある。

シリーズ一作目であるこの一冊でひとつのファックな山場は越えた感はあるけれど、けれど最終的な到達点はまだ見えていないのであって。ここからどんな打開策が打ち出されていくのか、どんな思惑が絡んでくるのか、どんな展開になっていくのか。とても楽しみなシリーズになりそうですね。

あと、なにげにへーと思ったのが、「尊厳の複数」というもの。これは、皇帝になったカーデニア(グレイランド2世)が、尊称的な自称として「I」ではなく「We」を使いだしたことを指してのもの。ちょっとほかの用例を目にしたことがないのでなんともいえないんですが、実際に歴史上でもなされていた用法なんだろうか? とても関心がある。そういえば、スペインのドラマ『イサベル』では、(1話冒頭しか見てないんだけども)王女時代のイサベル1世に対して臣下から呼びかける際、二人称の複数系が用いられていたような記憶が……。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:40| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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