2019年02月05日

とどのつまりの有頂天(1)

とどのつまりの有頂天 1 (ヤングキングコミックス)
とどのつまりの有頂天 1 (ヤングキングコミックス)

とどのつまりの有頂天 第1巻( あらた伊里 ) | 少年画報社

なんだこのむちゃくちゃなテンションの高さは……。まさに有頂天ですか。フルスロットルですか。ともあれ百合ですよ。女の子たちがひたすらハイテンションで、こいつは楽しいマンガでした。

表紙絵を見て、かわいい女の子がわいわいきゃーきゃーするかわいい話なのかなと想像してたんですが、ものすごく意表を突かれたというか。いやまあ確かに「わいわいきゃーきゃー」はまちがいとは言いきれないんだろうけど、もっとこう、なんというかにぎやかな話でしたね。確か1話のハグシーンくらいまでの試し読みで購入決定したはずなので、読む前後での印象の違いがものすごいことになってるんですけど、という。

冒頭から登場してる美古都と猫崎さんのペアだけならまだほほ笑ましい感じの百合ラブコメっぽい話だったと思うんだけど、そこに一度に4人もキャラが追加されて、一気に騒々しくなった感が。勢いまかせにボケたおす女の子がいて、リアクションでキレまくる女の子がいて。どの話も収拾つかないレベルでワイワイキャーキャーはしゃぎまわって……楽しそうだなあオイ!

いや本当に、これほどうざキャラっぽく騒ぎまくって、顔面崩壊レベルでかわいさなんてふっ飛ばされてる場面も多々ありながら、それでいてどの女の子にも百合を感じさせる瞬間があるのって、実はめちゃくちゃすごくないですか? 序盤の百合からギャグレベルのコメディへの転調があまりにも激しいものだから、コメディ主体の百合ラブコメなのかとも思ってしまったんだけど、一冊読み終わるころには百合もギャグも境目がわからないほどに入り混じった、ひたすらハイテンションな百合ラブコメだったと思えて、とにかくすげえという感想になるという。

そしてそんなギャグと百合の境界線を主に破壊してくれるのがタクヤと夜空のカップルであり。3話にしてもはやおなじみになりつつあったボケたおしの間にはさまれる「学校では(キスは)しない」のひと言があまりにも衝撃的で……いや、だってこのセリフが発されたとき、まだまだギャグ展開する空気だったじゃないですか。それなのに突然こんなまごうことなき百合セリフをはさまれて。まじかよ、ふーん……って、え、ちょっと待って、この子いまなんて言ったえええええ!?みたいな。すぐに頭が切り替わらないんだけど、遅れて理解できたときの衝撃たるや。その後もワイワイやってる合間にときどき甘えたな夜空とぐいくい引っ張ってくタクヤという関係性を見せてくれるものだから、ギャップで好感度の上がりかたがすごい。特に本編後のおまけマンガ。なにこのかわいいカップルは。いいぞもっとやれ。

一方で主役(?)である美古都と猫崎さんのペアは、まだカップルとは呼べなさそうなラインながら、徐々に相手を意識する気持ちが高まってきて自分たちでも持て余しぎみになってる様子が、上記の幼なじみカップルとは違って初々しくもあり、それが百合の空気感としてとてもかわいらしくもあり。にぎやかな四人組に釣られるようにこちらにもハイテンションさが混ざってきてもいるけれど、それはともかくこれからの展開に期待が高まるふたりではあります。

巻末には作者の以前の作品の番外編が載ってましたが、こちらはこちらで本作に輪をかけて掛け合いでの顔面崩壊がひどいというか、フルスロットルさが半端ない。ということは、これがこの作者さんの持ち味ということなんでしょうか? それはともかく、しかしこの連載一話分にも満たないページ数でしっかりキャラをつかめてそのうえ笑いもとってくれるからすごいというか。『総合タワーリシチ』、こちらも気になってきますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:14| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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