2018年07月26日

賭博師は祈らない

賭博師は祈らない (電撃文庫)
賭博師は祈らない (電撃文庫)

賭博師は祈らない|電撃文庫公式サイト

発売時に気にはなっていたもののそのままになってたんですが、コミカライズの連載が開始されたのを機会にそちらを読んでみたところ、これはいい感じだなあと思い、読んでみることに。実際、おもしろかったです。

あらすじとしては、ちょっとした手違いから奴隷を買うことになってしまった主人公の賭博師ラザルスの話。もともと奴隷を買うことが目的ではなかったから、適当に見繕ってもらったら、届けられたのはなぜか口のきけない女の子リーラで。そんな感じで、奴隷の女の子付きの賭博師の生活がはじまるのだったという、そんな感じの話。

そんな話ですけど、新人賞の選考の方も言ってるように、キャラクターがいいですよね。特にリーラさん。非合法なあつかいを想定されてたっぽくて、ラザルスのもとに届けられたばかりのころはしつけ段階での暴力に対するおびえがひどかったり、口はきけない文字も書けないものだから、主人からの一方的な指示以外のコミュニケーションはあまり望めない感じであって。人間性の殺されようがかわいそうなぐらいではあったんですけど、そこは他人に無関心なラザルスとの相性がよかったのか、すぐにおびえ以外の表情が見えてくるのがなんだかほっとさせられて。それどころか、愛着の湧いてきたラザルスの気まぐれから文字を教えだしたら、消極的ながら意思表示もするようになってきて。そのうれしさはなんというか、どこか子どもの成長を見まもるようなほほえましさがあったんですよね。その意味で、リーラさん、「少女」というよりも「女の子」という感じというか。

そんな感じの子なんで、それはだんだんほだされてくるものもあるというか、彼女のことを救い出すためなら、マジになったりもするでしょうというもの。クライマックスでの、顔面蒼白で脂汗ダラダラ流しながらの一世一代の大勝負は実に手に汗握るものがあって、とても熱かったです。

あとは、賭博師の視点から描かれる18世紀末のロンドンの様子というのもなかなかいい感じで。実在の人物やなにやらをモチーフにしている描写もいろいろあるようで、そういう細かいところにもへーと思わせてくれるところはなかなか好みだったり。

2巻の展開も気になる。つなぎ的な最後になってて、これ一冊で満足させられつつも、次の巻へと手をのばしたい気持ちにさせてくれる終わり方。次の話も期待したいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:23| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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