2018年07月11日

サマータイムレンダ(1)漂着

サマータイムレンダ 1 (ジャンプコミックス)
サマータイムレンダ 1 (ジャンプコミックス)

Web連載ページ(少年ジャンプ+)

タ、タイムループものだーー!?

幼馴染の女の子が亡くなって、その葬儀のために故郷に帰ってきた主人公の話ということで、ビターな感じの青春物語が展開されていくんだろうか思いきや、そうきたか……という。いやだって、田舎の夏、埋めようのない喪失感へのとまどい、再会した家族や友人たちとの悲しみの共有……ときて、これもう完全にノスタルジックなストーリーの予感をほうふつとさせる出だしじゃないですか。そういうの期待しちゃう設定じゃないですか。

けど、1話目読んでるうちにすこしずつ違和感を覚えてくるんですよね。いろんな登場人物が出てくるうちに、だんだん幼馴染の死にはなにか裏があったんじゃないかと思わせる要素がまぎれこみだす。ミステリー的な展開になるんだろうかという気もしてくるんだけど、それだけならまだ現実的な非日常の様子として、青春物語への期待はそれほど動揺するものではなかったんですよ。でも、1話目も後半になると、さすがにもうその思い込みではごまかしきれないくらいにおかしな雰囲気が加速してくる。描写もどんどんサスペンス的になってきて、緊迫感が増してくる。非日常がさらに非現実に移行していることだけがわかって、けれどそれ以上には状況を飲みこみきれないまま、どういうことなのどういうことなのと盛大に疑問符を抱えているうちに、物語は一度目の結末を迎える。そうして2話目を読みはじめてやっと理解が追いついてきて出てくる感想が冒頭のひと言なのでありました。

タイプループものはなあ……たてつづけにいくつも読むと慣れが出ちゃいそうなんでやや避けぎみなところはあるんですけど、読んでしまったからには、こんなん、つづきがめちゃくちゃ気になるに決まってるじゃないですか! しかも、そうしてひきこんでくるのは開始から70ページ程度のことであって。早い展開、鋭いインパクト。すごいですよね。

設定的には、出没するドッペルゲンガーとか、本物との入れ替わりとか、都市伝説的というか、田舎の怪談じみた雰囲気でありつつも、スマートフォンが結構重要アイテムになりそうなのはわりと現代的であり。けど、主人公が目にする「影」はどいつもこいつも殺意の高さが半端なくて、ターゲット認定されたら逃げるまもなく追いつめられてしまうものだから、対面することがイコールで死につながるとまでいえそうなやつらで。そんな相手と対決する恐怖感はいかにもサスペンスフルな流れでありまして。さっきまで仲よく話してたあの人とか、頼りになりそうなその人とかも、あやしく見えだしたらそれだけで警戒心を極限まで高められずにはいられない設定がとてもいい感じ出してます。(カバー下の絵日記とか、もう猟奇もののホラーっぽい雰囲気まで出してますよね……)

すでに2巻も発売されてるということで、順番無視してそっちもすぐに読んでしまいたい気持ちにもなってしまうぐらい。めちゃくちゃ気になりますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:06| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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