2017年08月12日

2017年上半期のベスト

好きラノの投票記事でやりたいと書いてたものです。もともとは夏休みの読書の参考になればと考えてたものなんですけど、すでに学生の人たちは夏休みに入ってて、へたするともう半分過ぎてたりもするんでしょうか。うーん、もっと早く読んでいきたい。ともあれ、そんな事情もあって、まだあれこれ読めたら読みたいものはあるんですが、これ以上先延ばしにはできないかということで。

好きラノ時点では、期間内で読む予定の作品で手のつけれていなかったものがあったのに加えて、あちらはライトノベルという枠組みのなかでの選択になるので自分が読む範囲を一部カバーしきれないところがあって、同じくライトノベル読者に向けて紹介したいのに……という作品がもれていってしまうのが惜しまれるところではありまして。年明けにやる一年間で読んだ中でのベストを上げる記事もあるにはありますが、あちらは読んだもの全部のなかから選びたいということで、半期で発売されたもののみに絞る企画はここでやってみてはどうかと思ったしだい。まあそうはいっても、ほとんど好きラノと同じラインナップなんですけど。

内訳としては、少女向けライトノベルが6作と少年向けライトノベルが2作、国内ファンタジーが1作、Web小説が1作となってます。好きラノ記事とかぶるものがほとんどなのと、そちらの紹介はそのまま流用になってる手抜きな紹介ではありますが、よければ見てやってください。

紹介する順番は上からお気に入り順です。(あまりピンとくるものがなくても上のほうのタイトルは目に入れてもらいたいという趣旨)

お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 / 梨沙  感想
お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 (一迅社文庫アイリス) -
少女向けライトノベルより。個人的な上半期のイチオシ。両片想いな主従の関係がめちゃくちゃいい。おまけに主人の王女さまは男装の騎士で、従者のほうは女装してもなんとなく似合ってしまうという属性の盛りぶり。そして、従者であるアンバーから主人であるミシェルへと寄せる、口に出しては告げられない想いの丈がひしひしと伝わってくる彼の視点の描写がとてもよくって。一方のミシェルのほうからも、彼の気持ちには気づかずとも秘めた想いが伝わる心のうちがあったりして。ラストまで含めてとても素晴らしい雰囲気。話として一冊できれいにまとまってると思うので、ぜひ。

瀬野家の人々 / ◆fYihcWFZ.c
http://novel18.syosetu.com/n3752dr/(R18注意)
Web小説(ノクターンノベルズ)より。上半期の自分の好みに多大な影響を与えてくれた作品。主人公と、その彼女である義姉と、彼女によく似た容姿の義弟の3人を中心にして、女装・男装ありありで、まぜこぜでエッチなこともしちゃう話。彼女の趣味ではじめさせられた女装のはずが、素質がありすぎてどんどんかわいい女の子になっていくアキちゃん(主人公)が最高にかわいい。異性装作品へのマイブームに火をつけてくれた素晴らしい作品。

いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約 / 九江桜  感想
いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約(角川ビーンズ文庫) -
少女向けライトノベルより。上半期でいちばんかわいいと思う女の子が登場した作品はこれ。この巻で登場するティアナローゼ姫。性格の悪い子かと思えば強がりの裏返しだったり、嫌われているかと思えば懐くと甘えかかるような態度を見せてくれたりと、ギャップがとてもかわいいんですよ。そんな表情を引き出してくれる世話焼きタイプの主人公・イザベラに対してしだいに気を許していきながら、それでも恋においては譲れないからとあらゆる手段を駆使して先んじてみようとしたりもしてみせる、そんな姿がもうかわいくてかわいくて。2巻完結なのが惜しまれる、とてもいいキャラクターのお話でした。

魔導の福音 / 佐藤さくら  感想
魔導の福音 (創元推理文庫) -
国内ファンタジーより。上半期でファンタジー的な面白さをいちばん感じた作品はこれ。社会に根づいた差別を描き、その解消を志向していく物語、とでもいえるでしょうか。前作同様の魔導に対する差別意識を描きつつも、今作の舞台となった社会ではより根本的な無知からの、その状態ではベターな選択としての差別構造を用意し、それによって消されてしまったり、「異常さ」をなかったことにされた人々が立たされる境遇や苦悩について、そんな人たちと浅からぬ縁を持つことになる若き主人公カエンスの視点を通して描きだす。だからこそ、それらがつながって至る結末に希望を抱かされる。シリーズ化ということで、次回の話も楽しみな一作。

左遷も悪くない(4) / 霧島まるは  感想
左遷も悪くない〈4〉 (アルファライト文庫) -
少女向けライトノベル(レーベル的には違うような気もするけど内容的に)より。家庭によってさまざまな環境が生まれる家族の姿。それ自体がひとつの文化圏とも思えるような、それぞれの来歴を持つ別々の家族の一員であった男女が結婚し、新たな家庭を築く。そこで生じる互いの家族らしさの混交模様が素晴らしい本シリーズ。この巻では、互いの家族との交流を通して、厳格な祖父に育てられて特別な思い出の乏しいウリセスの幼少時が鮮やかに色づけられていく。それぞれの来歴を持つ夫婦やその家族の交流があってこその流れが素晴らしい。つくづくファンタジーとしての面白さの可能性を感じさせてくれるシリーズです。

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル / 宮澤伊織  感想
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA) -
少年向けライトノベルより。百合ですね。相手にふりまわされてばかりでうんざりする気持ちはあっても、自分以外の人のために目の前から消えられてしまうと、悲しくて怒れてどうしようもなくなってしまう。そんなだだっ子のような気持ちを発露する、元ぼっちな空魚ちゃんのかわいさですよ。)

霊感少女は箱の中 / 甲田学人  感想
霊感少女は箱の中 (電撃文庫) -
少年向けライトノベルより。怪談系としてのこわさもさすがの領域でありながら、それ以上に真相の救いのなさにふるえる一冊。なまじあちこちに消えない傷痕を残しているだけに、それと引き換えに重みを増す十字架がずしっとくる。それがいい。

女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします / 帰初心  感想
女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします -
少女向けライトノベルより。ご主人様にかまってほしくてついやりすぎちゃう残念美形どもな犬人たちの女王さま(飼い主)になった少女リーゼロッテによるツッコミがとまらないお話にとにかく笑う。たまにかっこよくなるからくやしい犬人たちのなかで、安定の駄犬なダシバは癒し。2巻も今月発売予定とのこと。

あなたに捧げる赤い薔薇 / jupiter  感想
あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO) -
少女向けライトノベルより。夫婦でありながら、相手のことを大切に思うからこそ、自分なんかよりふさわしい相手がいるんじゃないかと身を引こうとしてしまう。そんな両片想いじみた夫婦がもどかしくもいとおしい。読後にタイトルを見返して抱ける感慨もひとしおな一冊。これ一冊で話はまとまってると思っていたので、2巻の発売予定情報を見かけて驚いてもいたり。

狂王の情愛 / 富樫聖夜  感想
狂王の情愛 (ソーニャ文庫) -
少女向けライトノベルより。ティーンズラブ作品なのでいちおう注意。幼いころに不遇な生活を強いられたことから、箱庭のような環境での生活になんの疑問も抱くことなく幸せを感じてしまうヒロインはいいですよね。そしてそんなヒロインの心のうちで確かに芽生えていた暗い感情がもれ出てくる場面も。なにに対しても多くを望まないティアリスの、だからこそ王を狂気に駆り立てる、そんな心情の対比がいいものでした。


以上そんなところで。トピックごとにまとめると、

・ファンタジーとして気に入っている作品は『魔導の福音』と『左遷も悪くない』(『女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします』も要素としてはあったでしょうか)。
・鬱ラノベ的に気に入ってる作品として、『霊感少女は箱の中』。
・異性装作品として気に入ってるのが『お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係』『瀬野家の人々』 (『魔導の福音』もジェンダー問題的な側面を描いてくれた作品としてここに含めるのもありでしょうか)。
・恋物語としてのお気に入りは『お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係』と『あなたに捧げる赤い薔薇』(『いじわる令嬢のゆゆしき事情』はラブコメとしても、『狂王の情愛』はややいびつな愛のかたちとして、それぞれ恋愛系のお気に入りではあります)。

気になるものがあれば、ぜひ読んでみてください。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:51| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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