2017年08月11日

The Twistrose Key

The Twistrose Key (English Edition) -
The Twistrose Key (English Edition) -

語彙的には小学校高学年レベルくらいの児童書作品。ジャンルとしてはファンタジー。

死別したペットとの一日限りの冒険の話、だったでしょうか。主人公は親の仕事の都合で知り合いもいない町に引っ越してきたばかりの女の子Lindelin Rosenquist、通称Lin(リン)。遊び友達とも離れてしまった土地で大事なペット、ネズミのRufocanus、通称Rufus(ルーファス?)とも死別してしまい、ふさぎ込みがちになっていたところに異世界にわたるカギが贈られてきて、その先で彼女はRufusと再会する。リンが訪れた世界、そこは飼い主に愛されて死を迎えたペットたちが獣人の姿となって暮らす国。彼女はRufusとの再会を喜ぶのだが、その国にもとの飼い主だった人間が現れるのは100年弱に一度、その世界を危機が襲うときであった……という感じのお話。

野山を駆け回ってトロール・ハントという名の冒険ごっこをすることをなにより楽しんでいたリンが、再開したRufusと一緒に異世界を冒険する。世界の存亡そのものがかかっているだけあって嬉々として進んでいくものではないけれど、人を探したりその情報を集めたり、ときに悪役と対峙して危険を冒しながらも、それらをコンビで乗り越えていく関係がいいものでした。とっさに昔使っていた符丁で合図を交わしたりする様子とか、生前の絆が感じられて。冒頭に出てきた父親譲りなのかもしれませんが、見落としていた発見を告げられたりするたびに"One point, Lindelin Rosenquist."なんて声を掛け合いながらの探検の旅はとても楽しげでしたね。

それだけに、危機をうまく乗り越えることができたなら、それはふたたびの別れのときということになってしまうのではありましたが、もう二度と生きては会えないと思っていたルーフーズとまた冒険をすることができた。その思い出を大切に胸に刻みながら、最後には新しい土地での生活に向き合っていこうとするリンの姿を見ていると、今回の冒険はいうなれば気持ちに区切りをつけるための別れの儀式のようなものだったのかもなあなんて思ったり。

悪役の倒し方がそれただの先延ばしじゃないか的な感じで、それでいいんだろうかと思うところもありましたが、一日だけの夢のような冒険としてはいい話でありましたということで。同じ世界観での別の話もあるようですが、そっちはどうしようかなというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:10| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: