2017年07月12日

平凡なる皇帝(1)

平凡なる皇帝 (サーガフォレスト) -
平凡なる皇帝 (サーガフォレスト) -

この主人公の女の子、面白い。まだまだ発展途上というか、どう伸びていくのかも予測のつかないほんの少女ではあるものの、ときおり非凡さの片鱗をうかがわせるものがある。その行く末を期待したいと思わせてくれる子じゃないですか。楽しみですね。まあ現段階では、知識も経験も足りない平凡な少女の域を出ないのではありますが。荒事を前にすると身がすくんでしまい、言ってることもころころ変わって何が彼女にとっての芯にあたる部分なのかよくわからない。けれどそれでも、ときおりなんの気負いもなくハッとさせられる言葉を口にすることがある。切羽詰まった状況になれば、大切な人たちのために勇気をふりしぼって行動することもできる。ひとつひとつはささいなこと。それでも、竜人族の皇帝の忘れ形見という出生のゆえに、その将来に期待してしまうものがあるんですよ。彼女の人の上に立つ者としての才能の片鱗にふれて、誠心誠意仕えていくことを決意する人も現れて、彼らに導かれていくこといなるだろうハルがどんな女性になっていくのかと考えると、楽しくなってくるじゃないですか。いまはまだ帝位を継ぐ気はないと言い張っているとはいえ、今後どんな経験を経てどんな思いを抱いていくことになるのか。楽しみですよね。

そしてハルの一の臣下、二の臣下みたいな感じになったクロナギ、アナリアが彼女に抱く思いについても。ハルの父、前皇帝に対して彼らが抱いていた感情と、それを裏返したような対照的な現状の彼らの気持ち。同性ならば敬意を抱きながらも親しみを覚えることができる、けれど異性となると敬意の中に慕情が混じり、自分だけを見てほしいという気持ちが芽生えてしまう。今はまだ表には出ないその葛藤が、今後のハルの道行きにどんな影響を与えてくるのかとかも、とても楽しみですよね。2巻が待ち遠しい。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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