2017年03月08日

ソードアート・オンライン(9)アリシゼーション・ビギニング

ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫) -
ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫) -

ようやく読みはじめますアリシゼーション編。今度は、気づいたらファンタジーゲームの世界に入りこんでいたという出だし。ゲーム世界を描いた話としては今でこそわりとよく見る話ですけど、そういえばこのシリーズではこれが初ですね。アインクラッド編は閉じこめられた話ですし、アルヴヘイム・オンラインやガンゲイル・オンラインはそのままゲームとしてプレイしている話でしたし。そういう意味では、ついに来ましたというこの設定。ただ、このシリーズがそういう設定の中でも異質なのは、主人公のゲームに対するアプローチ。これがいかにもSFなんですよね。もともとキリトさんはSAO事件を経験したことで、VR関係の技術や業界に将来的に関わっていきたいという志望をはっきりさせてますし、そっち方面の知識はかなりあって。だからこそ、いかにも精巧なファンタジー世界のようなゲーム内に知らぬ間に放りこまれたにもかかわらず、(本当に異世界に来てしまった可能性も捨てないまでも)どういう仕組みのVR空間なのか、それを可能にするVR技術とはどういうものか、VRゲームの内部だとすればどのように行動するべきか等々、技術的な推測にメタ的なゲームデザインの知識を絡めて自身の現状や入りこんだファンタジーゲームの世界の考察を進めたりしてるんですよね。SFの枠組みでファンタジーをやってるという感想をどこかで見かけていますが、まさにそんな感じ。面白いアプローチです。

それと、たびたび思わされてる気がするんですけど、この作者さんは郷愁を感じさせる描写の仕方がうまいですよね。今回でいうと、珍しいことに途中で挟まった見開きカラーイラストの場面。プロローグでの前振りがあるから活きる、このなんともいえない寂寥感。よかったですね。

あと、アインクラッド編の終了時から作中ですでに年単位での時間が経っていることもあって、現実世界のキリトとアスナの安定感のあるカップル感がやばいですね。もう少し前からこんなだったような気もしますが、久しぶりにこのシリーズを読むと改めて感じさせられるものがありますね。シノンに対してキリトのことをあきれたように「この人」とかいうアスナの破壊力たるや。あれ、まだ夫婦じゃないの、このふたり……?
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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