2017年01月31日

霊感少女は箱の中

霊感少女は箱の中 (電撃文庫) -
霊感少女は箱の中 (電撃文庫) -

『断章のグリム』は読む機会を逸してしまった感があるとはいえ、『Missing』や『夜魔』を楽しんだ読者としては、この作者さんの新作を読まないわけにはいかないでしょうということで。試し読みで読めた範囲での第一章のおまじないで起きた心霊現象も、作者さんらしくなにか来ると思わせてその期待通りにぞっとさせてくれる展開とその描写で、これだけでもうつかみはばっちりというもの。

けど、一番よかったのは何かというと、ラストに明らかになる今回の事件の真相だったんですよね。主人公である瞳佳の友人の麻耶という少女については、最初から多少予想はついてましたが、一部は当たりで、でも予想を超えたところで今回の事件にかかわっていて、そのかかわり方がとてもやるせない気持ちにさせられるものだったんですよ。瞳佳にとってはどうしようもないところで事件にかかわりを持つことになっていて、けれど彼女によって事件が決定的に悲劇の様相を帯びることを定めてしまった。それは瞳佳自身も考えたように、まさに瞳佳によって今回の事件が起こされたという決して動かすことのできない事実を彼女に突きつけるもので。巻き込まれた人たちの末路が悲惨なものであればあるほど、その数が一人二人と数え上げられていくことになればなるほど取り返しのつかない罪悪感に苛んでくれて。とても素晴らしい読後感に浸れる話でしたね。こういうの大好きです。もともと霊媒体質で心霊的な事件に巻き込まれがちだったという瞳佳ですけど、今回の事件ののち、どんな精神状態で学校生活を送ることになるのか。似たような境遇の真央とどんな関係になっていくのか。たいへん気になりますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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