2017年01月26日

本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(2)神殿の巫女見習い(1)

表記上わかりにくいですがシリーズ4冊目。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いI」 -
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いI」 -

階級が違えば常識が違う。平民である一人の兵士の娘から貴族階級である神殿の巫女見習いへと立場が変わると、これまた転生時のような感覚の違いに悩まされることで。第一部後半でようやく慣れてきたと思ってきたところにこれなのでまたまたてんてこ舞いになるわけですが、深刻になりすぎずにコミカルささえ感じさせてくれるのはマインの愛嬌のおかげでしょうか。本を読むことが大事でそのほかのことをめんどくさいからと無視してたら問題が起きたり、その性格を神殿でもさっそく覚えられて本を読ませないぞとちらつかせながら巫女見習いとしての学習をさせられたりとか、立場が変わって大変なときでもマインはやっぱりマインなんだなあと思わされるエピソードの数々にくすっとさせられるのがとても安心させてくれます。

階級と常識・感覚の違いをいちばん感じさせてくれたのはルッツとルッツのお父さんとのいざこざを神官長立ち会いのもと解決に導いた場面だったでしょうか。ルッツのお父さんは平民として、もっというと一人の職人としての理屈と感覚を言葉少なな性格とともにルッツにつきつけるんだけど、頭ごなしの否定に思えるその言葉が神官長の求めに応じて背景的な考えが明らかになってくるにつれて互いの認識の齟齬がわかってくる流れ。面白かったですね。ルッツのお父さんがあまりにも言葉少なすぎだったり、家族間のコミュニケーション不足だったりした面もあったとは思うのですが、ここで思わされるのは読者である自分も、この世界の昔気質の職人の感覚はあまり共有できていないものだったんですよね。マインという平民育ちの主人公に近い位置の人としてなんとなく理解できてきている気もしていましたが、ところ変われば常識も変わる。わかった気になっていると思わぬ勘違いをしてしまうこともあるのでしょうね。貴族階級の、人を使うのが当たり前、むしろ使わないのが非常識という感覚も、われわれ現代人からするとなじむのに苦労しそうですが、まあその辺はマインとしては慣れないとどうしようもない世界ですので、なんとかしていってくれることを期待しましょう。

メインの舞台が変わって主要な登場キャラにも変化があり、登場頻度が減ったことをさびしく思うキャラもいますが、ともあれ第二部もまだはじまったばかり。どんなところに落ち着くのか、どんなことをしでかしてくれるのかと、楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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