2017年01月18日

ヒロインな妹、悪役令嬢な私

ヒロインな妹、悪役令嬢な私 (PASH!ブックス) -
ヒロインな妹、悪役令嬢な私 (PASH!ブックス) -

なんだろう、この可愛いキャラクターたちは。自他ともに認めるシスコンで天才と自称してはばからない主人公クリスティーナ、お姉さまがこの世のすべてともいえそうなレベルで大好きな妹ミシュリー、社交の場で出会ってクリスティーナ大好きになる婚約者のシャルル。この3人が絡むともうとにかく可愛くて可愛くて。ミシュリーもシャルルもクリスティーナにもっと自分のことを構ってもらいたくてしかたないちびっこたちだから、こんなやつよりも自分を自分をときゃいきゃいけんかしながら主張しあってるのがたいへん可愛らしくて。シスコンなクリスティーナ視点では天使なはずのミシュリーの見えてはいけない黒い部分がのぞいちゃってたり、シャルルもふだんはわりとのんびりしたマイペースな感じなのにガチにマジげんかに発展しそうになってたりして軽くイメージがぶち壊されちゃったりもするんですが、そんなことさえほほ笑ましく思えてしまうのが幼い子どもたちのやりとりというもので。クリスティーナとしてもどちらもどちらで好きだからなんとかかんとかなだめすかそうとする苦労が手に取るようにわかるのがたいへん面白いんですよね。もう延々この3人だけで話を循環させててもいいんじゃないかというか、それがすなわち天国なのではないかと思ったりもしましたが、まあそれでは話が進みませんか。

けどやっぱり話の軸としてはクリスティーナがミシュリーのことを世界一可愛く思っているということで。シャルルのことも好いているとはいっても、やはり婚約者としての初来訪時にミシュリーとけんかするようなら帰れと真顔で言い放つシスコンぶりがクリスティーナというキャラクターの核なのであって。なによりも妹を可愛がりまくるのがクリスティーナらしさではあるんですよね。ミシュリーのほうでも、自分のことをかわいいとくりかえしくりかえし言ってくれるクリスティーナの自信にあふれた物腰をかっこいいと言って応えたりして。3人からシャルルを抜いた姉妹もたいへん愛くるしい仲のよさで。もうもう、この二人だけでも至福の姉妹愛空間でございました。

その一方で、マリーワとのやりとりはとにかくコミカルで。ムチまで持ち出す厳しい指導からエスケープしては怒られて、自分は天才なんだから本番ではあっと驚かせてやると大見得を切っては詰めが甘くて怒られてと、とにかくクリスティーナが調子に乗っては鬼の指導で泣きを見る展開に笑わせてもらって。でも、そうして何年も指導に当たってきたために本質的なところではだれよりもクリスティーナのことを理解していて、というギャップがたまに胸を打つからずるいんですよね。特にラストなんて、なんかもうじんとくるものまでありましたからね。というか、冒頭であの文章があっての、結局あれは何だったんだろうと思っていたらラストの場面ですから、一冊の本としての作りのうまさですよね。思わずうならされる構成の妙。たまらない満足感の残る読後感でした。

最近完結巻の出たシリーズではありますが、まだまだいろんな人に読まれるべき作品ではないでしょうか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック