2017年01月08日

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編  旦那様の専属お菓子係、はじめました。

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。 (ビーズログ文庫) -
なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。 (ビーズログ文庫) -

王太子のナディル殿下に現れた変化が、いいですよね。実のところ、いまのアルティリエと接しだした前の巻からすでに変化はあったようなのだけれど、主人公にとっては実質的に会ったばかりのお相手であって。ふだんのナディルがどんな人で、二人でいるときにどんな態度を取るのかなど、他人から聞いた不確かな情報しかなかったため、あれが普通なんだと思ってしまうんですよね。けど、そうじゃなかったと。ナディルのことをよく知る弟殿下や幼なじみの側近たちが、そのわかる人にだけわかるとてつもなく大きな変化に驚いているのを知るにつれ、ああ、これ、主人公がすごい変化をもたらしてるんだろうなと実感させられる。この描き方、いいですよね。いやまあ、よくよく考えれば、抱っこで移動がデフォルトだったりと、いくらすでに結婚済みとはいえ、事前の情報からしてみればちょっと甘々すぎませんかと思うところもなきにしもあらずだったはずなんですが。でも、初対面のなぜか不機嫌オーラ出しまくってたときからそうだったんですもん。しかたないじゃないですか。あれ? なんか感覚おかしくなってきてる?

というわけで、アルティリエとナディルとのやりとりだけでもうもう満足度の高いお話にしあがっておりましたですよ。王太子として公正無私な態度を私生活においてまで貫いてきたナディルが、アルティリエといるときだけは自然体な態度で笑ったり、子供っぽくふてくされたり、主人公のほうでもナディルが守ってくれているとわかるからこそ、いきなりいつどこで命を狙われるかわからないアルティリエとしての生活を送らざるをえなくなったにもかかわらずそんな不安とうまく折り合いをつけて過ごしていられている。二人の時間を過ごすうちにできあがってきたこの打ち解けた雰囲気がですね、とてもいいと思うんですよ。ご立派な王太子殿下だと周りから思われて、そう期待されるがゆえにそうふるまいつづけているナディルの、そうではない一面につっこみを入れてみたり、そっけなく見えてしまいがちなちょっとしたメッセージにも愛おしさを感じたり、いやもう本当にいい雰囲気の二人ですよ。その合間に、主人公と交代するように消えていったしまった本当のアルティリエのナディルへの想いがかいま見える場面があったりするのが切なかったりしますが。

ともあれ、Arcadiaで読んでたときも、たしかこういう空気をいいなあと思っている間に事件の黒幕のこととかわりと忘却の淵へと追いやられていったような記憶もあったりしますが、今回ラストで結構そちら方面で大きな動きとなりそうな気になるところで終わってましたね。ここまでくるともう未読か既読か判然としないので、とてもつづきが気になります。

それと、前の巻にひきつづき、カバー下に舞台となる国の地図と、今回は宮殿の見取り図もついてましたね。あとがきにてふれられているので、これで多くの人が気づくと思いますが、知らなかったという人は見てみるのもいいと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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