2015年06月30日

入れ代わりのその果てに(4)

入れ代わりのその果てに〈4〉 (レジーナブックス) -
入れ代わりのその果てに〈4〉 (レジーナブックス) -

説教系女子がすっかり入れ替わり先の体の持ち主のように、周りの助けを得られてこそのキャラになっておる。ただ、それも仕方ないというか。現代日本で身に付けたビジネスマナーの知識なんて、中世ヨーロッパ風の王族社会の中では細々としたところまで対応できるものじゃないですからね。そこは異文化の地で波風立てないようにしなければいけない立場ならではの対処ということで。でも、異世界に行くって、結構こういうことなんじゃないかとも思ったり。同じ現代日本の中でさえ、ところ変われば常識も違ってくることがありますし。

そして、だからこそ、さりげなく助けてくれる人のありがたさも身に染みるものがあるわけで。アルフォートさんのこの辺の気遣いは、なんというかうまい。実は不快な目に遭わないようにあれこれ気を配っているみたいなんだけど、そのアプローチがこちらにそれと思わせないくらいにさりげなくて。主人公もいろいろと気をとられていることはあるんですが、はっと気付いてよくよく考えてみて初めてそれらしきところが思いあたる程度なんだからもうすごい。一応形式上は夫婦になってるんだからその手の気遣いは当然かと思いきや、普段は人前で仲の悪くない新婚夫婦として違和感ない程度の振る舞いしかしないようでありながら、あちらでもこちらでまるで温室に入れられているかのように大切にされているらしい。そうとわかったときのふわっとした感覚はなかなか不思議な味わいでしたね。しかしそうなると、気になってくるのはそのアルフォートの内心。目の前で危険にさらされそうになると当然助けてくれるし、どうも色々気を遣われてもいるらしい。それなのに、表立って主人公への気持ちを表すことはまずなくて。主人公の方の都合もあれ、どうにも仮面夫婦のような印象を受けてしまう。まして、アルフォートには意中のお相手がいるという噂もある。主人公が最終的に元の世界に帰ることになるならそれでもいいんでしょうけど、だんだん今いる世界に愛着やしがらみやらを感じるようになってきていることですし、その辺り気になるところですよね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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