2014年08月06日

カンピオーネ!(14)八人目の神殺し

カンピオーネ! 14 八人目の神殺し (集英社スーパーダッシュ文庫) -
カンピオーネ! 14 八人目の神殺し (集英社スーパーダッシュ文庫) -

これまで謎に包まれてたアイーシャ夫人がついに登場……なのですが、これ完全にアカン人や……。

暴君や傍迷惑なトラブルメーカー揃いのカンピオーネには珍しく長く隠棲しているということで、名前もあいまって静かに余生を過ごす老夫人然とした人を想像してたんですが、そもそもそんな人畜無害な人が神殺しになんてなれるわけなかったですね。一見しただけでは争い事と縁の薄そうな人ではあったんですけどね。まあそこいくと護堂も普段は平和主義者を自称してますが。彼女の場合、暴君としての自覚が全くないままに周りを巻き込むから余計に性質が悪いというか。なまじ感受性豊かに役になりきっちゃう性格なものだから、回避できるはずのところで問題がどんどん大きくなっていくという、立派なトラブルメーカーでございました。彼女自身はそれも含めて楽しい体験とでも思ってるんじゃないかと思えるのがまた手に負えないのですが。

とはいえ、彼女の能力ってすごく面白そうであることは確かなんですよね。簒奪する能力はカンピオーネ本人の特質に合わせて調整されるとのことですが、今回明らかになった彼女の能力はすべて、時空旅行者として様々な世界を渡り歩くのに便利なものばかりでしたよね。それも、他所から来た外部者としてではなく、あたかもその時代その場所に生きる内部者として。個人的にはすごく羨ましい権能の数々ではあります。

それと、今回の時空移動に関して、サルバトーレ・ドニはRPGのようなものと言ってましたが、それも頷けるというか。今とは違う時代、別の場所に飛ばされて、そこで何をするか何ができるかは己の力量次第って、どんだけ自由度高いゲームですか。死んだらそれまでという条件はありますが、カンピオーネほどの力があれば限界なんてないに等しいじゃないですか。不覚にも面白そうとか思っちゃったじゃないですか。そんなこと言ってられる状況じゃなかったんですけどね。

それにしても、アイーシャ夫人の権能で飛ばされるのは、この世界の別の時代かもしれないし、そもそも世界からして異なるかもしれないと言われていたのに、当たり前のように竜がいるにもかかわらずよく過去の時代だとわかったなあと驚かされたりも。とはいえ、作中世界では、まして魔術の世界に身を置く者ならば、竜が闊歩する古代ローマという事象を受け入れるのに疑問はないのかもしれませんね。どうも自分の中では歴史と幻想生物がすっと繋がらなくて……。しかしそれはともかく、設定としては確かに神殺しは現代以外においても出現しうる存在ではありました。その過去のカンピオーネその人が登場する。それも、後代の歴史にも名を残すかもしれない人物として登場する。こういう設定は燃えますね。過去のカンピオーネたちがどれほど歴史に爪痕を残してきたのかとか、ロマンですよねえ。シリーズの根本的なところでも、神話と歴史の繋がりは切っても切れないものですし、引き続き作者による歴史とカンピオーネの邂逅の物語を楽しませてもらいたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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