2014年07月08日

蔦王(外伝)瑠璃とお菓子(2)

蔦王外伝―瑠璃とお菓子〈2〉 (レジーナブックス) -
蔦王外伝―瑠璃とお菓子〈2〉 (レジーナブックス) -

Web版既読……のはずだけど全然記憶にない話ばかりでした。まあその分、二回目のはずでも新鮮に楽しむことができたということで。

話の方はといいますと、全編通して甘々でございました。なんてったって、立派な宰相であるクロヴィスから好意を寄せられていることを信じられなく思いながらも彼と過ごす時間を楽しく感じていたルリが、だんだんクロヴィスへの好意を自覚していき、ついには結ばれるところまでいくわけですから。甘い話にならないはずがありません。特にこの二人、ただお茶してるだけでもとても心地のよい雰囲気を漂わせてくれるので、その上に二人の仲の進展まで組み合わさったらもうすごいですよ。

とはいえ、二人が結ばれるまでに乗り越えるべきハードルって、ほとんど残ってませんでしたよね。なので、展開は穏やかなものだったように思います。主に二人が普段会って話をするお茶の時間のように。でもそのゆったりとした空気がいいんですよね、やっぱり。そしてそんな時間の中で、ちょっとずつ、ルリがクロヴィスへの好意を表しだすのがね、すごくよかったんですよ。今回、一章目の時点ですでにかなり糖度の高いカップルでしたけど、さらに甘々になるんですよ。仕事で不機嫌になってたクロヴィスにお菓子を食べさせてすっかり機嫌を回復させてるのとか、たまりませんでしたね。特別であることを感じたり、嫉妬したり、段階踏んで、もっと一緒の時間を過ごしていたいと思うようになるんですよ。一緒の時間に流れる空気が幸せいっぱいになっていく感覚。すごくよかったです。その極地である9章ラストは至福でした。その後に盛り上げどころがないまま終わってしまったので、本当にこれで終わりなのかと今でも信じられないところです。

それにしても、一章タイトルの「瑠璃と魔法」、この巻のポイントはこの魔法だったように思いますね。といっても、実際に魔法が存在するのではなく、想いを伝えたいという意思が魔法のような素敵な結果を導いてくれるというようなことだったんですが。その過程で登場するのは惚れ薬……ではなくお菓子。すべての始まりは、タイトルにもある通り、このお菓子だったんですよね。お菓子を通してクロヴィスとルリは出会い、その出会いによって、鬼の宰相とまで呼ばれていたクロヴィスが柔らかな表情をよく見せるようになり、太后への恩返しだけを考えていたようなルリがクロヴィスとの未来を望むようになった。きっと魔法を使ったんだって、そう思ってみるのも素敵なことじゃないでしょうか。そしてその魔法はルリの周囲で広がりを見せていたようで、アンナ嬢が手作りお菓子で恋をつかんだ話は、魔法の効果をより信じさせてくれますよね。勇気を振り絞ったアンナの思いに、ちょっとだけあと押しをしてくれたのかなあと。

ともあれ、素敵なお話でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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