2014年05月20日

オーバーロード(1)不死者の王

オーバーロード1 不死者の王 -
オーバーロード1 不死者の王 -

ファンタジーとしての整合性をもって作られたゲーム世界に、ネタやよくわからないこだわりのつまったHNとかリアルを感じさせるやりとりのミスマッチ。このイタさがMMOだ……(偏見)。《至高の四十一人》のHNが文中に現れる度にいたたまれない気持ちになってしまうのですが、慣れてくればこれはこれで笑えるところでもあり。

しかし、それはさておき、主人公であるモモンガが端々で漂わせていたかつての仲間たちへの郷愁はいいものでしたね。全盛期にはゲーム内ランクの上位に位置したギルドのメンバーも一人減り二人減り、ついにたった一人でMMO自体のサービス終了を迎えることになってしまう。そんな中で思い出のギルドホーム、思い出の品々を眺めながら往時を偲ぶ様子といったら。見ているこちらとしてもたらたまらない気持ちがこみあげてくるじゃないですか。それに、かつての仲間たちはおらずとも、その仲間たちが細部まで作り込んだギルドのモンスターたちは生を得てギルド、つまりはモモンガに付き従っており。そんな彼らを眺めているうちにも戻ることの叶わない時への懐かしさと寂しさを覚えたりとか、他のギルドメンバーが作ったアルベドの設定を一部とはいえ改変してしまったことに罪悪感すら抱いている様子がこれまたよくって。総じて、この巻の中盤くらいまでは郷愁漂う雰囲気が全体的に流れてたように思いますね。そこまでユグドラシルにいれこんでたんだなあと。そこから次に移れず取り残されてしまったんだなあと。そうわかるとなおさら寂しい気持ちにもさせられます。

けれどそこからの終盤、なんですよね。かつての仲間たちはもういない。だけど、モモンガがいる限りギルド=アインズ・ウール・ゴウンは不滅である。ならばどうやら迷い込んでしまったらしい異世界で、かつての栄光を取り戻すのだ。世界にアインズ・ウール・ゴウンの名を知らしめてやるのだと、ギルドのモンスターたちに命じる場面はぞくぞくするような高揚感が抱けましたね。モモンガ改めアインズの強さはこの世界の強者と比べても遥かに上の水準のようですし、圧倒的な強さを見せつけつつ駆け抜けてほしいですね。「この世界を御身の元に――」を実現するその時まで。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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