2014年05月05日

連射王(下)

ハードカバー版既読。最初で最後の挑戦の緊張感と高揚感は改めて読んでもよかったです。

考えられるあらゆる対策を練り、許されるすべての時間を準備に費やし、持てる力を余すところなく振り絞って挑む、一度きりのゲーム。その日のために最善の準備を整えてきたから発揮されるのは紛れもなく全力で、だからこそ本気が試される。今出せる最高の自分はどれ程のものなのか? ベストな状態だからこそ言い訳は利かない。プレイが終われば否応なしに結果は突き付けられる。読んでるこちらがピリピリしてきてしまいそうな緊張感。けれど、下手に考えだすと悪循環に陥ってしまいそうなことは、いざ挑戦しようとする高村の頭に浮かんでくる様子は特になかったんですよね。それはそれほど集中した状態になれていたということか。相手がどう来るか、それをどう迎え撃つか。つまるところいかにして勝つか。シンプルにそれのみを考えている状態だったんですよね。無我というか気負いがないというか、書いてしまうとそれだけなのかもしれませんが、「本気になれるのかな?」なんて考えてた高村が、竹さんたちとの出会いや岩田たちとの関係を通して、己自身の力でそこにまで至る、そこが青春ゲーマー小説としての感慨を抱かせてくれるんですよね。ラストの、ちゃんと向き合おうと決めた岩田の前で、竹さんの思いに触れながら最高潮に上り詰める展開は、そんなことを思わせてくれる素晴らしいラストなのですよ。

この本気のさらに先を読んでみたいような気もするし、それは自分自身で体験するべきな気もするし。ともあれやはりいい話でした。

惜しむらくは、初読の新鮮さは最早味わえなかったという点になりますが、それは言っても仕方ないですね。ページ内のレイアウトとしては、上下二段でぎっしり詰まってた方が、疾走感があってよかったかなあという気もしますが、これも初読じゃなかったからかもしれません。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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