2014年03月06日

ミスマルカ興国物語(エックス)

表紙を見た瞬間に「全裸の主人公のっけてくるとは……さすがこの作者はぶっ飛んでるぜ」と驚き笑わされたものですが、その時にはすっかり忘れていたのです。捨て身の行動力には目を瞠るものがあるとはいえ、頭と口先を用いる場をこそ戦場としてきた軟弱タイプのマヒロが、あんなにムキムキなわけがないということを……。おそるべし、ゼンラーマン。彼の者の主張する“自由”のなんと奔放なことか。その堂々たる様は、草ぐさに語られるにふさわしく……とか、言い繕おうとしたけど、ダメだ。どうしても噴き出さずにはいられない。存在自体が反則ですよ、ゼンラーマンは。それに無茶苦茶すぎる展開なのに、しっかりいい話にまとめてしまうものだから、唸らされる。しかも、番外編のようでいて本編での次の話の布石にもなってるのですから。林トモアキおそるべしと、そういう結論にもなってしまいますよ。

シャルロッテお姉様についても、『ミスマルカ興国しない物語』のような横暴ぶりを見せつけてくれつつも、第一部で印象的だった帝国政府の要人としての顔も見せてくれて。満足のいく一冊でしたね。彼女、基本的に政治的なバランス関係に気を遣ってる人なんですよね。記者の真似事もその一貫でしょうか。親がそういうのからきしな人だから長女たる自分がしっかりしなきゃということなのかどうかはわかりませんが、なんにせよ急激な膨張を遂げた足下で危うい均衡が成り立っているのはよく理解していて、今の自分が何の対処もできないことも承知している。だからこそアクロバティックな解決を目指すマヒロに対しても、分の悪い賭けによる悪影響に思いを致し、すごい剣幕で立ち塞がらざるをえなかったのかなあと考えると、やっぱりいいキャラだよねえとしみじみ思うのです。まあマヒロはそんな彼女の思考の枠を飛び越えていってしまったわけですが。一方でプライベートの方では、やはり横暴ぶりが素晴らしかったのですが、これについては仕事の上で気を遣うことが多い反動という面もあるのかなと思えたり。無茶苦茶やるのって、基本的に気を緩めれる時に気を許せる相手に対してだけですもんね。横柄な言動の端であれこれ悩む義弟(予定)を励ましてみたり、家族想いなところも窺わせてくれるからいいんですよね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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