2014年01月16日

氷と炎の歌(3)剣嵐の大地(下)

剣嵐の大地 (下)〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1878) [文庫] / ジョージ・R・...剣嵐の大地 (下)〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1878) [文庫] / ジョージ・R・R・マーティン (著); 鈴木 康士 (イラスト); 岡部 宏之 (翻訳); 早川書房 (刊)

ピーター・ベイリッシュの口から語られる、玉座を巡るゲームの作法。言われなくとも経験則として体得していく人が多いのでしょうが、わかっていない人に言って聞かせる人物として、この人ほど相応しい人物は他にいないのではないでしょうか。ほとんど貴族と呼べないくらいの低い出自から王家の財政を預かる大臣へと登りつめ、さまざまな人々の思惑が渦巻く宮廷で尻尾を出さずに己の有能さを印象付け続ける巧みな陰謀家。彼なくしてはうまく回らない懸案もあることから、ティリオンとしても頼りにせずにはいられなかったのですが、借りを作りすぎるとあとからとんでもない利息とともに回収されていきそうな油断のならなさがあるというか。宮廷内での立ち回りを見てても、あちこち引っ掻き回していて何か企んでいるのは確実なのですが、腹の裡を覗かせるような隙を見せないやり手のプレイヤーなんですよね。

ここでいうゲームなんですが、試合や決闘のような真剣な意味合いを含みながらもただの娯楽としての刹那的な意味も含みうる、そんな感じのゲームなんですよね。もっというと、賭け事に近いでしょうか。己の地位や財産などひっくるめてすべてを賭け金とし、勝者となった指し手が他のプレイヤーたちの賭け金と玉座それぞれの所有権を得るという、そんなお遊び。ただしこのゲーム、第一部の原題“A game of thrones”が示すように、一回だけで終わるものではなく、人の社会が続く限り最後などというものも存在しません。負ければすべてを失ってしまうかもしれないことから、参加者は少しでも優位に立つべくありったけの手札をかき集めようとするでしょう。あるいは頭を下げ、あるいは取り引きし、あるいは脅し、あるいは奪うことで。そうしてあらゆる人々が巻き込まれていき、人の世はあたかも巨大なゲーム会場のような様相を呈してくるのですね。これが〈リトルフィンガー〉流の世界観なのでしょうか。なんともはや。生きるための格闘をしている人物たちと比べるとあまりにも享楽的ですが、いかにも策謀家らしい匂いを感じますね。

そしてそのゲームを支配するルールですが、それがこの間から何度も書いてきた力の秩序だと思うのですよ。力あるものが勝つ。実にシンプルですが、勝利に至る道筋は一つだけではありません。第一のゲームの勝利者はラニスター家だったと思いますが、彼らの勝利に一番貢献した手段は婚姻によるものでした。王となったロバート・バラシオンに当主タイウィン・ラニスターの娘サーセイを嫁がせ、ロバートが崩御すればラニスター家の血を引いた新王が誕生するという、奇策も何もない真っ当な方法。とはいえ、タイウィンは小よく大を制すようなやり方ではなく勝つべくして勝つやり方を好みそうな人ですし、彼らしいところでしょうか。物語的な面白味には欠けますが、この方法は角の立つところが少ないので横槍を入れられる恐れが比較的小さいという利点があります。どうしても時間は掛かってしまいますが、待つことさえできればリスクも抑えることができるでしょう。王に娘を嫁がせることのできる、大貴族ならではの手段ですね。次いで、金の力も。領内に抱える鉱山を背景に、ラニスター家は金払いがいいとの世評が出来上がるほどに金をばら撒いてきてるんですよね。気前の良さを示すためにやりくりに苦労してる感もありますが、でもちゃんと見返りを用立ててきたからこそ、作中のゲームが始まって以来、ラニスター家を見限った配下諸侯はほとんどいませんよね。もともとジョフリーには、おそらく男系長子相続である七王国の法的にも正当性があったことに加えてその勢力の大きさですからね。スタニス・バラシオンはジョフリーの正当性の裏に隠れた秘密を知るや血筋で以って、レンリー・バラシオンは並びに多数の配下諸侯の支持も根拠に挙兵しましたが、結局はラニスター家勢力に軍配が上がったんですよね。そうして玉座の正当性はジョフリーとそれに連なる者の上にあり続けているわけで。ただ、かなり危ういものでもありますので、結局ものを言うのは軍事力なのかなという気もしなくはないですが。この状況から〈リトルフィンガー〉はどう盤面を推移させるつもりなのか。ここはお手並み拝見といきたいですね。なにせ、彼の前に立ちはだかれただろう歴戦の指し手たちは次々とゲームから退場していっているのですから。どこまで幅を利かせることができるのか、注目したいところです。

第三部のタイトルは“A storm of swords”でしたが、まさにその名にふさわしく嵐が吹き荒れましたね。重要人物と思っていた者たちが次々と退場していってしまいましたよ。シリーズ開幕当初は、ロバート・バラシオンやエダード・スタークを始めとして手腕はどうあれ経験豊富な大人たちがおり、時に頼れる存在として、時に手ごわい障害として、視点人物の多くがそうである、彼らの子供たちの世代にとって存在感を放っていました。それが、この第三部の幕が下りた頃には、ほとんど視点人物たちの世代が社会の第一線になってしまった感すらあります。もちろん彼らより年上の人々はそれこそ数えきれないほどに生きていますが、何かあったときに庇ってあげられるような彼らの傘ともなり得た人物はほとんどいなくなってしまったんですよね。つまり、彼らは守るもののない生身でこの乱世と向き合っていかねばならなくなってしまったということで。成人しているならば当然なのかもしれませんが、未熟な部分を多く抱えたまま厳しい世界に身を置くことを思うと、誰も彼もが心配でたまらないのです。とはいえ、むしろ、それほどに登場人物たちに愛着を持てたことを楽しむべきなのでしょうか。いえ、いえ。ここは無法もまかり通る、暴力の社会。アリアのような図太さと幸運を持ち合わせた子ばかりならまだしも、老獪さには遠く、さしたる武力も持たない者たちを、どうして心配せずにはいられましょうか。

その吹き荒れた嵐について。“a storm”というにはどうも色んなところから吹き付けてたように思うのですが、あえてその嵐の中心がどこにあったかと考えてみると、スタニス・バラシオンにあったように思います。ブラックウォーター河の戦いに敗れ、配下諸侯の多くにも鞍替えされてしまい、すっかり風前の灯火のような小勢力に落ちてしまったかに見えていたのですが。それが、再び侮れない動きを見せ始めてるんですよね。それに貢献したのは、レディ・メリサンドルとダヴォス・シーワースでしょう。特に、レディ・メリサンドル。この第三部にて死を迎えた中の三人の人物について、明確な因果関係を指摘することはできないのですが、彼らはすべて〈光の王〉に祈願する形でスタニスが呪詛を贈った人たちでした。呪詛が行われたときにはそれこそ気休め程度にしか思えなかったのですが、それがこうも間をおかずにその三人ともが死を迎えてしまった事態を目の前にすると、〈光の王〉というものの不気味さがさらに増して感じられずにはおかれないのです。スタニスは、いったい何と手を結んでしまったのでしょうか。そもそもスタニスは野心など持たぬ人でした。兄からは厚遇されず兄の臣下からも慕われることはありませんでしたが、その不満に身を任せることなく、ただ義務に従い生きてきたようでした。それは今も変わりありません。しかし、ジョフリーに関する醜聞が彼のもとに届くと、彼を真なる王として担ぎ上げようとする者たちが現れました。レディ・メリサンドルもその一人。彼女はスタニスをさらに偉大なる王となる人物だと触れ回り、それで周囲もすっかりその気になっているんですよね。それでも、スタニスの姿勢としては何ら変わるところはありません。大義名分が立ち、配下諸侯の皆がそう言うのなら、それに従うのが義務というものだろうと。この点、特にスタニスの王妃一族とスタニスとの挙兵における温度差にはっきり表れているところでしたよね。そういう意味では、スタニスにとっても、ご立派な理屈よりも目の前の希望薄い現実を見ずにはいられないダヴォスの方が、威勢のいい言葉ばかり並べたてる側近たちよりも信頼を置けるところなのかもしれません。なにより、ダヴォスは挙兵以前からずっとそんな性質だったようですから。本人はあまりの引き立てられように居心地の悪さを感じているようですが、二人のやりとりはそれに値するほどに、気塞ぎしそうな重苦しい空気の中でもじわりと温かい信頼感のこもった雰囲気を感じますからね。再起の道を踏み出し始めたスタニスの勢力、今後の動きにもまた目が離せなくなってきたところです。

呼び込まれた風を受けて状況が好転してきたのがジョン・スノウと表紙にも描かれているサムウェル・ターリー。マンス・レイダー率いる壁の向こう住人たちに圧倒的な兵力差で襲い掛かられ、〈壁〉を利用して押し返してはいたものの、一人また一人と仲間が倒れていくのは見ているだけでも苦しかったですよ。しかも〈壁〉の外側だけでなく内側にまで敵が出現するというおまけつき。マンス軍だけでも時間が経つほど数の多い向こうの優位がはっきりしてくる戦況だというのに、内側で不和を煽られてはたまったものじゃないですよ。まじで勘弁してほしかったというか、ジョンはもうマンス側についちゃってもいいんじゃないかと一瞬思ってしまうほどの苦境でしたが、ここでは吹き荒れた嵐のなんとありがたかったことか。この不意の襲来は、ブラックウォーター河の戦いの再現を見るようでした。マンス軍が打ち払われたことで、彼らとの接触から始まったジョンの逆境は終わりを告げたように見えます。思ったよりも早く再び風を受けて上昇しだしたことに嬉しさも感じますが、その一方で、本当にあの挫折を乗り越えられたのかという疑問もあったり。劇的な展開の連続で何もかもが好転しているような印象を受けてしまいそうになりますが、その最中に提示された〈冥夜の番人〉にふさわしからぬ現世的な見返りに対して、彼が言下に断れぬ魅力を感じてしまったのも事実ではあり。おそらく今後、それを選ばなかったことを何度も後悔することになるんだろうなあと思いますが、一度自覚してしまった欲望を忘れ去ることは不可能でしょう。今後はそうあらんとする理想と、甘美な欲望への誘惑という相容れない二つの感情をより意識しながら歩んでいくことになるのでしょうか。ううむ。理想に燃える若人もいいですが、そこに悩める若人としての像も加わるのであれば、これはこの先の歩みがすごく楽しみになってきますね。

一方のキングズ・ランディングでは、吹き荒れた嵐は混迷をもたらしていきました。ピンポイントで重要人物があるいは倒れ、あるいは彼の地を離れていくのですから、今後の情勢はかなり読めなくなってきましたよ。残った中で手ごわそうな人物というと、ヴァリスくらいなのではないかという気も。サーセイ・ラニスターも易からぬ人物だとは思いますが、それもラニスター家の背景ありきですし。指し手として未熟な者たちばかりが残ると、うまいやり方がわからずにごり押してより悲惨な様相を呈することになるのではないかとの危惧もありますが、どうなるかは蓋を開けてみないとわからないところがありますね。

この地で注目すべき人物はティリオン・ラニスターだったでしょう。サンサ・スタークからは怯えられ、ジョフリーとは嘲りと皮肉の応酬をしている間に険悪になっていきと、彼としての逆境は進行中というところでしたが、それも前者はすぐには無理としても、後者はタイウィン・ラニスターがそのうちジョフリーにきついお灸を据えてくれればそれ以上の悪化は避けられるだろうと期待していました。それが、ねえ……。事態が唐突に起こりすぎて何も考える余裕なんてありませんでしたよ。まあ確かにジョフリーには多くの人たちが嫌な目に遭わされてましたし、いつか仕返しされる展開を望んでるところはありましたが、もうちょっとちくちくとやってほしいところだったんですが。いや、でもその後推測で導かれたブランの件での主導説に接するとやはり慈悲はいらないのだと思えてきましたが……って、それがどうも復讐ではなさそうなのは、陰謀はびこる宮廷の恐ろしさでしょうか。一番に疑われてしかるべきがティリオンで、ティリオンの視点から見てそんなことができるとは思えないけれどやはり一番疑わしいのがサンサになるのは当然のところ。とはいえ無実だとわかっていても、有力な反論もできずに追い詰められていくのは効きましたね。一枚一枚希望の皮を削ぎ落されていく感じというか。あの時のティリオンの行動を見てれば、どう見ても疑わしすぎましたから。疑わしすぎて逆に無実なんじゃないかと思われてもよさそうなものでしたが、もとが嫌われ者であるだけにその様子はなく。彼の肩を持とうとする人物の登場には希望が見えもしたのですが、「わかってたよ、ちくしょう!」と叫びたくなるような落ちが待っており、ここに彼もちょっと前のジョン・スノウのような挫折の時を迎えたかの感があったんですよね。とはいえそこからが謎というか、死を間近に控えた時分に、忘れ得ぬ昔の事件の真相を聞かされたからといってなぜあれほどの憤りを発したのかがまるで分らないんですよ。あれはもうとっくに終わったことだと彼の心の中でも整理されているものとしか思えないのですから。なぜそんな昔のことで恨みを抱けるのか、それに何の意味があるのか、本当に訳が分かりませんよ。醜悪な外見を乗り越えていく物語の持ち主だと思っていましたが、勘違いだったのでしょうか? それとも、別の道に移り変わってしまったのでしょうか? このままでは、本当に生きたことそのものが罪になってしまいそうではないですか。

対してわかりやすさを見せてくれたのがその兄、ジェイミー・ラニスター。彼は好んで策謀を巡らすような人物ではなく、明確な目標を見据えることで強さを発揮する人物なので、そんなに複雑さを持ち合わせ得ず、また複雑な事態にも明快には対処しえないんですよね。リヴァーラン城にてキャトリンと対した時には手ごわそうな印象を受けもしましたが、その時は誇りあるラニスター家の一員としての矜持と、愛するサーセイの不利になるようなことはすまいという確固とした思いがそう見せてたところがあったように思うのですよ。それが、ようやくキングズ・ランディングにまで帰り着いたかと思うと、かつてのような明快な情勢はすでに過去のものとなってしまっていたんですよね。女としての顔で歓待してくれることを期待したサーセイはジョフリーの母としての顔で対面されることですれ違いが生じ、それでもこれまで通り〈王の盾〉の一員としてあらんとしたところにタイウィンが父の息子としての立場を説きだしたことからむきになって喧嘩別れをしてしまいと、囚われる前までは順調だったことが次々とうまくいかなくなっているのが印象的でした。そしてそれらのことに対して、何ひとつ有効な行動を取れないでいることも。今や彼はかつて手に入れてきたもののつけを払わされだしているようではないですか。

そんな彼が今でも愛するサーセイとの未亡人つながりでライサ・タリーを。今回のアレな場面特集としては何を置いてもこの人が筆頭でしょう。この欲求不満を募らせた未亡人がひどい。ちょっと前にピーター・ベイリッシュが、キングズ・ランディングの評議会で口にした卑猥な冗談がまさにその通りだったというか。なまじあらゆる人に対して心を閉ざしているだけに、ただ一つ二つばかり開いている扉から入れば驚き呆れるばかりの相好の崩し方をするというか。なんにしろこれはないわーというところでしたが、加えて彼女、あの嫉妬深さはヤンデレの卦がありますよね。もうちょっと言葉を取り繕って言うと、精神がおかしくなりかけてるというか。あかん、もっとひどい言葉になった……。それはともかく、記憶を捏造するまでにピーターを恋しく思っていたのはわかるのですが、それでもあることないこと言い散らして当たられるのはサンサとしてもどうしていいのかわからないところだったでしょうね。

同じくアレな話題つながりでは、裁判で閨の睦言を暴露されるの巻でしょうか。あれはね、ベッドで聞かされればとてもいじらしく聞こえもするのですが、他人事として素面で聞かされた日には大爆笑ものですよ。しかしそんな中でも厳しい顔を崩さないタイウィン・ラニスターを見ていると、ここは笑ってはいけない裁判か何かですかとどうでもいいことが思い浮かんだり。

何の話だったっけ……。そうです、サンサのことです。キングズ・ランディングから叔母であるライサの住まうタリー家の居所に身を移したサンサでしたけど、その実態はキングズ・ランディングにいた頃とほとんど変わらなかったんですよね。政略結婚のための利用価値はあるからと養われているけれどたびたび領主の横暴に晒されずにはいられないという。ライサはジョフリーに比べたらまだましでしたけど、それでもできれば関わり合いになりたくなさそうな人だなあというそれまでの印象を裏切らない厄介ぶりで。早くそこからも脱出できたらいいのだけどと思ってはいましたが……。いったい、誰があそこまでやれと言いましたか。あのラストはすっとするものもありましたが、やりすぎ感はどうしたって否めませんよ。ここにも嵐の吹き荒れたようにも見えますが、かといってここにまでスタニスが関係しているとは思えないんですよ。ううむ、ここは彼の思惑とも合わせて今後が気になるところです。

そしてサンサの妹、アリア・スターク。表舞台からはかなり縁遠くなってきている本人ですが、やはり彼女には数奇な運命を感じますね。ヴァラー・モルグリス! 転々と旅を続ける彼女の道行きは一体どこまで続いていくのでしょうか。なんだかわくわくとすらしてきますね。双子城での悲劇で打ちのめされた心も持ち直した感がありますし。というか、サンダー・クレゲインと絆めいたものが芽生えてた印象もあるのですが、やはり彼は小さな女の子と何かそういう縁があるんでしょうかね。あまり深入りしないが吉でしょうか。

さて、遠く海を離れてデナーリス・ターガリエン。一番期待の人物であり、その後の快進撃ぶりも実にこの人ならば生きづらい戦乱の世にも風穴を開けてくれるのではないかとの念を強くさせてくれるところではあるのですが、ただその一方で、やはり彼女ほどの人物でも一人の力でなせることには限度があることもわかってきて。それを知らしめたのが、彼女が陥落させ、後にしてきた二つの都市のその後の様子。確かに、彼女のしてきたことは素晴らしいことのように見えたけど、それがどのような恩恵かを心の底から理解できていない人々からしてみれば、旧体制を破壊していっただけにすぎないんですよね。力の秩序の下では、それで何もかもがうまくいくかというとそんなことは全くなく、旧体制で登りつめれなかった人たちがすぐに権力闘争を始め、あっという間に乱世に突入してしまうのみで。その情報に接すると、デナーリスならずとも空しさを覚えてしまいますよね。しかしそれで諦めてさっさと先に進むことにしなかったのは、自らがその破壊をなしてきたとの責任感が引き止めたのでしょうか。なんにせよ、望ましい体制は下から出来上がってくるのを待つより上から無理にでも押しつけた方が早く出来上がりそうですからね。そもそも誰にとっての望ましさかというと、統治する上の人にとってですし。それと、消息を断ったものの行方次第では面白いことになりそうだと思っていた彼がここにいたかという。正直忘れかけてもいましたが、そうなると、彼女だけでなく、彼女の周りに集まる人々からも目が離せなくなってきそうですよ。

それと、気になるのはジョラー・モーモント。彼は愛のための裏切りではなく金のための裏切りに手を染めていたのではないかとの疑惑が持ち上がってきましたが、どうも首肯しがたいような。この手の予言はあまり厳密に考えすぎない方がいいとも思いましが、しかし……。それはともかく、彼、すべてを失ってまでも、七王国に帰りたいという思いを抱いてたんですね。どうせ死ぬなら、見知らぬ土地で一人ぼっちでではなく、懐かしの故郷でというところでしょうか。とはいえ、今の彼を見ていると過保護なくらいに女王を守ろうとしているようにも見えるんですけどね。まあそれがうっとうしく感じられるようにもなってきたのですが。

双子城の中でも、力の秩序は渦巻いているのですね。ある者は正当性で、ある者は力で、ある者は謀略で、それぞれ地歩を固めているようで。当主のお爺ちゃんももうそんなに長くないでしょうし、ここもそのうち荒れ模様になってくるのでしょうか。

その他、今回出番のなかったブランがどうなっているのかは非常に気になりますね。あと、今回どころか第三部通して消息不明のリコンについても。ロブ・スタークは、視点人物になったことがなかったということはつまり、重要度がやや低かったということになるのでしょうか。などなど。

さて、次は第四部“A feast for crows”ですね。なんだかずばり屍が量産されそうなタイトルですね。訳者も変わるようですが、ともあれ引き続き大いなる期待とともに楽しみにしていきたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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