2013年12月16日

彩雲国物語 はじまりの風は紅く

彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫) [文庫] / 雪乃 紗衣 (著); 由羅...
彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫) [文庫] / 雪乃 紗衣 (著); 由羅 カイリ (イラスト); 角川書店 (刊)

シリーズ1巻ながら、新人賞受賞作らしく一冊で過不足なくしっかり話がまとまってましたね。あのキャラがここに繋がってくるかーとか、何気なく思えた場面もそこで活かされるのかーとか、前半でばら撒かれていった要素がしっかり回収されていって一つの物語として形成されていく面白さとでも言いましょうか。こういう話は読了感が快くていいですね。普段小説を読むときはキャラクターを重視した読みになりがちですが、こういうのもいいもので。

キャラクターとしては爺さん‘sが一番よかったですね。人生も終わりが見えてきて、生きているうちにできることとできないことが分かってきてはいるものの、それでもなお諦めがたい未練をのぞかせたり、長く生きてきたからこそ自らを置いて逝ってしまう者たちにあって寂しさを感じたりしているのが印象的でした。年寄りだけで茶飲み話をしててもよし、表に出て若人たちを思いのままに翻弄してみせてもよし、裏で秘密裡に汚い仕事をこなしてもよしと、なにやらせてもおいしい感じで。ヒーローとヒロインが存在感で若干押され気味じゃないかなーとも思ったり。

ヒロインはしっかり者のつもりが苦労性体質でぐぬぬとなってるのがかわいくあり。ヒーローは天然ボケっぽいんだけど紙一重なところがあって油断ならんというか。とはいえこの辺は次の巻以降でもう少しじっくり楽しめたらなというところで。

あとは、報われないと知りながらもひっそりと意中の人を恋い慕う女官の想いはとてもよかったですね。異性として愛してもらえないとわかっていても、返せないほどの幸せを与えられた、それだけでそれ以上を望むのは恐れ多いほどの想いを抱くことができる。これも一つの形、なんでしょうね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。