2013年11月16日

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン(2)

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンII (電撃文庫) [文庫] / 宇野 朴人 (著); さ...
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンII (電撃文庫) [文庫] / 宇野 朴人 (著); さんば挿 (イラスト); アスキー・メディアワークス (刊)

ちょっと面白くなってきたように思います。

少なくともイクタというキャラには好感が持てるようになってきました。もともとこの作者の作品は、前作前々作ともに主人公が悩みを抱え込みながら戦うタイプだったのが気に入っていたのですが、このシリーズの主人公イクタは1巻の時点ではそんな線の細さは見られず、図太い怠け者という感じで。飄々としてるのはいいんだけど、それが軽薄な方向に向かっていくと嫌いな要素一直線というところで。そんなイクタですけど、彼の信条である「守るべき時に守るべきものを守る」ことができなかったときに、自らの非力に悩める人としての一面が滲み出てきたんですよね。『アナライの弟子』として、科学の世界に生きる者として、時代を変革しうる知識を有してはいる。しかし、失われてしまったものに対してそれが何の意味を持とうか。溢れかえる悲痛な感情を呑み込み、無理やり対処すべき目の前の現実に目を向けようとして、それでもわずかながらに漏れ出てしまう感情に、自分が思う作者らしさを感じて安心できたんですよ。そういう一面を引き出せたという意味では、死ぬために配置されたようなキャラにも意義を見出せるというもの。思うに、このイクタというキャラは前々作の主人公シンのさらに先を行く人物とも言えるのではないでしょうか。シンは戦うたびに精神をすり減らしているところがあったように記憶していますが、それをさらに繰り返していくといつかすり減ることのできる部分がなくなり、そうするとあれこれ思い悩むよりとにかく現実に対処しようとするイクタのようなキャラになってくるのではないかというか。そう考えると、このイクタというやつはどういう人生を送ってきたのかと気になるところではありますが、それはともかく。状況が悲惨になればなるほど味が出てきているように思えるところがあるんですよね。目の前で失われようとしてるものに出くわしたときなんか、問答無用でしたよね。普段は他人からどう言われようとケロッとしてるくせに、そういうところで摩耗しつくしても失われない心の核が垣間見えるように思います。ちょうど帝国も斜陽のようですし、悪化の一途をたどる情勢に関しては、いいぞもっとやれと思ってしまったり。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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