2013年11月12日

スワンドール奇譚 巣籠の歌姫

巣籠の歌姫 -スワンドール奇譚- (ビーズログ文庫) [文庫] / 剛しいら (著); 鳴海ゆ...
巣籠の歌姫 -スワンドール奇譚- (ビーズログ文庫) [文庫] / 剛しいら (著); 鳴海ゆき (イラスト); エンターブレイン (刊)

うーわー! これはめちゃくちゃよかったなあ。このシリーズって毎回毎回、1巻完結ながらしっかりドラマチックな仕立てに驚かされることしきりですが、今回は特に好みの話だったのでなおさら素晴らしかったですね。

独占欲ばかりが先走る皇太子ジャンクロードと、恋を歌うも自らは恋を知らない歌姫エリナと。こんな二人が幸せに結ばれることなんてあるんだろうかと思えるような組み合わせでしたが、これが実にうまく利いてましたね。夜の世界の住人たちの介入を受けてようやくというところではありましたが、一面的にしか知らなかった互いの理解を深め合うことで、互いを尊重し想いあう気持ちが育まれていく過程のなんと幸せに満ちて思えたことか。当初の関係がいかにもバッドエンド一直線だっただけに、それが鮮やかに裏返っていく幸福感たるや、素晴らしいものがありましたね。そしてあのエピローグ前のラスト。それはなんと幸せに満ちた時間になるだろうか。想像しただけで鳥肌の立つような感動が湧きあがってくるじゃないですか。いや、最高でした。実に至福の物語でした。

歌姫エリナのキャラについては、これまでのシリーズ主人公と同様、悪口言われようがなにされようがとにかく前向きに頑張るというもので、それだけでも応援したくなるものがありましたが、今回は特に応援は必要なさそうな感じではありましたね。なにせ性格が明るいことに加えて、歌姫としてもどんな端役でも聴衆の記憶に留まらずにはいられない天性の歌声を持っていましたから。力になりたいと思わされるところがあったとすればジャンクロードとの恋でしたが、それも同じように思ったか夜の住人たちが手を貸してしまいましたからね。本当に、よくよく人から好かれるキャラですが、だからこそに安心して二人の恋の行方を眺めていられるところでもありましたね。

あとがきにて明かされた年代順ですが、『夜を待つ姫君』が年代的にもっとも新しい時期のものというのはちょっと意外でしたね。もっとも古い時代のものかと思っていたのですが。基本的に屋敷の中が舞台だったために当時の社会の先進的な様子がほとんどわからなかったからでしょうね。

ともあれたいへんに面白いこのシリーズなので、次の巻にも期待ですよ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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