2013年11月11日

おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択

おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫) [文庫] / 石田リンネ (著); 起...
おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫) [文庫] / 石田リンネ (著); 起家一子 (イラスト); エンターブレイン (刊)

ご先祖様がいきなり神と語られてて戸惑った。そんな大層な人だったとは。まあ基本的に魔法が存在しない世界では騎士王絡みの事象は人智を超越してますけどね。とはいえそれは神話の中の神々の一人という感じであって、一神教的な神とは違うのですが。神の末裔を自称している感じというか。

それにしても、まさかルートガーにスポットが当てられる回が来るとは思ってもいませんでしたよ。まあこれまでもアレクサンデルやカールハインツから的確な助言を与えられたりしたことはありましたが、彼らの場合はどこまでも先達という立場であって、内面までは踏み込ませないだけの余裕を感じさせる雰囲気があったんですよね。それに対してルートガーとなると、内面が見えだすと途端に苦悩の色が見て取れる。やや軽薄な印象すら受けていただけに意外な一面でしたね。憂鬱なのはカールハインツさんの役どころじゃなかったっけと思ったりもしましたが、ルートガーの場合は時代が降ってるからでしょうかね。ああいう線の細さは文学青年っぽさを思わせてなかなかいいなあと思わされるものがあるのですが、それはさておき。『王たちの会議の間』に来る人って、同じ系譜に連なる者たちだけなわけですよね。それはつまり、未来もしくは現在進行形の王たちが会する空間ということであり、上に立つ者にしか理解できない苦悩を分かち合い和らげあうことのできる、とんでもなく貴重な場ですよね。偉大な先人の、それも生の苦悩に触れられる場なんて普通あるものじゃないですよ。自由に出入りできるわけではないにしても、優れた君主と言われることになる人たちに悩みを打ち明けられること、またそんな彼らの悩んでいる姿を目にし向き合えること、それは他の人からしてみればどんなに望んでも叶わない貴重な経験ですよね。そんな体験ができるというなら、それやあこの系譜に連なる人たちは立派な君主になるだろうなあと思わせるものがあります。

というわけで、慣らしのための無難な訪問外交のはずが国境問題を抱える緩衝地帯での事件解決に乗り出さざるを得なくなるという、初っ端からハードルの高い外遊となったレティーツィアではありましたが、偉大な先達との交流はやはり飛躍的な成長を促すものがありますね。レティーツィアに足りないものといえば圧倒的に経験であり、そうであるがゆえにイルストラでもノーザルツ公を相手に不覚を取ってしまったのですが、それがほんのちょっと前のこととは思えないくらいの奔走ぶり。無知がゆえの思いきりのよさでもそれは可能だったのでしょうが、レティーツィアの場合はうまくいかなかったらという場合のことを想定せずにいられる立場ではありえない。それでもあれほど自信たっぷりに立ち回ってみせたのは、やはり先達からの薫陶によるものなのでしょうね。そして本当にやりきってみせるのは、自信たっぷりに役どころをこなすうちにそれが自己暗示にもなったからでしょうか。ともあれ今回、現実の身近にいる騎士たちよりも、『王たちの会議の間』の人たちの貢献が大きかったような気が。

まあその騎士たちにもいろいろあったのですが。とりあえず三人目は予想通りというか、むしろ二人目になると思ってたんですが、まああの二人目を予想しろっていうのが無理だったんだという話で。とはいえ、本人はレティーツィアに望まれる人になりたいと言っていたのに、当人から促されて志願する形になるというのはちょっとばかり締まらないというか。その辺は、今後レティーツィアからも頼られる存在へと成長してくれることを期待すればいいのかなというところですが、そこは当人の好みの問題もありますからね。というか、レティーツィアってばその手の話題に躊躇することがなくなってきましたよね。もともとそんなものなかったような気もしますが、愛人ネタもだんだん自分から言いふらすようになってきましたし、実はまんざらでもなくなってきてるんじゃないかと思われるところでもあり、真実の明示が待たれるところです。そして上がり続けるデュークの評価。これはもう愛人コース一直線ですわ。

クレイグさんも、レティーツィアと居るところはほとんどありませんでしたが、ちょっとした場面で冗談めかしながらもそつのない振る舞いを見せてくれるのが年長者としての味ですね。この後のナイツ・オブ・ラウンズの陣容がどんな人たちで固められていくのかが楽しみなところであり。そして国内廷臣向けの点数稼ぎを急ぐレティーツィアの次なる活躍の舞台も。次の巻も楽しみですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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