2013年10月23日

ゲート  自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり  外伝 南海漂流編

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝南海漂流編 [単行本] / 柳内 たくみ (著); ...
ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝南海漂流編 [単行本] / 柳内 たくみ (著); Daisuke Izuka (イラスト); アルファポリス (刊)

また『ゲート』の世界が楽しめるとは。異世界に乗り込んだ自衛官たちが亜神とかエルフとか皇女とか色んな属性の女の子たちに囲まれながら、政治向きなこととか戦争とかで痛快に活躍してみせるこの雰囲気。やっぱりいいものですよねえ。思えば本編の方は、中盤まではすごくワクワクする感じだったのに終盤がどうにも盛り上がりに欠けていまいちな印象になってしまってましたが、全体を通しての雰囲気としてはかなり気に入ってたんですよね。

今回も、無難な外交使節として隣国に向かって用を済ませてくるだけの、さして取り立てたところのない道行きのはずが、偶然に偶然が重なっていく間に地方諸侯の思惑に巻き込まれていって、どんどん大事になっていくこのスケール感がよかったですね。この辺の、敵対勢力の思惑が絡んできてどうなっちゃうんだろうという展開のワクワク感はやはりかなりのものですよね。油断ならなそうな敵と、それに向き合うことになる主人公たちという構図で盛り上げるのがうまいんですよ。今回は特に、最初が伊丹とピニャのお二人様コースだったので、伊丹のもとに向かう女の子たちを一人また一人と描いていく流れがそれはもうテンションの上がるものでした。消息が途絶えた伊丹を心配して甲斐甲斐しく出動していくハーレムメンバーたちを見ていると、グッとくるものがありますよね。

ただ、やっぱり中盤まではいいんだけど話をまとめる段になるとスケールに見合わないあっさりしたものになってしまうというか。どうも最後まですっきり満足させてもらえないのがこのシリーズでもあるのでしょうか。ラストからすると続ける気満々のようなので、最終的にもっとすごい展開を用意してくれるのなら、今回はこれでもいいかというところではありますが。というか、そうなのです。これ外伝と銘打ってはいるものの実質は続編ですよ。なので、まだまだ楽しみにしていきたいですね。

それはさておき。今回は、表紙のイラストを見ればわかる、とは思いませんが、上でも触れたように伊丹とお二人様コースになったピニャに焦点が当たる回でしたね(イラストが少ないこともあって、ピニャのビジュアルイメージって記憶になかったんですよね)。すでに伊丹に自分の気持ちをはっきり告げているテュカやレレイやロゥリィやヤオに比べて、ピニャは本編で彼女たちと同じくヒロインっぽく登場しておきながらまだ同じ位置に立てていなかったように記憶していますから。ようやくという感はありますが、彼女も同じ位置に立てたのは感慨深いものがありますね。まあ本編の方では帝国内での政争などのごたごたがあって伊丹と接していられる時間も限られてましたからね。国内が落ち着いてようやく意中の相手のことを考えられるようになってきた段階ではありましたか。ただしそうはいっても帝国皇太女の立場、いくら一個人としては意中の相手でも政略的に考えるとどうなんだろうという男が相手では、素直に好意を表現できるものではありませんよね。ハミルトンの苦労は同情したくなるものでしたが、ピニャって国家機密云々の話でも窺えるように、政治的な力関係が自然に思考のうちに組み込まれてる人ですからね。それはそれでピニャの美点ではありますが(本編でのひきこもり事案からは目を逸らすとして)、そういう政治的な文脈を超えるのってなかなか難しいんでしょうね。そういう意味で、今回の出来事はいいきっかけでしたね。ボーゼスとハミルトンのお膳立ては功労賞ものということで。

とはいえですね。ここで気になることが一つ。あの二人、どこまでいったんですかね? 伊丹が根っからのヘタレなのでそんなに深いところまでいったとは考えづらいんですが、その後の二人の雰囲気見てると、あの場面で描かれた以上のこともあったんじゃないかと勘繰りたくなってしまうんですよ。なんというか伊丹の方でもウェルカム体制整えてるように思えなくもなかったり。なんにせよ今回はピニャのターンだったということで。個人的にはたいへん満足でございましたよ。

あとは、菅原さんがなかなか情熱的な女性と縁があるようで隅におけないですねとかそんな感じで。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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