2013年09月02日

トロワ・ローズ 列王と騎士に愛されて

トロワ・ローズ 烈王と騎士に愛されて (シフォン文庫) [文庫] / ゆきの 飛鷹 (著); ...
トロワ・ローズ 烈王と騎士に愛されて (シフォン文庫) [文庫] / ゆきの 飛鷹 (著); 横馬場 リョウ (イラスト); 集英社 (刊)

カタカナ語を使わない文章は前作の中華な世界の雰囲気作りのためかと思っていましたが、もともとこういう文章を書く人なのでしょうか? それにこの女性視点でじっくりたっぷりと官能を描き上げる文章、こういうの本当に大好きですわ。読んでいてこちらまで快楽を得ているような気分になるというか。エロはシチュエーションが好みに合うかどうかが楽しめるかどうかを左右する第一の条件だと思うのですが、次いで大事なのがこの文章で匂い立つような官能を表現できるかだと思うのですよね。そこを行くと、この文章は素晴らしい。あまり好みのシチュエーションではなくても引き込まれるものがあるのですから。ここまでの作家さんはそうそういるものじゃないと思いますよ。ゆきの飛鷹さん、この人は要注目の官能作家さんですね。

と、まあ文章がよかったのがまず第一なのですが、ストーリーもいいものでした。政略結婚で隣国の王に嫁いでいくことになった王女さま・セレスティーヌが、夫である王・エドガールに、淡い思いを抱いていた騎士・レアンドルに抱かれ、快楽を教えられ、どんどん淫らに花開いていく流れがたまらなくいやらしいんですよね。エドガールもレアンドルも、セレスティーヌが自分以外の男を相手にしても体を蕩かせていることを思うと腹立たしくもあるのですが、悦楽に身を任せる程に魅力を増してやまないセレスティーヌの美しさを前にすると、狭量な悋気はひどくもったいないことのように思えてしまう。むしろ自分たちの方から誘わずにはいられなくなる。そんなエドガールやレアンドルの心理も実によくわかる姿態でしたよ。

行為の最中はほとんど快楽に翻弄されっぱなしのセレスティーヌですが、どこまでも視点人物は彼女なので、快楽に溺れている心の裡もしっかり描いてくれるのがいいですよね。その中身としては気持ちよすぎて何も考えられないという状態なわけではありますが。それでも、エドガールやレアンドルに与えられる極上の悦びがあり、初めのうちはそのことをはしたなく思う気持ちの余裕こそあれ、次第に相手にこう言ってみろと言われたことの内容すらろくに考えることもできずにもっととねだらずにはいられないまでになってしまう流れをじっくり味わいながら追うことができるんですよね。これがたまらないこといったら。本当にこちらまで気持ちよくなってくるような文章ですよ。

作者もこの三人の話ならいつまででも続けれると書いていますが、確かにこの関係はずるずると続いていきそうではありますね。そしてそれを読んでみたいと思わせるものがあります。この作者さんの文章は、一場面当たりに費やすページ数が多めになる傾向があるように思うので、個人的にはそれも気に入ってる点ではあるのですが、もっと読んでいたかったと思わされるところもあるんですよね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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