2013年08月10日

姫君達の晩餐 王の恋は乾酪のよう

姫君達の晩餐 王の恋は乾酪のよう (ビーズログ文庫) [文庫] / 山咲黒 (著); 起家一子...
姫君達の晩餐 王の恋は乾酪のよう (ビーズログ文庫) [文庫] / 山咲黒 (著); 起家一子 (イラスト); エンターブレイン (刊)

鳥代と珀蓮のカップルはやっぱりすごくいいなあ。広兼と早苗の組も、前回で式にまでこぎ着けた王伊と新祢の組も、いいところはもちろんあるのですが、一番好きなのはやっぱりこの二人ですね。恋人同士、自然な雰囲気で接することのまだできない初々しさすら感じるカップルではあるものの、そうであるからこそ伝わってくる不器用な想いの丈がいいなあと思うのですよ。うまくいってほしいなあと、もっともっと幸せになってほしいなあと、そう思わされるんですよね。そんな二人だから、一歩一歩踏み出すたびにものすごくうれしい気分にさせてくれるといいますか。とはいえ、とっさに出てくる言葉は未だに素直じゃなくって。けどそれが余計にニヤニヤできる感じになってきているのですよね。

この二人の場合、鳥代の方から距離を縮めようにも、珀蓮の前に立つといつもの優雅な物腰がどこかにいってしまうし、だからといって浮ついた言葉は珀蓮の嫌うところだしということで、なにがしかの事件でも起きなければなかなか進展の難しそうなカップルではありましたので、そういう意味では今回の北の国行きはいいきっかけになったのかもしれませんね。当人たちからすればそんなこと言ってる場合じゃない大変な事態ではありますが。というか、鳥代も恋人の危機には途端に頭が回らなくなる人だったのかという。このへん、鳥代と広兼って結構似てるところが多いようにも思いますね。それはともかく、あれこれと搦め手を考えようとしたもののうまくいきそうにないから結局正面から行ってみたというのは、開き直りすぎだろうとも思ってしまうところですが、珀蓮の気持ちも考えるとこの場合はこれが一番いいやり方だったのでしょうね。あんな王様でも、珀蓮にとっては大事なお父様ですから。愛する人との未来を祝福してもらえないというのは、悲しいことでしょうね。鳥代と珀蓮には、そんな嫌なことなんて何一つない幸せの中で式を挙げてほしいものです。

そのためには、魔女を北の王のところに帰してやる必要があるわけですが、どうなることやらというところ。前回の感想でなんかラスボスみたく思えてきたというこの王様なんですが、愛が重い……。愛する人を見つけると自分のものにせずにはいられない独占欲の持ち主だし、その愛し方にしても珀蓮に対してのものがそうであるように極端な接し方だし、すごく子供っぽいんですよ。とはいえこれでも仕事の方はできる人らしいから性格と能力は一致しないというか。それはともかく、こんな人でも親は親だしなにより国王だから厄介なんですよね。でもそこは珀蓮の幸せな門出のため、鳥代たちには頑張ってほしいところ。ただ、北の王の独占欲はちょっと行き過ぎてるところありますよね。いくらどうしようもない程に愛する人を見つけてしまったからって他人の恋人を横から奪っていったらいかんでしょうよ。奪われた本人である連理自身、その恋人よりも北の王を愛してしまってはいたようですが、その男の方にも何らかのフォローがないと恨まれるのも仕方ないというか、むしろ男の方に同情したくなってしまうんですが……。

いよいよシリーズクライマックス間近。重要なキャラたちが一つ所に集まってきて、序盤の見せ場のような盛り上がりを呈してきております。今回一番の見せ場があったのはここまでも書いたように鳥代と珀蓮なのですが、他の組でもそれぞれいいところがありましたね。

特筆すべきはやはり広兼と早苗の夫婦。いい雰囲気になった二人のやり取りはものすごくいいですわ。なんとも言えない心地よさを感じる穏やか空気が流れたり、ニヤニヤしてしまうような色っぽい雰囲気を醸し出したり。一番初めに結婚をしているだけあってか新婚の甘く優しい関係を見せつけてくれますわ。あの早苗の口から惚気まで飛び出すとはね。もう何と言ったらいいのやら。そんな早苗さんは獣になった広兼にでも襲われてればいいんですよということで。広兼としては早苗には二度と危険に首を突っ込んでほしくはないのでしょうが、外の世界のあれやこれやに関わり合いに行かずにはいられない性分の広兼の役に立つためならばとひょいひょい自分の目の届かないところに行ってしまう早苗嬢は、思い通りにならないがゆえにことさら愛おしを掻き立てられる存在なのでしょうね。

王伊と新祢は、ぐったりしてる魔女にイチャイチャしてるのを見せつけてたのが今回のハイライトでしょうか。ほとんどそこしか覚えてないんですが、挿絵と相まってものすごく魔女の苦情に同意したくなりましたね。

そんな魔女ですが、北の王に対する愛はこれっぽっちもなさそうなことを王伊と新祢に話してましたが、なんだかんだで二人なかなか似合いなんじゃないかと思えてきたり。序盤の区切りでは、三組のカップルの幸せな結末が見られましたが、シリーズ完結に際しては彼女も含めてそれ以上のハッピーエンドが見られそうな感じになってきましたね。これは、次の最終巻に向けて期待が高まります。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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