2013年06月10日

スワンドール奇譚 姫を守る姫

姫を守る姫 -スワンドール奇譚- (B’s‐LOG文庫) [文庫] / 剛 しいら (著); ...
姫を守る姫 -スワンドール奇譚- (B’s‐LOG文庫) [文庫] / 剛 しいら (著); 楢咲 コウジ (イラスト); エンターブレイン (刊)

これはたいへんニヤニヤもののお話でしたわ。いがみ合ってるうちに惹かれ合っちゃって、でも素直になれずにいがみ合っちゃう二人がたいへんいいものでした。

マリーナ王女を守るために創設された姫騎士団に入団し張り切って姫騎士の任を務めようとするアルル嬢と、女性を騎士になどするべきではないと考えて姫騎士を冷遇する騎士団団長のジュリアスと。女は家庭で淑やかに過ごしていればいいんだと言いそうなくらいのジュリアス殿下の女性への偏見は、かつての兄の女癖の悪さを反面教師にしてのことだそうですが、それにしたってあの嫌味ったらしい態度は腹立ちますよねえ。序盤は、アルルにはいつかジュリアスを見返してやってほしいなあと、つまりジュリアスは踏み台役程度に思っていたのですが、中盤辺りから途端にニヤニヤできる一面を見せてくるんだから憎みきれないキャラでしたね。アルルとしては、嫌味な上司だけど非常時に備えるためにも最低限度の意志疎通はしておかないととしか思ってないんじゃないかという感じなのに、ジュリアスからは一方的に薄い好意の矢印が伸びだしてる感じが、なんというか不憫さを醸し出しててニヤニヤしてしまったんですよね。それまでのことを思うと自業自得なんですけど。素直になればいいものを、本人を前にすると一層ムキになってしまったりとか、もう年上の貫録台無しでしたね。一方でアルル嬢には気の付くところがあるというか、恋人候補としてはまるで意識してなくとも見返してやりたい相手としてジュリアスのことを気にしてはいたみたいで。寄せられている好意にまでは気付かなくても、よく思っていない相手だからこそ出来る限り把握していようと気を回しているのはいいものでした。きっかけがあってお互い素直になってからは、まあめでたしめでたしということで。でもエピローグを読むと、そういうことなんでしょうか。マリーナ王女は幸せだったのかなと思いますが、一抹の寂しさもあり。

巻によって時代はまちまちなようですが、シリーズを繋ぐ鍵となっているのはどうやら吸血鬼のイパネラ女王のようですね。「針の魔法」に出てきた本の著者も登場しましたし、この話の時代としては、「針の魔法」より100年ほど前ということになるのでしょう。作中でアルルの曾祖母や左目に傷を持つ若者の話が出たりもしましたが、いずれその時代の話もされているのでしょうかと考えつつ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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