2013年05月17日

プリンセスハーツ 初恋よ、君に永遠のさよならをの巻

プリンセスハーツ―初恋よ、君に永遠のさよならをの巻 (ルルル文庫) [文庫] / 高殿 円 (...
プリンセスハーツ―初恋よ、君に永遠のさよならをの巻 (ルルル文庫) [文庫] / 高殿 円 (著); 明咲 トウル (イラスト); 小学館 (刊)

ルシードがかっこいいだなんて……。いやまあ、こと武に関わることでは非凡さを見せる人ではありましたが(それすら忘れかけてたんですが)。今回のオズマニアによる揺さぶりは、武の介在する余地などない政治交渉の枠から出ないはずだったんですよね。けど、そのはずが、賭け試合に絡められたことですっかりルシードの舞台になってしまいましたわ。細かいところを見ればジルの巡らした謀略による御膳立てがあってこそだったのですが、オズマニア側の反論を圧殺してしまうほどの雰囲気を作り出してみせたのは、理屈抜きで人の心をつかんでしまうルシードの求心力によるものですよね。トーナメントに勝利してその望みを宣言した場面なんか、挿絵も相まって本当に惚れ惚れしてしまいそうなほどのかっこよさでしたから。主張の正当性はともかく、ルシードその人を信じたくなってしまう雰囲気でしたわ。前半にてジルから、兵器が好きな物騒な人間だの、頭の悪さを隠そうともしない脳筋だのと散々なことを言われてましたが(一部誇張あり)、それだけにクライマックスで頭が回るだけではとてもできない天与の魅力を見せつけてくれるとギャップがすごいですよ。いやもうお見逸れしました。まあ、その後ルシードとジルがいい雰囲気になったかと思えばまた「管理」だの「監視」だのといった言葉が飛び出してがくっとさせられるのですが。ただこれ、ルシードが言葉の選び方を気にしてるだけで、その気になればその単語を使いながらもいい雰囲気は保てそうですよね。その場合、ちょっと不健全な匂いがしてきそうですけど。

さて一方のオース王子についてですが。いとこの姉妹たちと過ごした子供時代を宝物のように大切に思っているんだなあと気付かされましたね。彼女たちのうち、母と姉はすでに亡くなってしまい、残されたケティクークもそれらの死を起因としてオース父子を憎むようになってしまった。再び彼女からの好感を取り戻すのはすでに非常に難しく、できても長い時間を必要となるのでしょうね。なのでいっそのこと……と考えているのではないかと予想していたのですが、それはさすがにヤンデレすぎましたか。そんな状況でも、オース王子は決して諦めてはいなかったんですね。確かに、彼にはまだたっぷりと時間がある。そして時間がかかるとわかっていればじっと我慢しているだけの分別もある。なので、どれだけ時間がかかってもいいからいつかまた幸せなひと時を過ごせるようになりたいと、それまではどれだけ憎まれたっていいけれど少なくとも彼女を守るために自分の力の及ぶ範囲内に留まらせておきたいと、そう願う心は失った過去への感傷なのかもしれませんが、そこには確かに同じ時間をともに過ごした一人であるケティクークへの愛を感じるのです。報われるかどうかもわからない片想いですが、やはりいいものですね。

ホーリーヒース方面でもどんな展開になるのやらと期待していましたが、こっちはこっちで続きよったという。まあ今回はほとんどルクナックスもといルシードの独壇場みたいな感じでしたからね。とはいえ、舞台はとうとうパルメニアに移るのかという展開を見せてきており、シリーズとしても盛り上がってきた感があります。楽しみですこと。

あと、これはどうしても言っておきたいのですが、前半にあった挿絵の位置がずれまくってたのはなんなんでしょうね。自分のだけかと思っていくつか他の人の感想を見てみましたがちらほらとずれてたと言っている人が見受けられるんですよね。第二版以降だと訂正されてるんでしょうか?
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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