2013年04月13日

機甲都市 伯林(5)パンツァーポリス1943 Erste-Ende

機甲都市伯林〈5〉パンツァーポリス1943Erste‐Ende―都市シリーズ (電撃文庫―都市...
機甲都市伯林〈5〉パンツァーポリス1943Erste‐Ende―都市シリーズ (電撃文庫―都市シリーズ (0595)) [文庫] / 川上 稔 (著); さとやす (イラスト); メディアワークス (刊)

氏の作品は長編になるほど終盤の盛り上がりがすごいことになってくるなあ。ヘイゼルを中心に転輪する世界の運命を未来へとつなげていこうとあらゆる人々が一丸となって立ち向かう展開に興奮は一気に最高潮に達しましたよ。ヘイゼルの苦難と苦悩の時期をじっくり見せられてきていただけに、たとえ一時の共闘であったとしても、敵味方を超えてヘイゼルの掲げる意志の下に集い戦う様相は燃える燃える。

一人、敵に回ってる人もいましたが、あの人の憤りにはアルフレートに重なるものが感じられる気がしますね。前の巻での、ベルガーによるものでもなくヘイゼルによるものでもない、誰の手によるかもわからない彼の退場は拍子抜けしてしまうくらいあっけなくて。そのせいか、この巻でも登場してくれるものと無条件に考えている自分がいて。でもやっぱりもう登場しないことに納得のいかないものがありました。けど、中途半端な決着は許さないと、我々の意思を乗り越えるのなら従わせてみせろと、相容れぬ意志を突き通すなら踏み越えていってみせろと、そう言うかのような矜持を見せられると、アルフレートが最後に見せた意志はまだ死んではいなかったのだなあと思わされます。彼にとっては、それ以前のグラハムらの死からも背負うものがあったことを思うと、生き残ってしまった者として考えるところも多かったのかもしれませんね。

そして、決戦前に熱い夜を過ごしちゃったりして将来の予定もバッチリなヘイゼルとベルガーはというと、こちらもまた最終決戦では固い絆を見せつけてくれるんですよ。それはしばしの別れ。あの展開は悲恋になるのがセオリーな気もするんですが(それもそれで大好物な展開なんですが)、“破滅の転輪”からの脱却を願う意志が一つになって大団円へと一直線に押し上げてていってしまう勢いはもうすごいと言うほかありませんでしたね。いやもう熱い熱い。まさに終わりよければすべてよしなラストでしたね。極めつけは最後の最後のイラストと3行。境ホラでもそうなんですが、毎度、卑怯なくらいのポイント付いた締めくくりで主に涙腺を狙って攻撃してきますよね。一人待っていた5年の歳月を思うとなおさら込み上げてくるものがあります。終盤になって不意打ちの「二度は言わない」と合わせて、ずるい展開目白押しの、素晴らしいクライマックスでした。

刊行順としては次はDTと行きたいところですが、下巻だけまだ手に入ってないんですよね。SFかTOKYOから手を付けてしまおうか。どうしようか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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