2013年04月09日

エレニア記(4)永遠の怪物

永遠の怪物 - エレニア記〈4〉 (ハヤカワ文庫FT) [文庫] / デイヴィッド エディング...
永遠の怪物 - エレニア記〈4〉 (ハヤカワ文庫FT) [文庫] / デイヴィッド エディングス (著); David Eddings (原著); 嶋田 洋一 (翻訳); 早川書房 (刊)

フルートちゃんが喋った!? あのですね、いっくら何度も説明するのは面倒で仕方ないと文句を言われましても、今まで一言も口を利かなかったキャラが突然人並みに喋るようになったら「喋れたの?」と「なんで今まで喋らなかったの?」というセットの質問をせずに済ますのは無関心に過ぎるというものではないでしょうか。しかも明確な転機があったならまだしも本人にしか気付けない時を境にされると、そんなことより事態は一刻を争うなんて言われても、まずそこから確認させてもらえないと頭がついていきませんとも。それが論理を大切にするエレニア人の思考というもの。魔術師的なエレニア人の思考としてはすんなり納得できるんでしょうか? ちょっと理解しかねますね。とはいえ、突然の豹変で重々しい感じを出してきたと思ったら度重なる同様の質問にうんざりさせられている有り様は、見かけの姿もあって背伸びしてる子供みたいで可愛らしくもあり。その後もフルートちゃんの魔術ときたら、見た目には地味だけどスパーホーク一行による探索行の目的からしてみれば計り知れないほどの貢献をしてくれているんですよね。魔術とはかくも非常識な業を為すものでありますか。人知及ばぬ法が支配する奇跡の力。これぞ魔法というものを見せつけられた思いです。前の巻でもそうでしたが、この子がちょっと力使うと難関も途端に扉を開いて招き入れてしまうようなもので。あまりにもするするっと乗り越えられてしまうのは興醒めと紙一重なところではありますが、突然の豹変の直後でもあり、すごいすごいと言っている間に気付けば探索行の目的を達するところまで話が進んでおりました。読んでる間はあっという間だった気がしたのですが、振り返ってみると150ページ以上あったんですね。それを自然に読ませる文章はうまいと言うほかありません。それにしても、前々から只者じゃなさそうなたたずまいを見せてましたが、やっぱりとんでもないキャラだったんですね。しかしあそこまでの魔術の冴えを見せられていると、素直に驚けばいいのか、ああやっぱりと静かに納得してればいいのか、どちらともつかないところだったりします。

騎士や魔術師たちの活躍の陰に隠れがちですが、タレン少年の存在感が増してきているのも嬉しいところですね。というか、実はこの探索行においてはフルートちゃんに次ぐ貢献度だったんじゃないでしょうか。スリの腕ばかりが巧みで、クリクいわくの「ろくでもない」息子というのがぴったり合うような行状ばかり見せてくれる少年ではありましたが、裏の世界とはいえ人脈というものは侮れないものですね。品行方正とは言い切れない騎士も一行の中には多かったですが、それでも教会騎士という身分では持ち得ないつてを活用するところを見せられると、多様性の価値や無駄な経験などないなどといったなにやら堅苦しいことを思わされるものです。まあ最初から少年と思ってかかると痛い目を見るような抜け目のない子供ではあったでしょうか。

さて、旅の目的も達成できたことで、あとは帰るだけという感じですが、物語としてはまだ先があるようですし、帰りの道中も一筋縄ではいかなかったりするのでしょうか? とうとう敵対する古き神アザシュと言葉を交わすまでに至ったこともあり、そろそろ本格的な決戦の時が近づきつつあるのかもしれませんね。次の巻も楽しみです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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