2013年03月06日

そして花嫁は恋を知る 月の女神は黎明を導く

そして花嫁は恋を知る 月の女神は黎明を導く (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)...
そして花嫁は恋を知る 月の女神は黎明を導く (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫) [文庫] / 小田 菜摘 (著); 椎名 咲月 (イラスト); 集英社 (刊)

登場人物紹介のシリウスのイラストが川原正敏作品のキャラっぽく見える……。

それはさておき、本作は二作前の『黄金の都を興す姫』に引き続きイリアティーヌとシリウスのお話でした。そちらからはそれほど時間が経っておらず、巻末の漫画にあったような微笑ましい夫婦のやりとりができるほどの間はまだ形成されていない頃のことのようですね。二人にとって苦々しく不本意な展開をする話ということもあり、夫婦でのんびりしている余裕があったとは言い難いのですが。

そんな中でもシリウスは抑制の利いた人だなあというそれまでの印象を裏切らない人柄を見せてくれましたね。夫となってもですます調は相変わらずですが、出身身分の違いが意識から拭いされなくてところなのでしょうか。このキャラの場合、それがいいというところでもあります。とはいえ、穏やか一辺倒な人ではないというのも相変わらずで、古傷を掘り返されそうになったり自らの信念とは相容れない物言いをされた時には声を荒げたりもしてました。それらの場面で見られるいい格好しいな部分は可愛くもあり、命に重きを置く部分にはそれまでの人生に痛ましさを覚えもし。翻弄され通しの人生を歩んできたからこそのこの人柄なんだろうなあと思えます。民主政を謳うブラーナ帝国の皇帝として困難な課題にも粛々と対処する思慮深さと、イリアティーヌに対して静かに示す愛情と感謝の念と。登場人物紹介のイラストは、それらを凝縮したクライマックスでの一言に込められた思いがよく現れた表情に見えますね。本当にいい雰囲気してくれる二人で、ラストの余韻に流れる穏やかな空気の心地よさはいいものです。

それはそれとして、エリスセレナやアンナマリアの時代でもそうでしたが、ルシアン教の教会関係者はつくづく謀略に絡んできますね。今回は本当にその謀略が実を結んでしまったわけで、シリウスやイリアティーヌにとっては不本意な結末でもあったのでしょうが、その後のブラーナ皇族の帰依の様相を考えると、時代の要請だったのかなあとも思えたり。

エイレーネも突然あんな風に担ぎ上げられて腹立たしいことよのう……とか思っていたら、『緑の森を拓く姫』に彼女についての記述が普通にあったという。記憶から抜けてるだけで、結構あちこちに前後の時代の説明があるものですね。もう一度シリーズ読み返してみるべきだろうか……。

そんなこんなで、ルクレティアスに幸あれなんてことを思いつつ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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