2013年02月24日

ノルマルク戦記(2)異端者たちの軍旗

ノルマルク戦記〈2〉異端者たちの軍旗 (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 赤城 毅 ...
ノルマルク戦記〈2〉異端者たちの軍旗 (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 赤城 毅 (著); 小河原 亮 (イラスト); 集英社 (刊)

たとえ政治的な事情が絡んできても、謀を胸に秘めて好きな人の側にあることは耐えられないと声を張り上げる妖精姫。いいですなあ。どうしてもというのなら家から追い出されても、というのはそれだけでいかにも想い一筋な頑なさを感じるものだけど、それが王女というだけで決意の重さが増して感じられます。その直前に気持ちを尋ねられた時の素直じゃない反応なんかは子供っぽいかわいらしさも感じたものですが、この思い切りには祖父王同様に女の子の変化を感じさせられますわ。あの悪童姫と呼ばれておった子がのう……。とはいえ、かつてほどではないにしろおてんば時代の名残はまだ随所に感じられたり。ユリアスに同行の許しを請うた時のしおらしい態度や言葉遣いは素晴らしかったですね。わかっているのに騙されるというか、むしろそれが堪能できるなら積極的に騙されたいと思えるくらいの可愛さでしたよ。ええ。

放浪商人であるエクマンのキャラは、いかにも金が第一な商人という感じで、思わず顔をしかめてしまうような台詞もちょくちょくあったんですが、次第にそのぶれない態度に安心感を覚えるようになってくるから不思議ですね。金にがめついと蔑まれようが、自分は真剣にこれで食い縁稼いでるんだという自負が窺えるというか。ユリアスやパッシェンダールらのような大志はなくとも、日々を生きるエネルギーは彼らにちっとも劣らないように思えます。

この巻の表紙にも描かれてるデミアンとユーディトとの関係は、つらいものになってますね。かつてはともに想いを寄せ合っていた仲であり、その気持ちは今もともに持ち続けているというのに、進みだしてしまった男の野心のために結ばれることの叶わない悲劇的なすれ違いにいたってまった。それでもデミアンが毎日のように彼女のもとを訪れるというのは、未練……なのかなあ。家のこととか国のこととか、妨げとなるものを忘れて恋に溺れられるほど、お互い子供じゃないもんなあ。この辺はフィンレイとユリアスとは対照的なところで。それだけにこの二組がこの後それぞれどうなるのかというのは気になるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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