2012年08月21日

ソードアート・オンライン 4 フェアリィ・ダンス

ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫) [文庫] / 川原 礫 (著)...
ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫) [文庫] / 川原 礫 (著); abec (イラスト); アスキーメディアワークス (刊)

●仮想世界で見つけた真実。その証を取り戻すために。

記事のタイトルは4巻としてますが、割と1巻から通しての感想ということで。Web小説におけるVRMMO作品の代表作ということで読み進めているこのシリーズ、人気になるのも頷ける面白さですね。どこがいいかというと、ストーリーを通して伝わってくる熱量。これまで十作ほど読んできたVRMMO小説の中でも随一の面白さですよ。単純に先の展開が気になるわくわく感なら、より上だと思う作品もあるんですが、この作品がそれらと一線を画していると思うのは、主人公のキリトが見せる、デジタルなゲーム世界に囚われないリアルな感情にあります。大枠としてはきっちりVRMMOの範疇内でありながら、その舞台上における行動の端々から、一度きりしかない現実の人生そのものの切実さを感じさせてくれるキャラクター達。それは、アインクラッド編にて仮想世界で現実として生きた経験があったからこそ得られた実感なのですが、フェアリーダンス編にてアスナを求めて募る焦燥感に身を包みながら、無謀にも先へ先へと疾走していくキリトには、VRMMOであること、ゲームであることという枠を飛び越えた非常に人間的な魅力を感じるのです。

VRMMOの世界は仮想のものであり、その世界の中での付き合いも現実世界とは異なる虚構のものに過ぎない。だけど、仮想や虚構の上に成り立つ非現実のVRMMO世界にも、確かなものは存在する。その世界を通じて抱いた感情、刻みついた思いは、誰にも否定できない真実なのだと。仮想の世界における確かな現実なんだと。そう心の底から信じるがゆえに、現実世界でも曖昧なそれを確かに知るがゆえに、それを否定するかのような所詮ゲームだからという考えに基づく行動は否定する、誰もがが怯んでしまう状況でも全身全霊で目の前の敵に挑んでゆく。一般のゲームプレイヤーからは明らかに浮いた思考だけど、アインクラッド編の事件を乗り越えたキリトだからこそ実感がこもって感じるのですよね。そしてそれを押し通してしまえることに、格好よさを感じたり。総じてフェアリーダンス編でのキリトは、他のプレイヤーと生きてる時間の密度が違いますよね。娯楽としてのゲームを楽しむ人々と、大切な人の救い出すために駆けずり回るキリトの、ゲームに懸ける思いの差ですね。刹那にこもるキリトの思いの熱量に触れているとこちらの気持ちまで熱くなってくるものです。

また、アインクラッド編が「ログアウト不能・デスゲーム型」のVRMMOだったのに対し、フェアリーダンス編は「ログアウト可能・非デスゲーム型」のVRMMOであり、一つの作品で複数のタイプのVRMMOを楽しめたのも魅力ですね。個人的にはフェアリーダンス編のようなタイプのものが、お遊びのゲームっぽくて好きではありますがそれはさておき。それぞれのタイプにはそれぞれの面白さがあるものなので、今後さらに登場してくるゲーム世界にも期待が高まりますね。とはいえ、キリトたちにかかればまたぞろゲームの枠に囚われない快刀乱麻の活躍の場になってしまいそうな気もしますが、それはそれでどうなってるのか楽しみでもあります。


posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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