2012年08月04日

カンピオーネ!〜まつろわぬ神々と神殺しの魔王〜 第四話「まつろわぬアテナ」

「いにしえの女神アテナ、その真の姿を顕わしめ、護堂、その知勇を以って女神を斥けるのこと」

今回も解説は主に原作者による解説の方をご参照くださいということで、テキトーに場面場面の感想なり他人の感想見て思ったことなり混ぜこぜに書いていきます。

護堂とエリカの二人が走ってアテナのもとへと向かう場面。ここでエリカは護堂に万里谷と仲良くなること、もう少し突っ込んで二号さんとして確保しておくことを進言しますが、これは浮気もOKしちゃう都合のいい女としての発言じゃありません。この回最後の方まで見てもわかると思いますが、エリカは護堂にカンピオーネとしての戦力を充実させてほしがってるわけですよ。なぜなら芯から護堂に入れ込んでしまってるから。それはもう本拠イタリアに君臨するカンピオーネを差し置いてでもというくらいに。とはいえ、護堂はまだカンピオーネとしてはなりたてほやほやのルーキー。魔術結社などを率いているわけでもなく、現状の陣営戦力とでも呼べるものは護堂本人とエリカの二人だけ。護堂本人は神々との戦いを忌避しているといってもさすにこれでは今回のようないざという時に心許ない。しかしそうはいっても低能な人員をいくらかき集めても仕様がありません。そこでエリカが目を付けたのが世界的にも稀有な水準の霊視術を有するという、渦中の媛巫女・万里谷祐理。原作にてエリカ曰く、数少ない彼女が認める同年代の魔術関係者の一人ということで、前々から目をつけてはいたみたいですね。ちなみに、1話からちらちらと登場してる銀髪で青黒っぽい服の女の子、リリアナ・クラニチャールもその一人です。ここで話を戻すとつまり、上の発言は、護堂にそんな祐理との間に確固たる繋がりを築いてほしいという意図なのです。二号云々は言葉の綾というところかと。口ぶりもどこか冗談めいてますし、この時点では祐理がエリカと護堂の仲に割って入ってくるとまでは思ってなさそうな節があります。まあ原作で後々出来上がっていく護堂陣営を見ていると、どう見ても護堂ハーレムなんですけどね。

人の世が被る被害を無視しカンピオーネたる護堂との戦いに興じようとするアテネの態度に、ついに護堂が本気で戦う気になる。ここのスイッチの切り替わり、「ようやくエセ平和主義者を返上するつもりになった」という表現がぴったりだよなぁ。普段なんだかんだで平穏な日常が一番だなんて言ってるけど、戦ってる時が一番生き生きして見えるんだもの。しかも戦うとなったら「とにかく勝つ」。これが一番であり、周りの被害の心配は二の次というスタイル。今回も浜離宮恩賜庭園をやってくれました。ええ、それも仕方ないかという程度の心持ちで思い切りよく犠牲に捧げてしまうのが護堂のエセ平和主義の象徴であったりします。とはいえ、カンピオーネとまつろわぬ神々の戦いというものは、ゴジラやガメラといった怪獣クラスの存在同士の戦いであり、穏便に済ませてくれというのが無茶だったりするわけですが。個人的にはいいぞもっとやれということで。

「戦士」の権能は完全に特殊な結界の内の出来事ということにしているみたいですね。これはこれで、見栄え良くてかっこいいのでありっちゃありかなというところ。そんなことより神話蘊蓄ですよ。アニメでは尺の都合上無理かと半ば諦めてたんですが、短縮させながらもきっちり入れてくれました。原作ではもうこれが一番の楽しみと言っていいポイントですが、活字としてではなく音声を通して聞いても面白いですね。龍蛇神、智慧の女神、大地母神、冥府神、戦神等の顔を併せ持つ、メティス、メドゥサ、アテナの三位一体説。音声で聴いてもやっぱり興味深いですわ。蘊蓄の楽しみはこういう思いもよらない話を聞かせてくれるところにあると思います。原作読んでないと理解しづらいところだとは思いますが、それならそれで雰囲気だけ感じ取ってもらえればいいのではないかと思います。もしくは気になったら原作1巻をどうぞ、というのもいいかも。原作者解説の方で軽く触れられてもいるので、軽く試し読みくらいの気持ちでのぞいてみるのどうでしょうということで。それはそれとして、原作未読組を中心に、あの程度のセリフで済むなら魔術で詰め込み「教授」しなくてもよかったんじゃという感想がちらほら見かけられましたが、実際に「教授」された知識はあれだけではないんですよ。アテナの登場するギリシア神話やその発生した世界史的背景、他神話との習合の過程など、それら膨大な知識を「教授」によってインプットされた上で、それらの知識を関連付け網羅的に把握した上でアウトプットしたのがあの戦闘時の語りなのです。つまり、護堂はただ渡された台本を読みあげてるのではなく、詰め込まれた膨大な知識のうち要点のみをざっくり言霊として発しているのです。「100日かかる」は大袈裟にしても、一朝一夕でできることじゃないですね。だからこその魔術頼み。それと、色々感想見て回って初めて知ったんですが、あの神話蘊蓄って比較神話学なるものをベースにしてるみたいですね。さまざまな神話の類似点に注目する研究領域、なのでしょうか。初めて聞いた名前なので全くわかりませんが、つまり今回語られたアテナの来歴はギリシア神話そのもののエピソードとは違う点もあるということなのでしょうね。自力で調べようとしたら本当にかなりの時間がかかりそうで、ちょっと興味はあるもののどうにも尻込みしてしまうところ。

戦闘シーンは相変わらず、うーん……。護堂が苦戦してる様子が窺えないので、これじゃ主人公最強作品と思われても仕方ないですね。終始護堂のペースで進んだように見えるけど、白馬からロンギヌスの槍につなげる流れは別に作戦通りというわけでもなく、その場の思いつきレベルの戦術にすぎないイメージ。ルーキーであり戦闘経験も少ない護堂が神や他のカンピオーネたちに伍する数少ない要素の一つ、それがこういうところでの勝負勘だったりするわけで。真剣勝負の駆け引きとしてこのぐらいはできて当然という程度の機転、間違っても頭脳派とまで言えるほどの戦い方をする男ではないはずなのですよ。そしてそのちょっとした思いつきに応えてくれるのが信頼厚き臣下たるエリカ・ブランデッリになるわけで。本当にいいコンビですよねぇ。アテナ帰還後のアフタートークでも相変わらずいい雰囲気出してくれて満足満足。もうヒロインはエリカだけでいいよね、という冗談さておき。ヒロインが少ない分エリカが目立つのはいいことですね。ヒロインが増えようがその存在感が霞んだりはしない魅力溢れるヒロインなのは言うまでもありませんが。

というわけで、原作1巻の対アテナ編終了。結局「星なき夜の予言」とはなんだったのか。甘粕さんがなにやら思わせぶりなことを言っていたので、もしかしたら再登場してとんでもない事態になったり、ということがあるのかも?

そして、次回予告での「神殺しの王よ、優柔不断であれ」という言葉。これはちょっとキレていいですかと言いたくなる言葉の選び方。この時点ではそういう言葉を使いたくなる状況であることは否定できないけど、たとえそうであっても、原作では優柔不断によるものではない真正のハーレムであることが見所な作品の予告でその言葉を持ち出すのは、ちょっと信じられない。何やら背景に「正妻戦争」なる文字も見られましたが、そんなちゃちな言葉が飛び出す凡百の「ハーレム」物とは違うはずなのに……。やたらキスシーンに力入ってたりと、ラブコメ面すなわちハーレム方面で力を入れてくるのかと思っていたのに、そこの特徴殺す言葉を使っちゃってどうするのか。どこを一番の売りにしてるつもりなんだろうかと疑問が募る。まあ今回は蘊蓄が期待以上だったのでそれでよかったと思えなくもないところではありますが。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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