2012年05月19日

パパのいうことを聞きなさい! 4

パパのいうことを聞きなさい! 4 (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 松 智洋 (著...
パパのいうことを聞きなさい! 4 (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 松 智洋 (著); なかじま ゆか (イラスト); 集英社 (刊)

2巻3巻と、アニメに比べて不満だったけど、この巻でようやっと面白くなってきたように思います。

それというのもこの小説版(というか原作)の瀬川祐太、アニメだと「幼い頃からの波乱万丈な人生に揉まれた年齢以上によくできた好青年」という印象だったのが、「波乱万丈な経験をしてる割にごくごく年齢相応の大学生で、だけど物語の主人公らしくとにかく周りの人に好かれて自分から動かなくても助けてもらえる」ような人物であることに愕然としてしまっていたのです。「少年向けラノベらしからぬ」主人公像、ストーリーに興味をひかれていたというのに、蓋をあけてみればやっぱり「よくあるラノベ」じゃないかという落胆でしょうか。

ですが、それもここにきて味が出てきたように思います。今回、家出した美羽の説得や、その後の誕生日パーティーの様子など見ていると、祐太と三姉妹だけでなくロ研や合唱部の面々も、すっかりこの家族にとってはなじみ深い存在になっているんですね。アニメだと、ロ研のメンバーに助けられたりすることもあったけど、それでも家族とそれ以外の人々の間には、やっぱり厳然たる境界があったように思います(個人的に微妙だった最終話は置いておくとして)。それはつまり、アニメでの祐太は、他者からの助けをそれほど必要としないように見えるほどわきまえのある人物だったということ。それに対して原作の祐太は、見た目も内実も、周りから助けてもらわなければ三姉妹の保護者などという大任は決して務まりそうもない。けど、だからこそ、自然と周囲からの助けが得られる「主人公体質」が活きてくる。年齢相応の凡人だからこそ、自分一人で三姉妹の世話を焼くのではなく、お隣さんや伯父さんや伯母さんやロ研やバイト先の関係者や合唱部などといった色んな人と関わって、助けられながら三姉妹を育て、祐太本人も保護者として、ひいては人として成長していける。いいないいな。

三姉妹の方にスポットが当たりがちで影が薄くなりがちだけど、祐太もしっかり成長してる。終盤で、ぐずる美羽に対して声を荒げてでも聞き分けさせ連れ出したのは、2巻で心配かけまいと無理をする空の心理に踏み込めないで風邪を悪化させてしまったことを考えれば、保護者としてというか家族としてというか、心の距離の縮まりを感じます。

あくまで平凡、けどだからこその自然体な主人公、というやつなのだろうか。アニメでの、頑張りに頑張って報われる主人公像の方がやっぱり好きなのだけれでも、こっちの瀬川祐太も捨てがたい。そう思えてきました。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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