2012年02月15日

されど罪人は竜と踊るD Hard Days & Nights

されど罪人は竜と踊る 5 (ガガガ文庫) [文庫] / 浅井 ラボ (著); 宮城 (イラスト); 小学館 (刊)

このシリーズはやっぱり面白いなぁ。今回は短編8つで構成されてるおかげか一つ一つの話がテンポよく、これまで以上にすらすら読めた印象。これまでみたいな救いのない展開とか遙か格上の敵を相手取る重苦しい展開がなかったからかもしれませんが。そんなやや安心して読める話ばかりだったわけですが、それでもやはりガユスの可愛さは遺憾なく発揮されていましたよ。自らの甘さがもたらす失敗と行き違いと、またそれを悔やみ傷つく繊細な心と。攻性咒式士としては未熟な覚悟もガユスの魅力の一つなのだなぁとしみじみ感じましたね。今回のように重苦しい展開にならずに済んだならだけど。さすがにいつものノリの時にそんなところ見せられたらシャレにならない。とはいえ不幸が似合う男としてはその軽重を問わなさが判明した形か。今回も堪能させてもらいました。主に「翅の残照」「道化の予言」「黒衣の福音」の3つの章で。

ギャグ調の話は、これまでのノリからするとそんなのどかな話が展開される余地がガユスの周りにあったのかと意外にも思えたけど、普段のギギナとの戯言成分がちょっとした日常に染み出た束の間の平穏というところでしょうか。それ自体も悪くはなかったですが、そういう話もあると対比的に不幸が映えるのがまたいいですね。

「刃の宿業」は初めてのギギナ視点でしたがなかなかに新鮮でしたね。運命に振り回されがちなガユスとは違いひたすら己の道を行くという感じ。同類以外には理解できない業を思いつつも己が欲するがゆえにそうあり続ける戦士。かっこいいよなぁ。ただ、浮かび上がる戦闘民族としての性は、どうにも理屈と戯言を繰るガユスとの間を取り持つものを見出しづらくて、この二人は本当にどういう出会い方したんだろう。

それはさておき、今回は大きな事件がないながらもちょいちょいと気になる勢力の影が見え隠れしてましたが、嵐の前の静けさ的な巻だったんでしょうか。いずれにせよ次の巻も早いうちに読みたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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