2011年10月06日

ハルケギニア南船北竜

ここ1カ月以上かけてちまちま読んでたSSをようやく読み終わったのですが、それがすごく面白かったのでご紹介。

ゼロの使い魔SS 『ハルケギニア南船北竜』 作/棒の人
目次はこちらから

あらすじとしては、現世の記憶を持ったまま異世界ハルケギニアに転生した主人公(38)がその知識と才腕を活かして成り上がっていく話、とでもなるのでしょうか。

これは面白かった。オリ主転生ものだからチートはあるし挫折らしい挫折もなく進んでいくものだからやや単調と思えるところもあったのだけど、コツコツと一歩一歩内政的な課題を解決しながら商会や領地を発展させていく過程がそれを補って余りあるほどに面白いんですよね。シミュレーションゲームをやってるような、そんな感覚。それに主人公の中の人が大人であるだけに、その経験を活かして目上の商人や貴族を相手に駆け引きをする様子もすごく面白かったです。こういう駆け引きって、経験値の足りない少年くらいの主人公にやらせるとややも奇策に走ったり必要以上の勝利を収めて相手との縁が切れてしまいがちな気がするので、その後の取引も視野に入れた堅実なやりとりというのはいかにも落ち着いた大人らしいやりとりだなと思いましたね。

お題の一つにわらしべ長者とあるように(?)基本は地道にコツコツ発展していくのですが、二カ所ほどそれが数段飛ばしになるところがあって、そこの盛り上がりはやばかったです。特にすごかったのはヒロインに出会ってから結婚に至るまでの流れ。一目惚れしたものの身分違いゆえに結ばれるはずのなかった恋を、親類縁者の助力を受けながらもあっという間に相手に釣り合う爵位を手に入れることで叶えてみせた。この物語のような劇的な展開で一気にこの作品の虜になりましたね。その後、ときどきその話を他の女の子に知られてはどこの騎士物語だよとつっこまれて恥ずかしそうにしているリシャール(主人公)にはたいへんニヤニヤさせてもらいました。

基本的にラブコメよりもわらしべ長者的な発展を描く方が主なので使い魔のアーシャ(♀)や秘書というか右腕っぽい役どころのマルグリットさんなど、女性陣も結構登場しますがヒロイン以外の出番は基本薄め。ゼロの使い魔は個人的にラブコメ色が強すぎて合わなかったのですが、世界観自体はよくできているようなので、二次創作とはいえこのくらいの割合で描かれる話としてなら大いに楽しむことができました。

ゼロの使い魔は原作のラノベやアニメで少しだけ知っているとはいえ話はほとんど覚えていなかったのですが、おぼろげな記憶と照らし合わせてみると、まだ才人がハルケギニアに召喚される前の時点とはいえ何人かのキャラの身の上などところどころで改変がなされているようです。事前知識があまりない分素直に楽しめたのかもしれません。

あと、続編があるのは知ってましたがまさか思いっきり続く形だったとは……。終盤の盛り上がりもまたよかったんですけどね。こういうSSは完結するかある程度の量がたまってから一気に読みたいのだけど、続きが気になって仕方ないぞー。マリーちゃんは一体どんな立ち位置のキャラになるんだろうか。そしてまだまだ発展途上のリシャールの領地は一体どこまでの繁栄を見せてくれるのか。ワクワク。けど我慢我慢。


追記:ここまでの書き方だと作中の主人公の年齢が38歳みたいに思えてしまいますね。38歳なのは現世にいた頃のことで、作中では中学生相当くらいの少年です。子供だからと侮られたりしながらも逆にそれをアドバンテージとして利益を引き出したりもする強かなやり手なのです。まあ上には上がいるわけですが、それも勉強と割り切って甘んじて受け入れる謙虚さなんかにも大人を感じたりするわけです。
ラベル:棒の人 SS 感想
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | Web小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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