2011年09月02日

鍵開けキリエと封緘師 そして世界の開く音

鍵開けキリエと封緘師 そして世界の開く音 (富士見ファンタジア文庫) [文庫] / 池田 朝...
鍵開けキリエと封緘師  そして世界の開く音 (富士見ファンタジア文庫) [文庫] / 池田 朝佳 (著); さんば挿 (イラスト); 富士見書房 (刊) bk1はこちら

これでシリーズ完結なのかー。モラトリアムに悩むキリエが成長していく様子をもっとじっくり描いてほしかったんだけどなぁ。この巻の話はいかにも終わらせるための話という感じで、前触れもなく突入する最終話には唐突な感もあって勿体ないとも思ったり。ただでさえ少ないページ数の中にさらにドラマが掲載短編が二本含まれているので本編自体のページ数も少なく、正直あっけなく終わってしまったという感は否めない。

けど、あのラストシーンゆえにとてもいい話だったと思う。あのラストシーンゆえにこのシリーズが大好きだと自信を持って言える。まさに終わりよければすべてよし。(それまでも好みの話だったことには違いないですが) 初恋の切ない思い出は、キリエが鍵開けであるがゆえに心に残り続けるんでしょうね。

小さい頃から村の人たちの中で過ごしつつもどこか遠いところを見ていたというキリエ。ひと夏のモラトリアムの末に鍵開けとなったわけだけど、それだけで彼の全てがを規定しうるとは思えない。鍵開け以外に関心がなく孤立していた少年は、周囲の人々に心を開くということを知った。行き着く果ては遠いところであろうとも、鍵開けしか知らなかったかつてのキリエならともかく、成長したキリエは周囲の人との関係を規定する別の何かをも持ちうるはずだ。では、決して忘れられないだろうひと夏を過ごしたキリエはこの先、何者になっていくんだろうか。
そんなことに思いを巡らせてみるのも楽しい。素敵な余韻を残してくれる話でした。次回作も期待してます。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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