2011年07月08日

フェンネル大陸 偽王伝 1  孤狼と月

フェンネル大陸 偽王伝1 孤狼と月 (講談社文庫) [文庫] / 高里 椎奈 (著); 講談社...
フェンネル大陸 偽王伝1 孤狼と月 (講談社文庫) [文庫] / 高里 椎奈 (著); 講談社 (刊) bk1はこちら
13歳の少女フェンベルク(通称フェン)は王女にして悪鬼たちの師団をまとめあげる将軍。祖国・ストライフを敵国の侵略から守り、国民の幸せを願い、そして愛する兄を支えるため、彼女は自らを鼓舞するのであった。そんな折、運命を変える出来事が!? 壮大なハイファンタジーのシリーズ第1巻、ついに旅立ち。
己というものを構成してきたすべてが空っぽになってしまったとき、そこで得られる道標こそはその後の運命を決定づけるもの。固い信念を手に入れたり、絶望に心を染めたりなど、良くも悪くも絶大な影響力を持ちうるものでしょう。この作品の主人公フェンベルクも話が始まって間もなく一大転機を迎えることになります。それも悪い方向に。王女として国のためを思ってやってきたそれまでの行いを否定され、慕っていた兄にも見捨てられ、自分の拠って立っていた価値観を粉微塵に砕かれた上で、ごろつきどものたまり場となっている最底辺の土地に流されてしまうのです。自分は間違っていたのか? 騙されていたのか? 使い捨ての駒に過ぎなかったのか? なぜこんな目に遭っているのか? わからない。当然生きる気力などないものを、それでも人に買われてしまった以上、自らの意思で死を選ぶことすら叶わないのだ。そうして絶望や猜疑に掻き回された混乱の後に彼女の心を満たすのは空虚。そして虚無の果てに出会うのは縁もゆかりもなかった身分の人、目にするのは想像だにしなかった広大な世界、気付かされるのは思いもよらなかった未来、生きてさえいれば見出せるかもしれない展望。この一冊ではまだ序章に過ぎないのですが、絶望の峠を越えて旅立ちを決意した少女は一体どんな未来を見出すことになるのでしょうね。

それなりに幸せな境遇から絶望の淵へ真っ逆さまというフェンベルクが受けた仕打ちにはついつい興奮を覚えてしまってそれだけで満足してしまった感もあるのですが、そういえば理由についてはまだまったくと言っていいほど明かされてませんよね。少しずつその理由を知っていくことになるのでしょうか。出だしから落ちるところまで落とされた感はありますが、これ以上のインパクトはあるのかなぁなんて期待もかけてみましょうか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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