2011年07月03日

忘却の覇王 ロラン

忘却の覇王 ロラン (ガンガンノベルズ) [単行本] / 吉野 匠 (著); 望月 淳 (イラ...
忘却の覇王 ロラン (ガンガンノベルズ) [単行本] / 吉野 匠 (著); 望月 淳 (イラスト); スクウェア・エニックス (刊) bk1はこちら

二大強国による争いの末に形勢不利となったクラウベン帝国。対する商業都市連合は総帥アメンティとクラウベンの王女エトワールとの結婚を条件とした停戦を提案する。だが、その婚礼に嫌悪感を示すエトワールは王室警護隊長のロランに頼み込んで式場から脱出。さらにクラウベン帝国が勝利を収める術を求めて魔族との接触を図ろうとするのだが――という感じのお話。

この作者の作り出すファンタジー世界っていうのはどうも軽いんですよね。読む前からある程度予測できることだったのかもしれないけど、でも公式あらすじとか見る限りもうちょっと凝った世界観だと思ったんだけどなー。ここまでくるといっそジャンルはギャグじゃないかとも思えたり。

まず主人公のロラン。アンチヒロイックながらも華々しく活躍するヒーローというものを想像してました。読み始めるまでは。けど、蓋を開けてみれば持ちネタの8割がセクハラというしょうもないオヤジキャラ。実際の年より若い外見ということだそうですが、きっと精神的には年齢相応なんだろうと思います。終盤はただのオヤジじゃないのかと思わせるところもありましたが、いかんせんストーリーがまだ序盤も序盤なためその印象を覆すには程遠く、なんでエトワールが恋情を寄せてるのかちょっと理解できない。

次に王女エトワール。このキャラがなんか頭抱えたくなるくらいに足引っ張りまくってるだけなんですよね。シビアな計画のはずなのに突発的な行動起こすわ、敵を殺すなだのいちいち注文付けるわ…。いやまあ、人死にを嫌うという性質自体は箱入りのお姫さまとしては美点の一つだとは思うんですけどね。今そんなことで揉めてる場合じゃないでしょうと。畢竟、箱入りで甘っちょろい育ちのくせに、状況考えずに自己主張はしっかりしてるのがなんだかなー。お姫様というのは基本それだけで大好きなはずなのに鬱陶しく思えてしまうという、ちょっと珍しいキャラですね。

それに作中のロランとエトワールの緊張感のなさ。これが一番軽いという印象に繋がったのだと思います。終始ピリピリしてろとは言いませんけど、だからって成功させなきゃ帝国滅亡はほぼ確定という状況のはずなのに行き当たりばったりで計画を進めていくっていうのは正直どうなのよ。いざ敵拠点に侵入する直前になってから疑問に感じて軽く口論になりかけたりとか、もういい加減にしてください。

そして一番傑作だったのがエトワールの叔父でクラウベン帝国国王のフォレスタ王。侵攻してくる連合の軍勢に慌てふためく臣下をたちに余裕の体で宥めておきながらその実ロランの計画の結果待ちという。なんでそんな状態で悠々としていられたんだろうか…。もしかしたら他に秘策があったりするんだろうかと勘繰ったりもしましたが、いざ決戦の時を迎えてみればそんなものはさらさらなく。最初から勝つ気なんてない弱腰な上にあっけなく撃破されて当人も意識不明の重体という。もうね、爆笑でしたよ。さんざん思わせぶりな態度とっておきながら何もないじゃないかと。つまりあれは虚勢ですらなく、ただ現状を認識できてなかっただけじゃないかと。ダメだこの王。本気で帝国の勝ち目の一片すら見えない。

とまあ、なんというかここまで結構ひどい内容だったと思いますが、魔族方面はそれなりに面白そうな展開になってもいたり。シオンのキャラもなかなかですしね。とにもかくにもこの巻はまるまる1冊使ってまだ序章すら終わってないように思えましたし、もう少し様子見してみようかなと。


posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。