2011年07月02日

藍坂素敵な症候群 3

藍坂素敵な症候群〈3〉 (電撃文庫) [文庫] / 水瀬葉月 (著); 東条さかな (イラスト...
藍坂素敵な症候群〈3〉 (電撃文庫) [文庫] / 水瀬葉月 (著); 東条さかな (イラスト); アスキー・メディアワークス (刊) bk1はこちら

シリーズ3巻(最終巻)。風邪を引いた空の看病をしに彼女の家に向かった素敵たち。そのときのハプニングから浩介は空に奴隷としてこき使われることに。そんな二人の様子を見ているうちに素敵は心落ち着かなくなってきて――という感じのお話。

一気に綺麗にまとめてきましたね。感動のラスト。いい話でした。1巻の時点である程度予想はできてましたが、実際その時がくるとやっぱり涙腺を刺激されずにはいられませんね。こういう話には弱いんです。狂おしいほどの恋情、あれは確かにビョーキ。けどなんというかああいう青春の若さあふれる苦悩や真剣ゆえに俺狂う感情っていうのは大好きですね。この作品らしい変態さと青春が見事に融合した素晴らしいラストだったと思います。あと、罹患した浩介が微妙に『ぼくと魔女式アポカリプス』を思わせる狂気を見せてくれてたのにはニヤリとさせられたりも。

とはいえ、作者あとがきでも短期間で終わらせるつもりだったと書かれているものの、やっぱりちょっと駆け足だったように思えてならないんですよね。2巻ラストにてやっと芽生えた浩介の気持ちなのだから、もう少しじっくりと育っていってほしかったかなぁ。それに、この巻の前半部の話も、全体としては必要なんでしょうけど、この巻で巻けっつまで持っていってしまったせいかやや浮いてるような印象を受けてしまって勿体なく感じられましたし。

それと、耽溺症が病気か進化かという点で争われもしましたけど、そこは別にはっきり白黒つけなくてもよかったんじゃないかなという気も。マイナスの面もあればプラスの面もあったわけですし、どちらか一方ばかり強調してる人しかいなかったのはなぜでしょうね。なにより方向性さえ間違えなければあの才能は絶対に有効活用できると思うんですよね。法を犯しているから耽溺症なんて言われるだけで、そうでなければ彼らも世間一般に天才といわれて衆目を集めるに値する人物だったように思えて仕方ないんですよね。重度発症しちゃっても管理次第でその才能を活かすことは可能のようにも思えますし、そのための藍坂素敵の異能だったような気がしてなりません。なにより天才とは、どこかネジが飛んでてこそだと思うのですよ。こんなこと書いちゃうとこの話は一体何だったんだろうなと思えてもきますが、そこは深く考えない方向で。

なにはともあれ作者にとっては初めてのシリーズ完結だそうで、そんなに読んでるわけでもないんですが、思い入れ深い作者さんなのでなんだか感慨深くもあり。このテンションのまま『シーキューブ』を読み始めてみるのもありかもしれませんね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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