2011年06月28日

銀盤カレイドスコープ vol.6  ダブル・プログラム:A long, wrong time ago

銀盤カレイドスコープ vol.6 ダブル・プログラム:A long,wrong time ag...
銀盤カレイドスコープ vol.6 ダブル・プログラム:A long,wrong time ago (銀盤カレイドスコープ) (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 海原 零 (著); 鈴平 ひろ (イラスト); 集英社 (刊) bk1はこちら

シリーズ6巻。タズサと因縁の深い二人のフィギュアスケーター、至藤響子とドミニク・ミラー。彼女たちにもまたタズサ同様負けられないという思いを抱えていた。そして迎える2009年世界選手権。それは次に控えるオリンピックの前シーズン最後の大舞台であった――という感じのお話。

ただいけ好かない人たちと思っていたライバルも、その胸に抱える思いというものを知ると途端にそれまでの感情が嘘のように声援を送りたくなってしまうものですね。至藤響子のオリンピック出場にかける執念のような思い、ドミニク・ミラーとタズサとの深い因縁。これまでタズサ視点でしか見ることができなかった彼女たちの過去や内面の心理が覗けるようになると、これほど見方が変わってしまうとは驚きでした。世界トップクラスのアスリートともなると負けられない理由の一つや二つくらいはあるものですよね。そしてそれに共感を覚えられるからこそ応援する側としても熱が入るというもの。いや本当に素晴らしい物語ですね。作者さんはフィギュアスケートが本当に好きなんだなあというのが伝わってくるような話でした。

そして、ここ数巻はリンクの外でのお話が続いてましたが、今回久々に大会でのシーンが描かれましたね。ここ数巻そういうシーンがなかった分を埋めるかのような怒涛の演技描写に圧倒されました。フィギュア用語が頻出するのでちょっと情景を想像しづらいシーンもありましたが、けれどまあ雰囲気はつかめたので大丈夫。それにまたタズサの活躍が見れたので個人的には大満足。うん、やっぱり氷上のタズサのかっこよさは何物にも代えがたいこの作品の魅力ですね。かたや至藤響子もここ数巻の間に一皮むけたようで、その実力を存分に見せつけてくれてたのが印象的でしたね。ステイシーともども若い層に食い下がっていくベテランの意地というのもまた見所の一つであり。その一方で奮わなかったのがドミニク・ミラー。またしてもタズサに敗れてしまった彼女の失意はいかばかりか。しかもそれが彼女の地元であるから余計にダメージはでかいですよね。すっかり負ける役が定着しつつある彼女ですが、また巻き返しを見せてくれるんでしょうかね。ここまで色んなキャラに感情移入できるようになると、すべてのスケーターにタズサを脅かすくらいの位置につけてほしいと思ってしまうのですが、はてさて。

ともかく、いよいよ再びのオリンピックシーズンを迎えることになるということで、あとがきで最終巻の予定と書かれてますが、どんな勝負になるんでしょうか。ドラマのお膳立ては十分なされてきてますし、楽しみだなあ。わくわく。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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