2011年06月27日

女戦士エフェラ&ジリオラ 1

女戦士エフェラ&ジリオラ〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス) [単行本] / ひかわ 玲子 (...
女戦士エフェラ&ジリオラ〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス) [単行本] / ひかわ 玲子 (著); 芳住 和之 (イラスト); 幻冬舎コミックス (刊) bk1はこちら
ムアール帝国の衰退により、戦乱の波に呑まれつつあるハラーマ大陸。傭兵の元魔道士エフェラと皇女ジリオラは各地を旅する中、グラフトン公国で三つ子の公子と出会う。人間の魂を奪うと伝えられる教団が支配するフォーダ神聖皇国から彼らを救うため、エフェラとジリオラは立ちあがるが…。人気作『グラフトンの三つの流星』と『ムアール宮廷の陰謀』を書き下ろしとともに収録。
主人公の一人が皇女様と聞いて食いついたわけですが、なんというおてんばな方でしょうか。周りには育ちのよくないエフェラと一緒に旅してるからじゃないかと思われてるけど、どう考えたってこれはもともとの素養でしょうよ。まだあどけなさの残る少女の時代でさえ手のかかる野生児ぶりを存分に発揮してらっしゃいましたし。その頃と比べると落ち着きのなさはなくなっているので大雑把に見ると大人しくなってるようにも見えるんだけど、言動が余計に粗野になってるからどっこいどっこいか。いまやすっかりお姫様だと言っても誰も信じてくれないようながさつな女性にお育ちあそばしましたことよ。嘆かわしいことよ、なんて声も聞こえてきそうですが、こういう大味なお姫様もありかなと。なにより剣の腕は優れてるので闘いではそれなりに活躍しますし。ただ、強いと言ってもそこそこでしかないですし、作中何回捕まるんだよとつっこみたくなるくらいに捕まってますけどね。まあそこはやはり個人の武勇じゃ限りがあるということで。そんなわけで、国家やら貴族やらを相手にしたりしてる都合、どうしても力及ばずやるせない結果が生じてしまったりもしてますが、それもまた派閥や集団間の勢力争いをしっかり描きだしているこの作品の魅力なのかなと。とはいえ、感傷は感傷として抱きながらも、過ぎたことはある程度割り切って考えている節もありそこまで尾を引くような後悔などが残されているようには思えなかったりして、ダークな成分もあるにはあったんですけど割と薄めだった印象。

個々の章について書くと。

『グラフトンの三つの流星』は、グラフトン公国の三つ子の公子と出会ったエフェラとジリオラがフォーダ神聖皇国から彼らを護ろうと闘う話。助けられなかった命を悔やみ、残る者たちを生きて国に返してやろうと奮闘するも、多勢に無勢で大きな犠牲を払うことになってしまった結末が胸に刺さりますね。

『ムアール宮廷の陰謀』は、エフェラとジリオラの出会いの話。どちらも行動力のあり余った子供時代を過ごしてたようで、接点のないはずの二人が出会って、そのまま大冒険になっちゃったと書けば微笑ましい展開だったようにも思えたり。でも実際は皇位継承争いなんかも絡んでものすごい大事になっちゃってたから笑えない。ただ、その渦中で無力さも噛み締めることになりながらも、二人が生涯の友となりそうな友情を育んでたことにはいいなと思わされたり。

『ファルコーネの山を越えて』は、『ムアール宮廷の陰謀』からあまり時間の経ってない頃の話でしょうか。あてもなく旅を続ける彼女たちが一人の傭兵の旅の道連れになる話。ジリオラの食い意地の張ってるところはこの頃から片鱗の見えることだったのか…。食うに困らない身分の生活に慣れきってたら、まあそうなりますか。この頃になると二人の間にちょっとやそっとじゃ切れないくらいに強いつながりができてるようで、エフェの考えてることくらいお見通しなジーラにほっこりさせられましたね。

世界観全体で見ても結構本格的に異世界を作ってきてるようで面白かったですね。今回は最初の章が「今」という感じで、そこから過去の回想となる章に続くという順番になってましたが、次回は一体どういう話になってるんでしょうね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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