2011年06月26日

アカイロ/ロマンス 2  少女の恋、少女の病

アカイロ/ロマンス 2 ―少女の恋、少女の病 (2) (電撃文庫 ふ 7-17) [文庫] ...
アカイロ/ロマンス 2 ―少女の恋、少女の病 (2)  (電撃文庫 ふ 7-17) [文庫] / 藤原 祐 (著); 椋本 夏夜 (イラスト); アスキーメディアワークス (刊) bk1はこちら

シリーズ2巻。枯葉との出会いから一週間。【迷い家】に招待された景介はそこで一族の少女が一人、型羽を紹介される。そしてその帰り道、繁栄派の襲撃が景介を待ち受けていて――という感じのお話。

絵的にすごくシュールな回でございました。田舎町にゴシックパンクな出で立ちとか、着物にヘッドホンでロックのビート刻みだしたり、果ては着物でチェーンソーぶん回したりと、なんという面白空間だ。現代日本でありながらも昔ながらの鄙びた町でおまけに妖の一族なんかが出てきてと、これだけでも作品世界としては十分特徴だってるというのに、その上さらにパンチを利かせたビジュアルを詰め込んでくるか。結構シリアスだったり真面目な雰囲気のシーンのはずなのについつい笑いが込み上げてくる。ええ、こういうの好きですとも。というか「どあーず」って枯葉さんあなた、世情に疎い育ちしてきてると思いきやなんでそこわかってしまうんですかw そして【つうれん】は、あれは……ないわー。というか自覚があってなおやっちゃうところがすげえわ。もしや、あれはロックなノリというやつ?

けど、そこでちょっと引っかかったのが、「次女」というセリフ。跡取りといわれているからてっきり一番上の娘だと思ってましたが、どういうことなんでしょうね。少なくとも何年も前に亡くなっているとは考えにくいですし。うーむ。

それはともかく、前回獲得した称号であるツンデレぶりを今回如何なく発揮する景介が相変わらず愉快である。灰原さんを引き合いに出して枯葉を叱咤するところなんかは、灰原さんが忘れられないという気持ちが前面に出つつも背景に枯葉のことも意識してる様子が滲み出てて、ツンとデレのバランス的にとてもおいしゅうございました。というかもう枯葉が強い決意とともに立ち回ってることもあって、絵師さんも仰る通り完全にヒロインポジションになってますよね。ええ、まったくもって、真ヒロイン・景介にはますます期待が高まりますよ。

それと同時に、景介としては忘れられぬ灰原への想いを抱える一方で、今や彼女の体の主となっている枯葉のこともその堂々と寄せてくる好意とともに意識せずにはいられないという、なかなか複雑なところですよね。もともと枯葉には嫌悪巻の方が勝ってたはずなのに、知れば知るほど彼女に対して抱く感情はニュートラルなものへと変化していき、もっと彼女のことを知りたいと思うようになっていく。それは紛れもなく彼女のことを意識しだした徴候であり。この辺りの感情の揺らぎがもどかしいほどに丁寧に描かれてて、いいなぁと思う次第。ただ、一途な彼は二人いっぺんに好きになるなんてできないという。けれど彼女はそれはならぬという。この辺りで定石を外してきているようですが、それが先行きの期待をより膨らませるところでもありますね。この二人というか三人というかの関係は、一体どういうところに落ち着くことになるのでしょうね。

そして忘れちゃならないのが秋津さんという存在。一族の者と人との違いを、そういうところに設けてきましたか。これはやはり両者は深いところでは異なる価値観を持つ者同士ということで。だからこそ彼女が見せた仄暗い部分には対照的にゾクリとくる際立ちがあったというもの。一族側の人間とはいえ、それまでともに過ごしてきた人に、何の後ろ暗さもなくねっとりと惨い仕打ちをしてのけるその執念の深さ。しかもそれが自分のためではなく純粋に気になる人の好意を引きだすためと言い切る自己中心性。ああ、これこそまさにまさに。そうですよ、この作者さんの作品にはこういうのを期待してたんですよ。しかし、そうなると彼女の母というのはつまり……。

とにもかくにも色んな意味で面白くなってきました。続きも早く読んでしまいたいところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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